雑記 とてつもなく恐ろしい悪魔の気配を感じる……
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* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
さておき、魔人の話がしたいです。
魔人。知ってますか。
真・女神転生シリーズに出てくる悪魔の一種で初出は真・女神転生Ⅲ……じゃないんですよね。当時は知りませんでしたが(Ⅰプレイ済みで)、実はⅠから魔人は出てくる。
まあぶっちゃけ隠し要素なので気づかなかったのもさもありなん。れあえねみーですよ、れあえねみー。
ともかく魔人はまあ変で珍しい連中なのですが、何体も出会っていくとなんだかアレに似てるなとか、元ネタはアレだろうなとか思ったわけです。当時ね。
だから改めてそれぞれの魔人の元ネタを調べてみると、へーあいつはこれなんだこいつはそれなんだと面白かったので、自分なりに色々調べたものを備忘録的にまとめてみようと思います。
(調べたのはメガテンⅠ~Ⅲのものです。Ⅳ~Ⅴは特に新しい魔人はいなかった筈なので)
なお。なお! 割といろんなところからかっさらって明確なソースを提示できない上、憶測とかもあります。そして面倒なので、文末の『……と、考えられる』と言う文章は省きますので頭の中で接合しておいてください。
真・女神転生Ⅲ
マタドール
・元ネタはそのまま闘牛士。どうやらスペイン語らしい。同様に赤のカポーテなんかのカポーテも闘牛用語で、血のアンダルシアのアンダルシアは闘牛の発祥地らしいときた。でも血のアンダルシアって何よ?・初出は真・女神転生Ⅱ
ダイソウジョウ
・僧とか尼とかその辺を管理する役職……を僧綱と言い、その僧綱の中で最高位のものを僧正。そしてその僧正の更に上位の者が大僧正と呼ばれる。それを元ネタにしたもの。……このインフレランクみたいな説明で大丈夫なのかなあ
・見た目やらスキルやらともかく仏教関係である……が、初出の真・女神転生Ⅰでは死神の鐘を落とす。ぶっちゃけⅠがおかしいのではないかと思う
ヘルズエンジェル
・炎とバイクと骸骨と、見た目はアメコミの『ゴーストライダー』。名前はアメリカのモーターサイクル・ギャング『Hells Angels』が元ネタ。
・と、言うような元ネタが向こうで問題にされたらマズいからか、英名は『Hell Biker』である。ある意味答え合わせかもしれない。
・初出は真・女神転生Ⅱ
ホワイトライダー/レッドライダー/ブラックライダー/ペイルライダー
・いずれもいわゆる『ヨハネの黙示録』または『黙示録』と呼ばれる文書の中で登場した4人の騎士(Four Horsemen of the Apocalypse)。白い馬に乗った支配の騎士、赤い馬に乗った戦争の騎士、黒い馬に乗った飢餓の騎士、青白い(pale)馬に乗った死(疫病)の騎士それぞれが元ネタ。
・Ⅲでそれぞれゴッドアロー、テラーソード、ソウルバランス、ペストクロップを覚えるが、いまいち合っているんだかいないんだかわからない。
・初出はペイルライダー以外は真・女神転生Ⅲ。ペイルライダーはⅠ。
マザーハーロット
・同じく『ヨハネの黙示録』に出てくる『Whore of Babylon(大淫婦バビロン)』が元ネタ。
・ハーロット=Harlot は古い英語で娼婦の意味。直訳すると母なる娼婦だが、ニュアンスとしては合致している。
・大淫婦バビロンは、黙示録の中で七つの頭と十の角を持ち冠を被った赤い獣に乗り、姦淫と汚れに満ちた金の杯を持つという描写がされている。
・真・女神転生Ⅲが初出のマザーハーロットだが、かなり逸話通りのデザインをしている。そのまま、頭七つ、十本の角、赤い獣、金の杯、がある。
トランぺッター
・これも同じく『ヨハネの黙示録』に出てくる、災害の前触れにトランペットを吹く天使が元ネタ。七つの災害に準じてトランペットを吹くため『Seven trumpets』と記されている。
・ちなみに、トランペットと言うが現代のトランペットではなくラッパの方がニュアンスは近い。ラッパを吹くという方が合っているだろう。じゃあトランぺッターじゃなくて……ラッパーだったりする!?
