再び創作するため、AIからの質問に答えてみる
いろいろなことが積み重なり、ふと、「そうだ、創作を再開してみようか」という気分になった。
しかし、「よし再開するぞ」で再開できるほど私の創作のブランクは短くない。「私は創作者です」と胸を張って言えるような活動をしていたのなんて、何年前のことだろう。ブランクだけではない。取り巻く環境が、今とは何もかもが違う時代だった。
よし、こんな時こそ、ChatGPTに相談だ!
創作を再開しようと思い立った経緯
2024年7月現在、「ルックバック」とか「数分間のエールを」だとか「ブルーピリオド」だとか、たまたまかもしれないが「創作」「熱中」をキーワードとするかのような映画作品が多く公開されている・されていたという認識でいた。
結局私は「ルックバック」と「劇場版ウマ娘」しか見に行かなかったのだが、「数分間のエールを」は見に行きたかった。ただ、覚悟が足りなかった。
「今日こそ見に行くぞ」と腹を括った日には、どうも広島での公演は終わってしまっていたらしい。そんなアホな。絶望のツイートがこちらである。
PVは見た。
「1日の時間が短い、他の時間が鬱陶しい!」という台詞に、羨望と焦燥を覚えた。
私にもそんな時期があったはずだ。だけど、最後にそんな感覚を覚えるほど何かに熱中したのは、いつのことだっただろう。
他にも「創作再開」のための背中を押したものは多々あったが、割愛する。ただ、紛れもなくこのPVは私の背中を押した。
映画本編は見に行けなかったけど。
ChatGPTに相談した
私は、ChatGPTには、相談相手としていつもお世話になっている。
気持ちを受け止めて整理するのを助けてもらったり、私が見逃している方法や視点がないか聞いてみたり。
もちろん知識としては信用してはいけないが、例えばプログラミングの知識は聞けなくても、プログラミングの勉強方法や不満の相談相手にはうってつけだと思っている。(ましてや私は無課金勢だ)
今回も、「先日久しぶりに描いたイラストが評価してもらえなかった、虚しい」という旨を、もう少し体裁を整えてChatGPTに愚痴をこぼすところから始まった。
そこから、「創作しても虚しいんだ」「いや、少し気持ちが落ち着いた、ただ創作ってどこから手をつければいいんだっけ」等々気持ちをぶつけていった。
そして冒頭に戻る。
本題「AIからの質問に答えてみる」
私は、「自分が何をやりたいのか、漠然としていて決まりません。 自分が何の創作をなんのためにやりたいのか、質問をしてもらうことはできますか?」と聞いた。
ChatGPTから返ってきた質問一覧がこちら。
よし、答えていこう。
■自分の興味を探る質問
1. 過去に一番楽しかった創作活動は何でしたか?
- その活動を楽しんだ理由は何ですか?
2. どのようなテーマやスタイルの作品が自分にとって魅力的ですか?
- 例えば、ファンタジー、現実世界、感情表現など。
3. 他の人の作品で特に好きなものや憧れるものはありますか?
- それらの作品のどの部分に惹かれますか?
4. 自分の作品で伝えたいメッセージや感情は何ですか?
5. どのような技法やツールを使ってみたいですか?
- 新しい技術やソフトウェアに挑戦してみたいですか?
1. 過去に一番楽しかった創作活動は何でしたか?
いきなりはぐらかすようだが、過去の私にとって、創作は苦しいものだった。
創作で楽しかった思い出といえば、自分の作品にプラスの感想をもらったり、他の創作者たちと交流したり、そんな、直接「創作とは関係のない」箇所ばかりが思い浮かぶ。
なので熱中できたことを考えると、やはりゲーム制作だろうか。
自分の中に在る世界観を、視覚から、聴覚から、そしてシステム等で多角的な面から現実世界へと構築していくのには没頭できた。
2. どのようなテーマやスタイルの作品が自分にとって魅力的ですか?
自分が摂取する上で断然好きなのはファンタジー。
ただ作る側となると……魔王と勇者の話は、よく書くし、よく思い浮かぶ。魅力的だし、大好きだ。
魔王と勇者の何がそんなに好きなのだろう? 原点となる好きな作品でもあったのだろうか? と考えるが、それが驚くべきことにまったく思い当たらたない。これは一考の余地がありそうだ。
3. 他の人の作品で特に好きなものや憧れるものはありますか?
