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今月の『なるほど~』       ~・~ 犬の快眠のために ~・~

このコーナーでは、パピーウォーキングを通して『なるほど~』と感じたことを紹介しております。
本屋さんに行くと、“睡眠”に関する本をたくさん目にします。
現代人は圧倒的な情報量にさらされて忙しいため、よりよく眠ることに関心が高くなっているのでしょうね。
人にとって関心の高い“眠り”ですが、今回は『犬のよりよい眠り』について考えてみたいと思います。

犬の眠りのメカニズム
犬のより良い眠りを考える上で、犬の眠りのメカニズムを知ることが大切です。
まず、眠る時間ですが、パピーウォーカーの皆様から、「パピーが良く寝ているのですけど、体調が悪いのでしょうか?」「こんなに寝るものですか?」と驚きや心配の声をいただくことがあります。
犬は良く眠る動物で、若い成犬では平均すると1日の半分ほど眠っています(平均11~14時間)。

また、人間のように一括して睡眠をとるパターンとは違い、1日の中で眠ったり起きたりを繰り返しながら睡眠をとる動物です。人間よりも眠りは浅く、特に音に対して敏感で目を覚ましやすいことがわかっています。

眠りが浅いと言っても、犬にもレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があります。ただし、レム睡眠とノンレム睡眠は約45分周期であり、人よりも短い周期で繰り返します(人は約90分周期)。

ちなみに、犬が寝ているときに体をぴくぴく、脚をばたばた、時には吠えたりする場面を目にするはずです。これはよく夢を見ていると想像されますが、『実は夢ではない』という意見が研究者の間では主流です。

 犬も寝ると頭がよくなる!?
人は一夜漬けよりも、睡眠をとったほうが記憶は定着しやすいことが脳科学で実証されていますが、犬についても同様なのか実験が行われました。
新しいコマンドを教えた後に昼寝を取らせるグループと取らせないグループに分けると、昼寝をしたグループの方がよく覚えていたという結果になりました。犬も学習した後に眠ったほうがよく覚えるんですね!

ちなみに人間は睡眠中に睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは)と呼ばれる脳波が多く出るほど学習成績が良くなるようで、犬にもこの脳波が見られます。そして、先の実験では、メスの方がこの脳波の出現率が高く、学習もメスの方が早かったということでした。メスの方が睡眠による学習効果が高い…のかもしれません。

 より良い睡眠のために
犬も学習効果を高めるためには眠りの質を高めることが大切です。
より良い眠りのためには、食事と適度な運動が必要なのは言うまでもありませんが、それ以外で犬にとってより良い眠りにつながるポイントがわかっていますのでご紹介します。

〇安心・安全:ポジティブな体験をした後の方が深い眠りの時間が長いという研究結果があります。また、知らない場所よりも知っている場所(安心できる場所)の方が眠る時間は長いとのこと。確かに、楽しい体験をした後で、安心して寝ている犬はちょっとの音では起きてこないですよね。

〇明るさ:就寝前に明かりを弱めると、犬は眠りにつきやすくなります。これは、光が弱まることで催眠作用のあるメラトニンの分泌が促されるためと考えられています。

〇寝る場所:硬い床と柔らかい寝床では、柔らかい寝床を選ぶ犬が多く、やはり寝床がふかふかの方が寝心地がいいのでしょう(敷物をいたずらする場合は無理に敷かないでください)。

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