海の向こうは滝じゃなかった!(7) 携帯電話先進国 香港
日本で携帯電話が普及しだしたのは2000年以降ですが、
日本より数年前に携帯電話を国民ほぼ全員が持っていたのが香港です。
なんだか少し意外に感じる人もいると思いますが、
普及したのには理由があるんです。
香港は1.110平方キロメートル(東京都の半分くらい)に740万人(東京都の人口の半分)が住んでいます。
人口密度でいうと6,700人/平方キロメートルです(東京都の人口密度より少し多いくらい)。
日本の人口密度が340人/平方キロメートルですから、日本と比べると20倍の人口密度なんです。
世界第4位の人口密度なんです。
だから、香港の住宅事情はとても厳しいんです。
それでね、日本のように、誰かの家に友達が集まるということが少ないんです。
だって、家が狭いから。
友人の家を訪ねたとき見せてくれた彼の部屋はベッドがあるだけの部屋でした。壁に本棚があって、あとは部屋の広さぴったりの大きさのベッドだけ。
彼の家が取り立てて狭いわけじゃないんです。一般の家庭です。
それくらい狭いんです。
そこで携帯電話です。
集まっておしゃべりをする機会が少ないので、代わりに携帯電話で友達とつながったんですね。
日本では電車の中で携帯電話で話すことはできないですけれど、
香港では道でも電車の中でもおかまいなしにみんな携帯電話で話しているんですよ。
みんなと繋がりたいというニーズが強くあったために、
携帯電話が発明されたときにまっさきに飛びついたのが、人口密度が高い香港だったんです。