・初出は真・女神転生Ⅲ。ボスとして戦う際には、4ターン毎に回復と即死技を交互に放つ。……7ターンではない。
・余談だが、真Ⅰに出てきていたペイルライダーは天使のラッパという武器を落とす。黙示録関係者だからだろうか。
真・女神転生Ⅱ
ゴーストQ
・ゴースト+Qという文字列からも推測できる通り、元ネタはオバケのQ太郎。
・専用技コバラスキマロ(マグネタイトを半分奪う)や消化液、吸い付きといった食欲旺盛な技々は元ネタの大食い要素から来ているのだろう。
ヘルズエンジェル
・前述の通り。初出は真Ⅱ。
アリス
・元ネタはルイス・キャロルの不思議の国のアリス……ではない。いや、正確に言うならば元ネタの元ネタと言った方が正しい。この魔人アリスの元ネタは真・女神転生Ⅰに出てくるキャラクターのほうの『アリス』である。
・金髪はいかにもアリスらしいが、その両手には赤と黒の人形を抱えており、Ⅰに出てくる赤おじさんと黒おじさんと見るのが自然だろう。
・更に肌は生気がなく、いかにもアンデット然としている。六本木の惨状を模しているのだろうか。
・魔人としての初出は真・女神転生Ⅱ。元ネタはⅠ。
・が、最近のシリーズでは魔人としてではなく一般悪魔として登場していることが多い。
マタドール
・前述の通り。初出は真Ⅱ。
ときのおきな
・いわゆる『時の翁』と言うのは英名で『Father Time』と呼ばれる時間が擬人化されたもので、多く老人として描写されている。この『ときのおきな』という魔人の元ネタもそれである。
・一般的に『時の翁』『Father Time』はギリシャ神話の時を司る神クロノスと同一視されることも多いが、神クロノスと時間の概念『クロノス』は本来別のものであり、時間の概念『クロノス』を擬人化したもの(=時の翁)が描写されていてもそれがギリシャ神話の神クロノスと同じかどうかは定かではない。
・つまり、この『ときのおきな』が神クロノスであるとは言い切れない。
・『ときのおきな』は翼と砂時計を持つが、『時の翁』『Father Time』においてもしばしばそのようなデザインが見受けられる。
・大体そんなデザインをしているからか、死の擬人化、死神とも同一視される。
・初出は真・女神転生Ⅱ。ムドとムドオン等を使ってくる。
真・女神転生Ⅰ
デイビット
・不明。または元ネタ無し。
・名前がデイビットに近くストラディバリウスを用いるヴァイオリニストは存在したが(ダヴィッド・オイストラフまたはダヴィート・オイストラフ)、直接の関係性は不明。
・初出は真・女神転生Ⅰ。ドロップアイテムは武器であるストラディバリ。ストラディバリウスではなくストラディバリ。
・ストラディバリと言うのはストラディバリウスの楽器製作者の事を指すが、何故ストラディバリなのだろうか。単に文字数が足りなかったのかもしれない。
ペイルライダー
・前述の通り。初出は真Ⅰ。
ダイソウジョウ
・前述の通り。初出は真Ⅰ。
以上、計13体の魔人たちでした。
さくっとやるつもりでしたがてこずりましたね、特にときのおきな。致命的な間違いがありませんようにと祈っておきます。
さてさてこうして纏めてみると、意外と共通点があったりしますね。
例えば骸骨の魔人が多い……って言うのは、恐らくⅢで意図的にやっている部分が多く見えてるだけだとは思うんですが。
そうではないⅡ、Ⅰだけを見てもなんだかそんな感じがしないでもありませんか?
思うに、全体的に死の概念をイメージして魔人はピックアップされているのかなという感じがします。
Ⅱであれば、アリスとときのおきな……ゴーストQとかマタドールとかヘルズエンジェルとかはちょっとノイズですが……ゴースト、骸骨という性質はありますね?
Ⅰはデイビットは置いておくとしても、四騎士の中で死を象徴するペイルライダーが選ばれた事、ダイソウジョウはいかにも~な和ホラーとしての僧な感じがします。……すいません、いまいち言語化がむずいです。
ちなむとⅠの魔人3体は、デイビットがニュートラル、ペイルライダーはロウ、ダイソウジョウはカオスです。各陣営の代表の死の概念、といったところなのでしょうかね。
あとはいわゆる伝説の生物~や悪魔~といった明確な存在ではないものが殆どというのは、かなり特異なのではないでしょうか。
マザーハーロットや四騎士はそのあたりそぐわないかもしれませんが、大体がオリジナルだったりちょっと迂遠であったりしています。もしかすると、悪魔ではない悪魔の枠として意図的に用意したものかもしれません。
という感じで、魔人のまとめはおしまい。
個人用に纏めただけですが、面白かったなら幸いです。
余談
Q.どうして余談に大見出しをつけるんですか?
A.本当に書きたかったのはここからの話だけど、考察より妄想に近いから
どうして魔人の話をまとめたのか? それは魔人のことを調べたから。
どうして魔人の事を調べたのか? それは全ての魔人に元ネタがあるのかを確かめる為。
少しだけ話を続けましょう。けれどここから先の話は根拠のない殆ど妄想に近いもので、尚且つ大した結論は出ません。あくまでも与太話として捉えてもらえれば幸いです。
魔人についてまとめましたが、どう見ても一つだけおかしな魔人がいますよね?
