外国株式投資における為替差益
7月31日の日銀の利上げの後、急速に円高が進んでいます。1ドル161円くらいだったのが今日は1ドル146円、動きが激しいです。でも今年の初めは1ドル140円くらいでした。それに比べたらまだ円安のうちです。
この記事では、個人にとっての外国株式投資と為替差損益の関係について説明します。
前提(為替差益)
為替差益は雑所得として総合課税の対象となり、確定申告する必要があります。
合計所得金額に含まれるため、社会保険料に影響があったりします。近時の事項では、定額減税の対象の判定にも影響します。
前提(為替差損)
為替差損は他の所得との損益通算はできず、損失を翌年以降に繰越すことはできません。このため確定申告する必要はありません
他に雑所得があれば、為替差損の金額と相殺することができますが、相殺しても損失が残った場合は、やはり他の所得との損益通算や損失の繰越はできません。
為替差益の考え方
確定申告が必要なのは為替差益なので、この後は為替差益のことだけ記載します。
米ドルその他の外貨を取得したとして、円に換えたらその時点の為替レートの寄って為替差益又は為替差損が生じる、これは理解しやすいです。
では円転しない間は為替差損益は考えなくてよいかというと、そうではありません。外貨建の資産が、別の種類の資産に変わった時点で為替差益を認識する必要があります。
証券会社で外貨預け金を購入していて、その資金で外国株式を取得した場合も同じです。以下は考え方の記載箇所です。
この考え方は、有価証券でなく不動産を取得したような場合も同じです。
なお、外貨預金を同じ通貨で別の金融機関に預け替えた場合については、外貨建て取引とは扱われず、したがって為替差益の認識及び課税はありません。
外貨預金を同じ通貨で同じ金融機関で継続した場合については明文で規定があるが、それと同じとのことです。
為替差益への対応
もっとも簡単なのは、円建で取引することです。円建で売買して、預け金には円で持つようにすれば、この問題はありません。為替差損益部分は有価証券の売買損益として扱われます。
この方法のデメリットは、為替手数料が取引の都度売買手数料に含まれてかかることになります。頻繁な取引には向きませんね。
ただし、為替差益について総合課税でなく申告分離課税又は申告不要制度の対象となります。申告不要制度を活用した場合は、合計所得金額にも影響しません。これらはメリットといえるでしょう。私はこの方式です。
為替手数料を最小限にしたい場合は、外貨預け金により取引することになりますが、その場合は自力で為替差損益を管理して申告する必要があります。その元の資料を入手するのが結構面倒なのですが、私が利用している楽天証券では、口座明細(精算履歴)画面で外貨建てを選んだら、前営業日までに確定した外賀建資金の動きを確認でき、CSV形式での保存もできます。
外国株式等に投資されている方はご注意ください。