作品と一口に言っても音楽等いろいろあるとは思うが、とりあえず自分が作る「イラスト、小説、ゲーム」の3種類に関して1つずつ答えると、
イラスト:アンリ・ル・シダネル(フランスの画家)
小説:山月記
ゲーム:聖剣伝説3
……いろいろツッコミどころはあると思うが、とりあえずこの方々を置いては私の創作は語れないと思う。もっと列挙すると長くなってしまうので、とりあえずこの辺りで止めておく。
アンリルシダネルさんのイラスト(というより時代的に『絵画』)は、温かさ、光の息遣い、日常の風景へ愛が感じられる点が好きだ。
アンリルシダネルさんの絵画がひろしま美術館に2つも収蔵されていることは、私の人生の中で最も幸福なことの1つだと思う。
山月記は、説明するまでもないかもしれない。
描写の切なさもさることながら、この部分が胸にぐさぐさと刺さる。
私が今後、創作を再び志すなら、この部分は座右の銘とした方がいいかもしれない。
聖剣伝説3は、なんというか、私にとってはすべてにおいて完成されたゲームだった。
当時小学生だった私は攻略本も持っていなくて、しかもリースばかりを主人公に置いたものだから、途中で詰んで、ずっと先に進めないという状況がずっと続いた。
それでも、この世界観が好きで、6人の主人公のオープニング、特にリースのものは何度見たか分からない。
自分の境遇(母と仲が悪かった)に似たアンジェラよりもリースが好きだった理由はよく分からないが、彼女がリボンをほどいて故郷の再興を誓うシーンの、吹き抜ける風、眼下に広がる荒涼とした崖、息を飲むようなグラデーションの海に、地球の丸さを感じさせるような水平線、の美しさは今も私の心の中に在る。
4. 自分の作品で伝えたいメッセージや感情は何ですか?
これは、少々返事に窮してしまう。
やはりストーリー等によって、その都度伝えたいメッセージや感情は変わるだろうと思われるからだ。
ああでも、過去、本当に十年前とかそのくらいになるけども、私が思いついた言葉は今になっても共感できるので使っている。
「綺麗なものを創りたいなあと思います。拙くても、心に響くような、その世界を愛しく思ってもらえるような。」
つまり私は、「自分の創り上げた世界を、他の人にも愛してもらいたい」ようだ。
他にも、私の創作について、キーワードと思われるものを羅列したことがある。
「緑、風、静と動、水晶、透明感、切なさ、過去への決別、構図・光」
「緑」「構図」辺りはイラストだけに通ずるキーワードかもしれないが、この辺りは伝わればいいなあと思いながら過去、創作をしていた。多分。
5.どのような技法やツールを使ってみたいですか?
恥ずかしながら、「技法」というものをこれまでほとんど考えたことがなかった。
ただ、いわゆるイラストで言う「厚塗り」なんかは技法に入るのだろうか? ゲームで言うと、プログラミングの組み立て方や書き方、もしかすると作るゲームのジャンル(アクション、パズル、シミュレーション、等)も「伝えるための技法」の一種になるのかもしれない。
そういう点においては、イラストは過去から使ってきていた厚塗り風(油絵風)で描きたいと思う。そこから派生して、自分の個性を見つけられるならなお良い。
ゲームはunityを用いてストーリーを活かしたものが作りたい。それを活かすような簡単なシステムを組み込めるならなお良い。基本的には2Dで考えている。
■自分の目的を明確にする質問
6. 創作を通じてどのような成果を得たいですか?
- 例: 自己表現、スキル向上、他人との共有、自己満足
7. 創作活動を通じて、どのような気持ちや体験を得たいですか?
- 例: 喜び、達成感、リラックス、冒険心
8. 自分の作品を誰に見てもらいたいですか?
- 例: 友人、家族、オンラインコミュニティ、不特定多数の人々
9. 自分の作品がどのような影響を与えることを望みますか?
- 例: 感動させる、考えさせる、楽しませる
10. 将来的にどのような大きな目標がありますか?
- 例: 展覧会を開く、書籍を出版する、ゲームをリリースする
6. 創作を通じてどのような成果を得たいですか?
過去、こういう得られる成果について正直考えたことがなかった。
ただ、今ぱっと思いついたのだが、「ファン」が欲しいな、と思った。
最初は「賞賛」「感想」かと思ったが、それはなんというか少し違う。自分のことを分かってくれる誰かがいればいいな、くらいの……。
ただ、そう考えると疑問が浮上する。「自分が自分の一番のファン」ということでは駄目なのか?という点だ。
……自分の心に問うた。駄目らしい。
また、この質問の答えの例として、「自己表現、スキル向上、他人との共有、自己満足」というのが挙げられている。
自己表現はあると思う。
そういえば、昔、「イラストを描くのが好き? じゃあ、イラスト上手くなりたいよね」と言っていろいろ教えてくれた人がいた。
その人にはもちろん感謝していたし今もしているが、今思えば、「創作するのが好き」と、「創作のスキルを磨くのが好き」は違う。当時はその区別がつかず、苦しんだ。
これを読んでいる人で、もし上記2点を一緒くたにしている人がいれば、「その2つは違うのかもしれない」ということを頭の片隅に置いていただきたい。私の訓戒だ。
7. 創作活動を通じて、どのような気持ちや体験を得たいですか?
