Eureka! (4) ~子どもたちを見て気づいた夏休みの勉強の課題
私は教育のプロ、学習のプロとしての経験はありません。
ゴリゴリのインベストメントバンカーとしてのキャリアを歩んできました。
人生の波を楽しく乗りこなすためには、大きな波を乗りこなすためにはどんなことが必要なのか、自分の経験から帰納法的に得た教訓を、MBAの経営学理論に当て嵌めてフレームワーク化したのが「Eureka!メソッド」です。
夏休み中は夏期講習で、普段とは違う学年も教えることになった。
かつてはできていたことができなくなっていた3年生。
あぁあ、ボクが1年だけでなくその後も教えてればなぁ.…と思う。
やっつけ勉強
アリバイ勉強
羽の生えた想像力を養う勉強
いつ宿題をやるか
1.やっつけ勉強
授業中早く問題が解き終わり、答合わせをするまでの間に内職をする生徒。
基本的にボクはそれを止めない。ただし、一つの問題を、書いてあるままの回答をするだけでなく、自分でその問題から派生した問題を考えることを薦めている。一つの問題を1回しか舐めないのはもったいない。
例えば答が肯定文なら、否定文を作る、疑問文を作る、とか。
質問の答をYes, it isやNo, it isn’tで終わらせない。
それじゃ友達出来ないよ?
先に進むことが目的じゃないよ。
まぁそれでも先に進みたがる子はいる。特に夏休みは(彼らにとって)宿題が多いから。
いいんだけどさ、単語の書き取りの宿題なんか内職には一番適さない課題なんだよ。さっさとやっちゃおうと書くことが目的と思ってとにかく書く。本来の目的は単語を覚えることなのに、宿題のチェックはやったかやらなかったかだからとにかくノートに書くことが目的だと思ってしまうのだと思う。
ながら勉強は記憶には適していない。
だから単語の書き取りの内職の子はやめさせた。じっくり覚えるつもりで家でやりなさい。
学期中、ボクはまず単語リストを見させて、その中で自信がない単語だけ書き取りの宿題を出す。
やったかどうかのチェックはしない。その代わりに豆テストをする。そして合格点は全問正解だけ。幸い今年受け持っている1年生は全員優秀なので毎回全員全問正解なんだけど、1問でも間違ってたらぶっ飛ばすと宣言している。
知っている単語までやる必要はない。
自信がないのだけというと宿題を少なくしようと過少申告したがりそうだが、だから豆テストの結果でチェックする。
目的は覚えること。ノートを埋めることではない。
2. アリバイ勉強
これは学期中も注意していることなのだが、問題を間違ったとき、赤ペンで正解を書き込むだけで次に進みたがる。
だめ~
特にキミたちはノートを見直す習慣もオレに言われてつけようとしている最中なんだから。正解ノートなんかあっても意味がない。
かつては正答を書き写す生徒もいた。
なぜならチェックの仕方が正答率だから。
宿題は毎回100点なのに、テストでは40点なんて子がザラにいた。
間違ってもいいから、正解で上書き作業するだけでなく、なぜ間違ったのかきちんと理解するまでやること。
先に進むのが目的ではないよ。ノートを埋めるのが目的ではないよ。
目的は覚えること、理解することだよ。
本来はこれも豆テスト100点で確認したいところ。今年は優秀なのでしていないけど。宿題ノートをチェックして、間違ったところが理解できているか個別に質問するようにしている。
1.、2.については教師は正しい目的を理解し、その目的に則した方法で評価をするべきである。
ビジネスではこれをKPI(Key Performance Indicator)という。
3.羽の生えた想像力を養う勉強
小さい頃は絵日記を書いていたが、中学になると絵日記の宿題はない。
ボクは続けるべきだと思っている。
3年半の塾講師の経験で、子供たちがもっと養うべきは
① 自分の意見を持つ
② 文字を覚えただけで理解したと思わない
の二つは今すぐにでも対策すべき重大な課題だと思っている。
3年生ができなくなっていたのはこの二つだ。
ボクが担当していたときは、国語の文章題を読んだとき
どんな景色だった?何色に見えた?どんな音がした?….
設問にはないけどまずそういう質問をした。
絵は下手でもいい。理解していないことは絵には描けない。そこでわかってないと気づく。
3年生は、1年の社会で、アフリカにはアラブ人とネグロイドがいると回答できるのに、じゃぁこれはアラブ人?ネグロイド?と写真を見せてもわからくて散々オレに言われたろーが!
忘れてる。
ビジュアルイメージ大事。文字だけ覚えても社会では使えない。
ボクは英語の宿題で毎回3行日記を書かせている。
3行には、やったこと(事実)だけでなく、そのことに対してどう思ったか(意見・感情)を書くようさせている。
今の子は感情を殺して生きているので、
何々をした。
どう思った?
別に。
というのが驚くほど多い。
嫌なことがあっても悲しくならないように、感情は振れない方がいいという防御本能。
だめ~
感情の起伏があった方が勉強はできるようになる。
感情の起伏があった上で、それをマネジできるようになるのがレジリエンスだ。
試験が終わる寸前に、やばいやばいと頭の中で聞こえてくる声に
うっぇーばーか!こっちゃ試験してるんだから黙っとけ!と言えるようになるのがレジリエンスだ。
別に笑われたって死なないし、先生に怒られたって殺されはしない。
逃げてんじゃねーよ。
何も思わない、字面だけしか覚えない、将来役に立たない無駄な作業をしないために、
絵日記
4.いつ宿題をやるか
1年生はみんな早々に宿題を全部終わらせているという.…
すげー
偉いね。
ボクはいつもギリギリでやった。
計画的にギリギリでやった。
夏休みの宿題というと、なぜか
計画的に早くやる
か
ギリギリで慌ててやる
の二択と思っている人が多い。
ボクは計画的にギリギリやった。
なぜか。
その方がアドレナリンが出るから。
これはじっくりやる派とキーってやる派に分かれると思うのだが、ボクは後者。その方が身に着く。だからわざとギリギリ終わるような計画にしていた。
まぁこれはあんまり人には勧めようとは思わないけど。
と思った夏休み。