
カテゴリー化は悪?
「人をカテゴリー化して当てはめるのはよくない」と思う派でしょうか?
なんとなく聞こえは悪い気がします。わたしもこの文章を聞けば悪い気がします。
「カテゴリー化なんて良くない、多様性の時代じゃ」なんて言われそうですが、今回書きたいのは、そういうことではなく、多分少しずれます。
個人的な感覚としては、とある分野でその人が多くの知見やいろんな対象者を見たりしていく中で、必死に創られたであろうカテゴリー化に、私はすごい関心することがあります、というかそういう経験に出会ったことがあり、ふと思い立ち、これを書き始めています笑
はっきり言わずとも、半端ないとおもいます。
そして、多くの時間を費やして、とある分野でカテゴリー化をつくった人はそのカテゴリーに対して「完全にカテゴライズされてることはなくて、正直綺麗に分けることはできない」ということを踏まえた上でカテゴリー化をアウトプットとして出しているというのが、また、ね。どれだけかっこいいか
カテゴリー化は安易に人を決めつけてしまう、危険な要素も含んでいます。
それは、そのカテゴリー化された背景に対して理解が中途半端で、経験も浅はかな私のような人間が、カテゴリー化を安易な判断に使ってしまいます。
本当にカテゴリー化を使える人は、境界線の横断もうまく行うと思います。
でも、まだうまく横断ができないとしても、カテゴリー化はとある分野で経験が浅い人間にとって、とんでもなくありがたい助け舟になります。たとえ、安易な判断だったとしても、方向性がとんでもなくずれるのを防いでくれるからです。
わたしは、パーソナルトレーナーという職業をさせていただいておりますが、トレーナーといえば、一般の方だと”トレーナー=筋肉の人”というイメージが思い浮かぶと思います。(最近はそうでもない?)
トレーナーはその”筋肉”に対してなんらかのアプローチを使って効率よく鍛えたり、動くようにしたりするようにあれこれ手を打ちます。
そして、ボディメイクだったり、関節の動きを良くしたり、などといったことのサポートをします。
例えば、トレーナーは筋肉を鍛えさせるだけではなく、硬くなってしまった筋肉を柔らかくしてあげる、というのも、職域の一つです。
硬くなった筋肉を柔らかくすると言ったら何が思い浮かびますか?
ストレッチが代表的かもしれません。
ただ、はっきり言って、ストレッチだけで解決することは少ないと考えられます。
トレーナーを始めて少し経った頃、最初はいわゆる筋トレだけをしてきましたが、それからコンディショニングというものを知り、そこで自分の身体含めてお客さんに対して「身体が硬いというのはどうしたら改善しやすいのだろう」「そもそもどうしたら人の筋肉は柔らかくなって動きやすくなるのだろう」と漠然に思ったような記憶があります。
今でも、わからないことばかりですが、そんなことを思いながら、自分なりに、いろいろ学んでいく中で「筋の過緊張の4分類」というものを見つけました。
お会いしたこともないですが、たまたま、理学療法士の先生のオンラインセミナーをDigっていてみつけた動画の中で見つけたもので、個人的には仕事をする上で、大変ありがたいカテゴリー化に出会ったと感じました。
筋過緊張
・神経系の損傷/変性
・筋収縮(バランス戦略)
・筋節の欠落
・連結僑短縮
”筋の過緊張は、4つに分類できる。境界は明確ではなく混在しているのが臨床像であると考える。”
この4分類とそれぞれの生理学的な特徴がわかることで、「硬くなってしまった筋肉を柔らかくしてあげるという職域」でのアプローチが、まだまだですがかなり整理されました。ストレッチだけでは無理ということも改めてわかりました。
全てとはいえませんが、どこかの誰かが真剣にとあることに向き合うことでつくられたカテゴリー化というのは、人を安易に判断するための分類表ではありません。
むしろ、日々曖昧な境界線を行ったり来たり、思考錯誤を重ねた人が整理整頓したカテゴリー化は、例えば今回でいう「筋肉の緊張をとりたい人」にとって、本当に救いになる可能性を秘めています。
そして、そのカテゴリー化は境界線が曖昧なところを作った本人が行き来しているからこそ、完全にカテゴライズするのは難しいというのだと思います、カテゴリー化しているのに、です。
それでも、カテゴリー化をすることで、整理されると、それを見た人が理解しやすかったり、初学者の勉強のきっかけづくりになったりして、結果的に救われる人が増えます。
「カテゴリー化」について、考えることなんて想像もしてなかったけど、ふとこの経験で思ったために脳内文字起こしをしてみました。
今回の文章のような意味合いで、本気のカテゴリー作成に奮闘している方には脱帽です・・・