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不動産小口化商品の注意点(購入の手間と登記)

 不動産小口化商品は、まず不動産であり、合わせて金融商品的な側面があります。よい面としては、個人でなかなか取得できない都心の不動産を所有でき、相続対策にもなります(不動産の側面)。それと共に、保有中は管理を任せきりにすることができ、配当をもらうだけ、さらに物件売却もお任せと、手間がかかりません(金融商品的な側面)。
 ただし、よい面ばかりではありません。この記事では、不動産であることから生じる意外な注意点を紹介します。

購入の手間がかかる
 不動産ですから、重要事項の説明を受ける必要があります。不動産を取得した経験のある方は、その長さがおわかりでしょう。不動産小口化商品の場合、物件そのものの説明に加えて、信託スキームの説明もあります。これも難解です。中古賃貸物件であることから、テナントや入居状況の説明もあります。午後に説明を受けることにしたら、ほかの予定は入れないほうがよいでしょう。午前中には終わらないでしょう。
 オンラインでできる場合もあるでしょうが(IT重説)、鍵の受け渡しこそありませんが、署名・押印する書類は多数あります。通常は対面でしょう。
 不動産に基づく金融商品でも上場REIT(上場不動産投資信託)はネット証券ですぐ買えるので、それとは全然違います。小口化された一部とはいえ不動産を取得するわけだから、当然必要なことですが、現物の不動産の取得に似た手間がかかるということです。

登記した場合、登記簿に住所と氏名が記載される
 不動産ですから、当該物件の登記簿の甲区に受益者として住所と氏名が記載されます。登記簿ということは、誰でも見ることができます。事実上、資産家であることを公表することになります。実際、不動産小口化商品を取得したあと、別の業者からダイレクトメールが来ることがあります。
 こういうことがあるので、事業者によっては登記を希望者のみとしている場合があります。「不動産を取得して、それを登記しない」ということになりますが。
 なおこれは、普通の賃貸物件を所有していても、不動産会社や管理会社からコンタクトが来ることがあるので、不動産小口化商品固有の点ではありません。

 不動産小口化商品への投資の検討にあたっては、こういった点も考慮してください。



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