元ひきこもり。セルフイメージを変えていく。
YouTubeでNBA選手のレブロン・ジェームスが、毎年1億5000万円かけて体づくりに勤しんでいるという動画を観ました。
レブロン・ジェームスだけではなく、プロスポーツ選手はトレーナーや動作解析を行うチームや調理師などを雇って毎年シーズンに望んでいるわけです。
世界的なプロバスケットボール選手を始めアスリートたちが、それだけ自分に投資をしているのに、特筆した才能が見出せない一般人の私が自己投資を本ぐらいにしか使っていません。
いかにお金をかけずに自分を変えていくかばかり考えていたのですが、お金をかけて自己投資をしても良いのではないかとずっと思っていたわけです。
最近私は自分のセルフイメージの低さというものを感じていました。
お金を稼ぐ能力。
自分の魅力や今後の人生。
それらに関する自分自身へのセルフイメージが低く、一歩踏み出して人生を豊かにしていく自信が高くありません。
なので、このセルフイメージをターゲットにして拡げていくコーチが自分にも欲しいと思いました。
理想としては私を支える専門家のチームが欲しいのです。
というわけでネットで検索すると、なんということか職場の近くにセルフイメージを高めてくれるセラピーというものがありました。
早速予約をして週末に体験してみたので、その報告をしたいと思います。
自己投資に一歩踏み出す
木造調でデザインされたお洒落な一軒家がそのサロンでした。
10時に予約をしていたのですが到着したのが9時50分。
サロンから少し離れた路地で時間稼ぎを行って、9時55分にチャイムを押しました。
「お待ちしていました・・。」
出てきたセラピストさんの雰囲気が重要です。
特に人相は重要です。
パッと見た感じ、我が強い顔付きでもない。欲深い人相でもない。そして意地の悪そうな雰囲気でも無かったので安堵しながら玄関を上がりました。
セラピーは2階で行われていました。
センス良く小物が家中所々に飾られており、生活臭が一切ありません。
二階のソファーに腰掛け、アンケートに記入。
アンケートの内容は悩み事。現在の体調や心の状態についてなどでした。
不覚にも泣いてしまう。
まず私から、悩み事を説明するところから始まりました。
本当は悩み事というよりも、とにかくお金を稼ぐこと。世の中と渡り合っていくだけの強さと幸福感が欲しいのですが、悩み事という形を求められていたので喫緊の悩みを捻り出して伝えました。
「人に合わせてしまい、他人の圧に流されてしまう」「人が嫌いなわけではないが、人がワイワイやっているのを見ると『怖い』と感じてしまって、その輪に入りたいとも思わない」「一人で仕事をしたいし、あまり人とも話をしたくないと思っている」などの昔からの社会不適合者としての悩みを伝えることにしました。
この導入部分の話で、なぜか最も幸せを感じた出来事を私は話しました。
それは他の記事にも書いたことですが、精神療法の面談で療法士の方に全面的に肯定されたときでした。
「あなたはここで特に何もしなくて良いですよ・・。とにかく来てもらうだけで充分です・・」
つまり、この言葉は治療に一生懸命になるのではなく、ただこの場にいるだけで良いという私を全面的に肯定する言葉でした。
その意図に気付いた瞬間に、私の全身から力が抜けて幸福感が湧き上がってきたのです。
だから幸福は何かを得ることよりも、未熟な自分を受け入れることが幸せなのだと悟ったのです。
そのエピソードをセラピストの方にすると、最終的なゴールはそこに向かうことなのだそうです。
そして、ずっと遠回りをしてきたように思っても、そこまで気付いている人はなかなかおらず、ずっと意味のある経験をしてきたと言ってくださったのです。
私はその言葉で思わず泣いてしまいそうになりました。
セルフイメージを変えるワーク
セルフイメージの理想としては、自分のことを疑いなく価値がある存在だと思うことです。
そのセルフイメージを変えていくためには「勇気」と「覚悟」と「痛み」が必要なのです。
そこで尻込みをしてしまい、色々と理由をつけて自分と向き合うことから逃げ出す人も多いそうです。
しかし、この「痛み」がある作業を乗り越えることで展望は開けていき、この世界にはこんな優しい世界があるんだと感じられるようになるそうなのです。
