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私は生きていたいですよ。

友人が生きることに迷っている。
それを知ったのは、つい先日のこと。

生きることに迷っています。
突き詰めると「人生は無意味」だと、ここ数ヶ月考えています。
あなたの「生きていたいなあ」と思える理由を教えてください。

決まって、このように書き始められる彼女の最近のnote。タイトルは『あなたは生きていたいですか』

どうしたの?なにがあったの?何があなたをそうさせたの?

友人と私の関係

友人、とは言っても、正直なところ、そこまで深い付き合いをしているわけではない。大学が同じだった。同級生である。言ってしまえばそれだけだ。学部は同じだったけれど、学科は違う。特に接点もなかった。はずである。

なのに、いつの間にかfacebookで友達になっていたし、その子の投稿を見ては元気をもらっていた。

その子が綴る投稿から、信念・軸のようなものの輪郭を見た気がしたし、躊躇なく海外へと飛び立つ姿や、自分の考えを言葉にして発信できる芯の強さに、私と似たものを感じた。

一歩を踏み出す覚悟を、この子は持っているんだな、と感心した。

一度だけ、2人で食事に行ったことがある。

あの時何を話したっけ、と思い、当時の日記を見返してみた。2016年3月4日のことだった。まだ、大学1年生だ。

語るの楽しい。
同じこと考えてる。
カメラいいね。

とだけ書いていた。

なにを話したか、詳細には覚えていないけれど。

医療×国際協力
という似たような目標、夢?を持った私たちは、この先の人生でいつか何かのカタチで交わることがあるかもしれない。

そう、胸を高鳴らせたことを思い出した。

今、私をnoteに向かわせているのは

この子のSNSは、LINEとFacebookとnoteしか知らない。Twitterに思いのたけを綴っているという話を、別の友人から聞いたことがあるけど、私自身はTwitterを、リアルな友達と繋がる手段としては使っていない。

ここしばらく、彼女へ向けた私の感情は、「たくましく生きてるんだろうな~」くらいのものだった。

いつでも前向きで元気な印象がある彼女。

だから、だろうか。

今回、彼女のnoteを目にして、これは只事ではないと感じたのは。

誰にでも言えることだけれど、見えない心の中では、深く深く、様々なことに思いを馳せ、頭を悩ませ、たまに覗き込んでくる''絶望''という感情の片鱗を追い払おうとし、最悪な想像が浮かんではもみ消すのに必死になり、気がついたら、気が気じゃなくなっている…なんてことが、あるんだろうな。

私にもあるもん。

それをさらけ出せる彼女は
やっぱりすごい。

ふと目にした彼女のnoteから得ることができた情報は、鬱になったことと、2~3か月前に自殺未遂をしたらしいこと、母から「私より先に死なないで」と言われているらしいこと、

そして、最近、連日のように『あなたは生きていたいですか』というタイトルのnoteを更新していること、ぐらいだった。

しかし、これらの情報は、私をnoteに向かわせるのには十分だった。

どうしてnoteに書くのか

私と彼女が、もっと近しい友人だったなら、こんな回りくどいことはせずに、直接連絡をとって、話を聞いていただろう。もしくは無言でハーゲンダッツのLINEギフトでも送り付けていただろう。

けど、今回はそれをしない。

必要だったら、届いてくれたらいいな、と思っている。

そしてこの思いを、ネットの波に公開することで、友人以外の目にも触れ、この記事を読んでくれた人が、何かを考えるきっかけになればいい。

そう考えている。

これがあなたに必要だったら、届くだろうし、必要なかったら、あなたには届かない。

それでいい。

どんな理由であれ、この記事を必要とする誰かに、この記事が届けばいい。

今すぐじゃなくても。何年後でも、何十年後でもいい。

場所が変わっても、時間が変わっても
伝えることができる。
そのために、言葉があるのだから。

もしかしたらその「誰か」は、未来の私かもしれない、なんて自嘲的な笑みすらも浮かべて。

ひとまず、今。
私は生きていたい。

それを綴りたい。

「生きていたいなあ」と思える理由

まだ、目にしていないセカイがあるから。

まだ、学んでいないことがあるから。

まだ、読みたい本があるから。

まだ、想いを伝えていない相手がいるから。

まだ、見たい景色があるから。

まだ、会いたい人がいるから。

まだ、経験していないことがあるから。

いろいろ羅列してみたけど、
私が何よりも価値を見出すのは、
これらじゃない。

気がついたら、ずっと、私の心の底にある。

まだ、
この世界は平和になっていないから。

まだ、
”いのち”を大切にする世界を
つくれていないから。

この思いだ。

まだ、
この世界は平和になっていないから。
まだ、
”いのち”を大切にする世界を
つくれていないから。

だから私は、生きていたい。

この世界で。

これからも変わり続けていくことができるこの世界のこれからを、自分の目で見ていたいし、自分の耳で感じていたい。

そして何よりも、自分の手で作っていきたい。

だから、生きていたい。

私は決めている。
死ぬ時には

「平和な世界になったなぁ」

って、しみじみと振り返って、目尻にシワをよせながら死ぬことを。

だから、まだ、死ねない。

だから、まだ、生きていたい。

だって私はまだ、
この手で何もしていないから。

あなたが言っていた。

私たちには考える頭がある。
そして、行動できる足がある。

まだ出会っていない考えも
まだ向かっていない場所も

私にはたくさんあるから。

私が生きていたい理由、
一言で書くなら、これかな。

最後に

あなたの命に、責任がとれるわけではない。
あなたの人生に、責任がとれるわけではない。

けど、勝手だけど、言わせてほしい。

これだけは、伝えさせてほしい。

あなたには生きていてほしい。

あなたは、私に沢山のものを与えてくれた、ともしびのような人だから。

私がヒッチハイクをしようと思ったのは、あなたが一人でヒッチハイクをして、富士山まで行っていたのを見て、憧れたから。
私が南米に思いを馳せる瞬間があるのは、あなたが笑顔で紹介してくれていたから。
私が自分の弱さをnoteにさらけ出して、facebookでシェアすることで、みんなに助けを求められたのは、前に、あなたがそうしていたのを見て、勇気をもらったから。
私が基本的には流し読みしてしまうfacebookで、あなたの投稿はどれだけ長くても最後まで読むのは、あなたの綴る文章が好きだから。あなたの紡ぐ言葉が好きだから。あなたの考えることに共鳴しているから。そして、言葉にするのが難しい思いも、カタチに残して備忘録にしようというその姿勢が、私はとてつもなく好きだから。

あなたはもう、「光って消える」ただそれだけ、だと知っているのかもしれない。

けど、それでも光るあなたは、綺麗だよ。

届いて、くれると、嬉しいな。

あなたは、
生きているだけで価値がある。

2020.10.12

はるな

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