これに関しては、ひとつ思うところがある。
過去の例でいうと、得ようと思って得たわけではないが……、マザコン、というよりも、「マザーコンプレックス」は私の中で最も重大なテーマのひとつだった。
小説だろうがゲームのストーリーだろうが、書いても書いても、気付いたらマザコンがひとりは紛れ込む病に罹っていた。これは本当に。
もし私の過去の作品を読む人がいれば、意識してみると面白いかもしれない。
今思えば、過去の私は、母との軋轢に苦しんでいた。
それが如実に自分の創作に現れたのだろう。
つまり、過去の私が創作活動を通じて得たかったのは「苦しみの昇華」だったのだろう。
母とようやく物理的に距離を置けるようになって少し経ち、カウンセリングなどの助けを借りつつ母娘の苦しみから解放された私は、自然と環境の変化もあって創作から距離を置くようになっていた。
だから、そういうことなのだろう。
では「苦しみの昇華」が無くなった今、何を得たくて創作をするのか?
「熱中する趣味が欲しいから」というのが今の気持ちだが、個人的に「熱中したいから熱中する」というのは少し違う、というよりそんなにストレートにはいかない気がする。
これからの創作のテーマを探すこと、これはひとつ私にとって大きな課題になりそうだ。
8. 自分の作品を誰に見てもらいたいですか?
これに関しては、「私のファン」という答えがすっと出てくる。
ただし、「私のファンがいるのか?」と言われると、よく分からない。
そもそも、私の作品を知ってもらわなければファンも何も生まれない。
そういう訳で、不特定多数の方々に、ある程度広く私の作品を見てもらわなければいけないようだ。
9. 自分の作品がどのような影響を与えることを望みますか?
昔から、人を驚かせるのが好きだった。
喜ばせたり、喜ばれたりするのも好きだったが、性質が悪いことに、驚かせる方が好きだった。そのために巻き込んで迷惑をかけてしまった数々の親しかった人たちには申し訳ないと思っている。それでも今も親しくいてくれる人たちには感謝しかない。
それから、人を混乱させることが好きだ。ツッコミを期待してボケてくる相手には、ボケを返すことにしている。私は大概ひねくれている。
私が好きなエリック・サティ(ジムノペディで有名な作曲家)さんは、「BGM」という概念がなく、音楽は集中して”聴く/鑑賞する”のが当たり前だった時代に、「音楽聞きながら、食事とおしゃべりを楽しんでください」という場を設けた、とwikipediaか何かで読んだ気がする。そういう話が大好きだ。
つまり、新しい概念や、常識を覆すような発想が好きなんだと思う。
迷惑を掛けない範疇が少し分かってきたような気がするので、そこは踏まえつつ……私もやっていけたらいいなと考えている。
10. 将来的にどのような大きな目標がありますか?
これは非常に悩ましい。なぜなら私が欲張りだからだ。
例として、ChatGPTは「展覧会を開く、書籍を出版する、ゲームをリリースする」と挙げてくれている。
全部やりたい。
……というところがよくないと思うので、きちんと自分の言葉で書こう。
私の中の決まり事のひとつとして、「目標は、実現可能かどうかは無視して立てよう」というものがある。
例えば、TOEICで「600点を取りたい」と考えた人がいたとする。
その人の性質や環境によってどのくらいの難易度かは変わると思うが、600点はまあ、取れる人には取れる点数のはずだ(ちなみに私は取れたことがない)。
私がもしその話を聞いたら、「800点を狙った方が良くないか?」と考える。
当然、600点を取るより800点を取る方が難しい。だが、800点を取ることは難しくても、800点を目指すことによって、差を感じて努力の必要性を感じることもあるだろう。その結果、700点くらいの点数が取れたりするんじゃないか?という考え方だ。
「これから大口を叩くが、そういう考え方が根底にあるのだ」と思って聞いて欲しい(この前提を話さず大口を叩いた結果、何度か批判されたことがあるので予防線を張っておく)。
展覧会を開きたい。書籍を出版したい。ゲームをリリースしたい。
詳細に言っていくと、個展を開きたいし書籍も出したいが、まあこれは需要がなくても自分でお金を出してできたらいいな、というくらいの熱量でいる。趣味や同人の範疇だ。
ゲームは……少し他より熱量が高い気がしている。
リリースするのは大前提で、感想も欲しいし、イベントにも出たい。
ただ、何の情熱を持ってリリースをするのか。
多くの賞賛が欲しいわけではなく、少数でいいから、コアなファンが欲しい。
そのためには、「感想が欲しいからゲームを作るんだ」では駄目なのでは、という思いがある。
そういう点において、私が先ほど7番で太字で書いた、「これからの創作のテーマを探すこと、これはひとつ私にとって大きな課題になりそうだ。」というところが効いてくるのだろう。
まとめ
「これは長くなるだろうな」と思いながら書き始めた数年ぶりのnoteだったが、なんと七千文字を超えるものとなってしまった。
ここまでお付き合いいただけた方には感謝しかない。あなたは辰砂のコアなファンに違いない。
私がこれから本当に創作を再開するのか、できるのか、気になった方はXをフォローしていただけると大変嬉しい。
(https://x.com/HgS_niutsuhime)
ありがとうございました。