セラピストさんもセルフイメージを変えていく作業を15年かけて行ってきたそうです。
一人で自分を変える作業に取り組んでいると、袋小路にハマってしまい心が折れてしまうことがあるので、自分と似たような境遇の人の心が折れないように、お手伝いをしたいと思ったことが、この仕事を始める動機になったと教えてくれました。
さてセルフイメージのワークですが、ワーク自体が自分と向き合う作業なので苦しい面もあるとのこと。
だからセラピストさんからワークを勧めることはなく、私からやりたいと申し出るまで話は進みませんでした。
もちろん私は自分の人生を変えるためにサロンに足を運んでいるので、やる以外の選択肢はありません。
そのワークの内容ですが、まず自分の長所と短所をそれぞれ3つ書き出すことから始まりました。
書き出してみて驚きました。長所に「他人に対して寛容」と書いていながら、短所に「他人に対して不寛容」と書き出しているのです。
自分の中で相反する個性があることに気付きました。
そして次に長所・短所それぞれで人の役に立つことを書き出してみました。
ここで筆が止まりました。
私の長所は「継続できること」「行動力があること」「人より寛容な面がある」という点なのですが、これらの長所が人の役に立つのかわかりませんでした。
「継続できること」と「行動力があること」は自分のために使ってきたことだったので、人の役に立つという視点に欠けていたのです。
ここで躓くとはセラピストさんも思っていなかったようで、何度も助け舟を出してきました。
「ああ・・例えば行動することで、経験が積めてそれを人にシェアできたり〜。」
結局、「継続できること」はそれで他人からの信頼を得られるという答えを捻り出しました。
そして三つ目の設問。
それは長所が実は他人に不利益を与えているとしたら何か?という設問でした。
私は継続面に関しては他人よりも自分に不利益があったと感じていたので、なかなかこの答えも出てきませんでした。
考えに考えて出てきた答えは、14年間付き合った車いすユーザーの彼女との体験でした。
「継続」や「行動」を重視したために私は彼女にそのペースに合わせるように強いていました。
それで二人の間でけっこう揉めたので、その不快感を与えてしまったエピソードを伝えたのです。
長所と短所でこの設問を3つずつ答えていくのですが、終わる頃には若干疲労を感じ始めていました。
セルフメージを変えるということ
私が長所だと感じたことと短所だと感じたことは、全てにおいて他人に役立つ面もあるし、不利益を与えることもあるということです。
つまり、どの性格でも人の役に立ったり、迷惑をかけることがあるのなら、自然に任せてみても良いのではないかと気付かせることが、このワークの意図なのです。
私の場合、何もしないと悲惨なことになってしまうという発想がどこかにあったので努力を続けていました。
しかしセルフイメージの理想は「疑いなく価値が(自分に)あると思うこと」です。
疑っているから努力をして自分に何かを身につけようとするわけで、私が体験した全面的な肯定とは程遠いのです。
私に今後必要なのは「努力しない努力」で「ありのままでいることを努力する」ことなのです。
長所で「継続できること」と挙げましたが、成果の出ないことを止めるにやめられずに長年続けて経験が私にはありました。
そうなると「継続」は一概に長所とは言えません。
短所も然りで、「他人に不寛容な面」で苦手な人を無意識のうちに避けてしまう私の性格は、これのお陰でお互いに無理して付き合う必要が無くなるという長所もあるのです。
セルフイメージはこのような気づきの積み重ねで変わっていくのです。
そして気付くことで執着を手放すことができるのです。
長所が一概に長所ではないと気付き、長所が減ってしまうのですが、そうなると新しい長所が出てくるものなのだそうです。
この長所が長所では無くなることや、短所が短所でなくなる認識の変化が得られたことは私にとって大きな体験でした。今後も継続していきたいと思います。
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