ハマダ会計(濱田博英)

岡山県倉敷市茶屋町の公認会計士・税理士です。監査法人・税理士法人勤務を経て2023年に…

ハマダ会計(濱田博英)

岡山県倉敷市茶屋町の公認会計士・税理士です。監査法人・税理士法人勤務を経て2023年に「ハマダ会計」として開業しました。noteでは税務会計に限らず有用な情報の提供を目指します。 事務所ページ:https://www.kaikei-home.com/hamadakaikei/

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【本の解説の紹介】「訣別の旅」(独立した随筆としての扱い希望)

(注 この記事には会計税務の情報はありません)  「本の解説の紹介」とは、変な記事名です。  この記事は、文庫本の解説として書かれた文章が素晴らしいので、独立した随筆として扱ってほしい、もっと多くの人に触れてほしいという思いで書いています。  その解説は「ベルサイユのばら 2」(池田理代子 集英社文庫コミック版 1994)の内館牧子さんによる「訣別の旅」という題の文章です。 「訣別の旅」の紹介  「ベルサイユのばら」が大ブームとなっていた1974年、「ベルサイユのばら」に熱

    • 事業年度初め頃の合併(被合併会社の法人税等の申告)

      吸収合併の際の被合併会社の法人税等の申告  会社が吸収合併される場合(被合併会社)の場合、会社は合併により消滅します。  吸収合併されるまでの年度(最終年度)について、法人税や消費税の申告を行う必要があります。申告期限は通常の事業年度と同じ、原則として2か月以内です。  ところが、申告書提出時点ではもう会社が存在していません。どうしたらよいでしょうか。 国税と地方税の扱いの相違  申告書提出時点では、被合併会社は消滅しています。消滅した会社が申告書を提出するわけにはいきませ

      • (分類3)と(分類4)の繰延税金資産計上額の乖離(退職給付と税効果続き)

         税効果会計と繰延税金資産の計上について「今日の実務では少しの見積の違いが多額の繰延税金資産の取崩又は計上につながり、企業の利益を乱高下させることがあります」と前の記事に書きました。 公開草案へのコメントを振り返る  これについて、現行の会計基準である「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26 号)が平成27年に公表された時の、公開草案へのコメントを見てみました。  そうしたら、まさに「(分類3)と(分類4)の間の乖離について、対応を 図る必要

        • 会社の利益の乱高下を防止するために(退職給付と税効果)

           税効果会計は、税引前当期純利益と法人税等とを合理的に対応させることを目的とする手続です。税効果会計を適用しない場合、企業会計上の利益と課税所得とに差異がある時は、法人税等の額が法人税等を控除する前の当期純利益と期間的に対応しないためです。  だから税効果会計を適用したほうがよい、ということなのですが「繰延税金資産の回収可能性」を検討したとたんに弊害が出てきます。  繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に基づいて判断しますが、将来の課税所得の見積とその検証が困難であ

        【本の解説の紹介】「訣別の旅」(独立した随筆としての扱い希望)

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          株価暴落への緊急対策案(税の特例)

           7月31日の日銀による利上げの後、急速に円高と株安が進んでいます。  本日8月5日時点の日経平均の終値が31,458.42円、ドル円が142円と、わずか0.15%の利上げでなぜこうなるのか、全くわかりません。  為替相場については、円安による輸入物価高騰が是正されるというプラス面があると思うのですが、日経平均が史上最高値!と言っていたのがこの下げでは、景況感にマイナスです。  仮に緊急対策として0.15%の利下げをしても、元には戻らないでしょうし、それでも何かできないかとい

          株価暴落への緊急対策案(税の特例)

          外国株式投資における為替差益

           7月31日の日銀の利上げの後、急速に円高が進んでいます。1ドル161円くらいだったのが今日は1ドル146円、動きが激しいです。でも今年の初めは1ドル140円くらいでした。それに比べたらまだ円安のうちです。  この記事では、個人にとっての外国株式投資と為替差損益の関係について説明します。 前提(為替差益)  為替差益は雑所得として総合課税の対象となり、確定申告する必要があります。  合計所得金額に含まれるため、社会保険料に影響があったりします。近時の事項では、定額減税の対象の

          外国株式投資における為替差益

          社会保険料の負担減のために(税の特例により給付を減らす

          (注 この記事には会計税務の情報はありません)  以前「日銀の異次元緩和からの出口戦略(税の特例により出口を作る)」というnote記事を書いたのは2024年3月3日でした。その日のドル円相場は1ドル150円程度でした。それから4か月、本日7月21日は157円程度です。  この間、1ドル161円といった時期もあり、かなり円安のマイナス面とか、円安が金利差要因以外によるのではないか(日本の国力の低下や円の信認の低下が原因ではないか)といった報道を見るようになってきました。

          社会保険料の負担減のために(税の特例により給付を減らす

          職場つみたてNISA、え、何それ?

           「職場つみたてNISA」という単語を聞いて、「え、何それ??」と思ったので、調べてみました。  一言で言うと、既存のNISA制度に、職場つみたてで行うための制度を追加したようなものでした。  2014年に旧NISA制度ができて、2018年に旧つみたてNISA制度ができ、さらに2024年に新NISA制度ができる、NISA制度も変更がいろいろありましたが、その都度変更されています。  新NISA制度については、この記事では説明しません。ふつうの新NISAと「職場つみたてNIS

          職場つみたてNISA、え、何それ?