そう、デイビット。
他の魔人は全て元ネタであろうものが存在するのに、唯一彼だけ元ネタらしいものが見当たらない。
しかし彼は真・女神転生Ⅰに登場した魔人。過去作にその後の作品の法則を適用できるとは限らないので、Ⅰ特有の例外か、または非常に疑わしいとだけにしておきましょう。
それでも完全オリジナルなのか? という疑問は付きまとう為、あの手この手で調べてきました。その憶測を紹介していこうと思います。
考察の手がかり
とは言ったものの何の手がかりもない所からは無理なので、いくつか手がかりを元にしないとならない。
まあぶっちゃけその手がかりも殆ど無かったんだけど……。
でも一番わかりやすいのはそのビジュアルから辿る事だと思い、まじまじと見てみました。
大きく三つの特徴があります。①服装②ヴァイオリン③骸骨。
まず手始めに服装から……。
……
…………?
このふくってなに……?
え、わからないんじゃが。色々それっぽいワードで調べたり画像検索で服装一部を検索したりしても出てこない……。
唯一ベレー帽はベレー帽? なのか羽根つきベレー帽かなんかで調べると出てくる。が、それ以外は本当にわからない。
サーカス……っていうかピエロチックかなとも思うけれど、それも多分縞々の部分だけに集約している感じもしなくもありません。
…………これヴァイオリンと骸骨を見ても同じじゃない?
前提が崩壊しました。しょうがないので少しアプローチを変えてみるしかありません。
名前もダメ、見た目もダメということなら相対的に求めるまでです。
前項で示した通り、魔人全体の特徴として死の概念をイメージしたものが多いです。
そしてそれはⅠの魔人だけに限定してみると、デイビットを除いたダイソウジョウ、ペイルライダーの両者はそのイメージに沿って選定されたと見てほぼ間違いないでしょう。
……でしょう!
とすると、そのイメージに沿った共通点までも見出します。それはあの骸骨、ドクロ姿を持っている事です。
ダイソウジョウもペイルライダーも同じ骸骨姿は、それはやはりイメージに沿ったデザインがされると見做していいでしょう。
そしてここで新たなアプローチをするために、そのイメージを遡ってみます。即ち、「どうして骸骨なの?」
その手がかりは美術の方面にあったのでそれなりに調べてみました!
美術様式として、しばしば骸骨姿の人間が現れることがあります。
それは遡る事14世紀ごろの中世ヨーロッパには生じた、いわゆる『死の舞踏』と呼ばれるものです。
これは擬人化された死、そして死を先導する者としての役割を持つことが多く、身分を問わず等しく訪れる死後の姿や死神として描かれています。
つまり、この魔人の骸骨たちもそうと見なしてもよいでしょう。死の先導者としてのイメージです。
更にここで思い出してほしいのが『ときのおきな』です。あの魔人も同じように死の概念をイメージした魔人の一人で、Ⅱ登場ではあるものの、そうしたイメージを踏襲したものであると考えることができませんか?
と、いうことで骸骨=死の舞踏という繋がりは理解できたと思いますが……。
肝心のデイビットは何なのでしょうかね。
先程の死の舞踏という様式では、骸骨姿の人間が死を先導すると書きましたが、『舞踏』というだけ踊り狂ったり音楽を奏でたりする姿が散見されます。
つまり、デイビットもその類とも考えられはします。
死の舞踏の様式では、骸骨姿の人間がヴァイオリンを弾いて死を示唆する絵画もありました(アルノルト・ベックリン「ヴァイオリンを弾く死神といる自画像」)。少なくとも、この死の舞踏という様式とデイビットが無関係ではないと導けるだけの関係性はありそうです。
しかし、それだけです。『死の舞踏』が元ネタである、とするにはやはり『デイビット』という名前との直接的なつながりが求められるような気がします。
結局何故骸骨なのか? や何故ヴァイオリンなのか? という問いに答えることはできても、何故デイビットなのか? という答えに対し、前述の「そういう名前のヴァイオリニストがいたから」では弱いような……。
まあ、ここで一つ言っておくと。
これ以上の結論はこのnoteにおいて出てきません。私の雑記はここでしまいです。
いかがでしたか?
ぶっちゃけ『デイビットに対してそこまで考えてないよ』っていう説が一番有力だと思います、まじめにね。
死の舞踏のヴァイオリン弾きの骸骨を、既存の特定のヴァイオリニストの名前を当てはめただけ、っていうだけで、それ以上は何も。
もしもここから手がかりを探したいなら、きっとこの服装が唯一の手掛かりに……なるといいな? 現実は特に関係ないみたいな落ちがありそうです。
おしまい。
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