株価暴落への緊急対策案(税の特例)
7月31日の日銀による利上げの後、急速に円高と株安が進んでいます。
本日8月5日時点の日経平均の終値が31,458.42円、ドル円が142円と、わずか0.15%の利上げでなぜこうなるのか、全くわかりません。
為替相場については、円安による輸入物価高騰が是正されるというプラス面があると思うのですが、日経平均が史上最高値!と言っていたのがこの下げでは、景況感にマイナスです。
仮に緊急対策として0.15%の利下げをしても、元には戻らないでしょうし、それでも何かできないかということで、明日の株式市場、今夜の米国市場の心配をしながらこの記事を書いています。
上場株式の譲渡損失の繰越年限の延長
上場株式に譲渡損失が生じた場合、確定申告で所定の手続を取ることで損失を繰り越し、将来の譲渡益や配当から控除することができます。
現状で3年間繰り越せるところ、例えば「令和6年分は特例で5年間にする」のはどうでしょうか。
NISA口座の特例
NISA口座は、譲渡益も配当も非課税というメリットの半面で、譲渡損について他の口座(一般口座及び特定口座)と損益通算ができません。また、損失の繰越もできません。
これについて「令和6年分は特例で認める」とすることを提案します。
評価損を実現損とみなして損益通算
上記はいずれも、譲渡損失が生じた場合、つまり売ってしまうことが前提です。現下の暴落局面で、損切りを加速させるのも適切ではありません。
そこで、「令和6年に限り、評価損を実現損とみなして損益通算してもよい」とすることを提案します。さらに、評価損の計算において「令和6年の終値でなく最低値」で算定するとすれば、損出し額の確定のために売る必要がなくなります。
証券会社の口座での取得価額を変えずに、確定申告の税金計算を変えるだけなら可能でしょう。
いずれも特例というか奇策ですが、まだ確定申告までは時間がありますし、制度設計もシステム対応も可能と思います。すぐにアナウンスすれば、処分売りを抑制し、暴落による心理的ショックを和らげる効果はあるでしょう。
「金持ち優遇」との批判が想定されますが、暴落により不景気ムードになるのを避けるためであれば許容できると思います。