          不動産小口化商品の注意点(購入の手間と登記)

           不動産小口化商品は、まず不動産であり、合わせて金融商品的な側面があります。よい面としては、個人でなかなか取得できない都心の不動産を所有でき、相続対策にもなります(不動産の側面)。それと共に、保有中は管理を任せきりにすることができ、配当をもらうだけ、さらに物件売却もお任せと、手間がかかりません(金融商品的な側面)。  ただし、よい面ばかりではありません。この記事では、不動産であることから生じる意外な注意点を紹介します。 購入の手間がかかる  不動産ですから、重要事項の説明を

          不動産小口化商品の注意点(購入の手間と登記)

          新NISAと相続、定額減税(法事で税務の質問)

           先日、亡父の七回忌法要を自宅で行いました。親族の参列を得て、私の家族と合わせて10人、お寺様においでいただき、読経後に仕出しのお膳で会食、どうにか終えることができました。親族も自分も年齢が上がり、和室で長時間座るのはつらくなってきました。自宅での法要は最後かなと考えています。  その会食の席で、今までになく税務の質問が出ました。 新NISAと相続  相続の時はどうなるの?と質問がありました。  普通の株式等は相続に伴う名義変更をするだけ、ラップ口座は強制解約で相続人に払い

          新NISAと相続、定額減税(法事で税務の質問)

          趙治勲名誉名人(囲碁)の「私の履歴書」

          (注 この記事には会計税務の情報はありません)  2024年5月の日経新聞「私の履歴書」は趙治勲(囲碁棋士・名誉名人)でした。子どものころから囲碁に親しんできた私にとってはスーパースターです。5月1日に、見出しだけ見た時点で「知っている話が多いかな」とも思いましたが、初日から驚くような話が多く、1か月間楽しみました。それを共有したいです。 「いつも形勢を悲観してばかりで堂々とした手が打てない」(1)  初日のこれから仰天です。「自分の碁に胸を張れない自分がいる」とは、タイト

          趙治勲名誉名人(囲碁)の「私の履歴書」

          定額減税額の給与明細への明記(急に決まったわけではありません)

          (注 この記事には実務的な情報はありません)   定額減税の給与明細への金額明記が批判を浴びています。  確かに面倒だし、恩着せがましい。「でも、急に決まったことだったっけ?」と思って経緯を見直してみました。 昨年末の自民党税制改正大綱に記載あり  昨年末の自民党税制改正大綱に記載がありました。最初からその予定だったのです。与党案の段階であって決まる前とは言えます。 令和6年2月の国税庁のQ&Aにも記載あり  令和6年2月5日の国税庁の「定額減税Q&A」にも記載がありまし

          定額減税額の給与明細への明記(急に決まったわけではありません)

          県民税は納付、市民税は還付?(政令指定都市の個人住民税)

           令和5年の所得税申告で「県民税は納付、市民税は還付」となった方がいました。なお所得税は還付です。  税務システムでの住民税試算でそう計算されたということで、確定申告と直接関係ないので後回しにしましたが、「どこか間違えたかな?」とずっと気になっていました。結論としては、その方が岡山市民で、岡山市が政令指定都市だったからでした。間違いでもシステム機能の問題でもありませんでした。  具体的には ・所得割 県民税100,000 市民税25,000 ・配当控除 県民税28,000 

          県民税は納付、市民税は還付?(政令指定都市の個人住民税)

          個人事業主にとっての定額減税(4月末公表情報による補足)

          国税庁から4月30日に定額減税Q&Aの予定納税・確定申告関係と、給与所得者向けリーフレットが出ました。それらもふまえて補足します。 事業主の予定納税額の減額  所得税については、第1期分予定納税額から順次本人分の特別控除額(3万円)を控除していき、最終的には確定申告時に年税額から控除します。  同一生計配偶者分と扶養親族分は、原則は確定申告時に控除ですが、「予定納税額の減額申請の手続」により予定納税額から控除することもできます。  第1期分の予定納税の減額申請は、例年は7月

          個人事業主にとっての定額減税(4月末公表情報による補足)

          年金受給者の確定申告不要制度(源泉徴収との関係)

           年金受給者の確定申告不要制度というものがあります。国税庁のタックスアンサーでは以下のとおりの説明です。   ところが、政府広報オンラインでは、「公的年金の全部が源泉徴収の対象になる」という要件が記載されています。  「公的年金の全部が源泉徴収の対象になる」とはどういうことでしょうか。源泉徴収されていない公的年金があったら、確定申告不要制度の対象とならず、確定申告が必要なのでしょうか?  例えば、厚生年金と企業年金連合会からと2つ年金を受給しており、片方は源泉徴収税額が0

          年金受給者の確定申告不要制度(源泉徴収との関係)

          土地や建物の売却益の申告(段階的に取得した場合の所有期間)

           土地や建物を売ったときの売却益は、譲渡所得として所得税がかかります。給与所得他の所得と合計するのでなく、土地や建物の売却益を他の所得と分けて課税されます(分離課税)。譲渡所得(分離課税)は、次のとおり所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つに区分し、税金の計算も別々に行います。 ・長期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの ・短期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの  所有期間の判定を、譲渡した時点ではなく

          土地や建物の売却益の申告(段階的に取得した場合の所有期間)