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個人事業主にとっての定額減税(4月末公表情報による補足)

国税庁から4月30日に定額減税Q&Aの予定納税・確定申告関係と、給与所得者向けリーフレットが出ました。それらもふまえて補足します。

事業主の予定納税額の減額
 所得税については、第1期分予定納税額から順次本人分の特別控除額(3万円)を控除していき、最終的には確定申告時に年税額から控除します。
 同一生計配偶者分と扶養親族分は、原則は確定申告時に控除ですが、「予定納税額の減額申請の手続」により予定納税額から控除することもできます。
 第1期分の予定納税の減額申請は、例年は7月15日までですが7月31日までと変更されています。これに伴い、第1期分の納期も例年は7月末までであるところ、9月末までと変更されました。
 ただし、予定納税額の減額申請書の令和6年分が公表されていません。また、単純に同一生計配偶者分と扶養親族分を書いて出せばよいのでなく、令和6年分の申告納税見積額を算定する必要があります。
 その手間を考えると、確定申告での控除としたほうがよいと思います。

従業員からの情報収集(給与所得者向けリーフレット)
 この定額減税で面倒なのは、年末調整と配偶者や扶養親族の範囲が異なることです。扶養親族等申告書を再提出してもらったり、「源泉徴収に係る申告書」を提出してもらう必要があります。
 その説明に活用できるリーフレットですが、範囲が広がる部分だけ書かれています。
 範囲が狭まる部分で重要な「同一生計配偶者に該当しない源泉控除対象配偶者」について書かれていません。
 扶養控除等申告書に源泉控除対象配偶者として記入した方であっても、所得の見積額が48万円超の方(配偶者特別控除の対象となると思われる方)は定額減税の対象外です。それも書いておいてくれたらと思います。

給与と年金の両方からの重複控除は精算なし
 Q&Aには、準確定申告の場合とかいろんな場合の記載がありますが、ちょっと驚いた点があります。
 2月のQ&Aでは「給与等と公的年金等との定額減税額の重複控除については確定申告で最終的な年間の所得税額と定額減税額との精算が行われることとなります。」とされていたのですが、今回のQ&Aでは 給与と公的年金の両方から定額減税の適用を受けている方でも、それだけでは確定申告の義務は発生しないとされています。
 確定申告する人を増やしたくないための割り切りでしょうが、これも損得談義になりそうですね。

 ここからは意見です。
 以前の記事にも書きましたが、「定額減税でなく定額給付のほうがよかったのでは?」と感じます。その一言に尽きます。


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