【PTOTST向け】児童発達支援・放課後等デイサービスで働くPT・OT・STはどのくらいいる?
最近、PT・OT・STの方々も「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」の求人を見ることが多くなったのではないでしょうか?
ただ、現状そこまでメジャーな働く場所になっておらず、どんな場所なのか?働いている人がいるのか?など気になる方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回は児童発達支援・放課後等デイサービスにどの程度PTOTSTがいるのか?
調べてまとめてみました。
①児童発達支援・放課後等デイサービスでのPTOTSTの立ち位置
児童発達支援・放課後等デイサービスとは児童福祉法における通所支援事業の1つです。
地域でそれぞれ生活の中で「困り」を抱える未就学児、就学児またはそのご家族に支援を提供する施設になります。
このような施設に理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)はいるのでしょうか?
児童発達支援や放課後等デイサービスの人員配置基準の1つに「児童指導員等加配加算」という加算があります。
これは支援実施に必要な基準人員に加えて人員を配置した際につく加算で、その人員が持っている資格により単位が変わる仕組みになっています。
上記の加算は厚生労働省による令和元年度の調査で全体の約75%の事業所が取得しているとされていました。
しかし、PT・OT・STは一番高い加算がつく職種にも関わらず保育士や児童指導員と比べて配置されている割合が低い現状になっています。
②児童福祉分野で働くPT・OT・STはどのくらいいるのか?
児童発達支援・放課後等デイサービスにおいてPT・OT・STは加配加算の人員になっているものの、全体として働いている方はまだ少ないということがわかりました。
では、PT・OT・STは実際に児童福祉分野全体でどのくらいの人が働いているのでしょうか?
まず、PTは日本理学療法士協会によると2021年3月末時点で129,875人(19,449施設)が協会に登録されています。
児童福祉施設として8つ施設分類が登録されていますが、会員数、施設数共に全体から見ると少ない傾向があります。
OTは日本作業療法士協会によると2020年3月末で62,294人が協会に登録されています。
児童福祉法関連施設は1,241人で全体の2.0%となっています。
児童発達支援、放課後等デイサービスは全体の約1%前後であり、また昨今「学校作業療法」などで注目もされている保育所等訪問支援は0.1%でした。
STは日本言語聴覚士協会によると2020年3月末で19,116人が協会に登録されています。
就業中の会員のうち勤務先として福祉が7.3%、学校教育が1.8%となっています。
また、分野別では小児言語・認知が全体の約9%でした。
③まとめ
ここまで見てきたように児童発達支援・放課後等デイサービスに限らず、小児や児童福祉施設で働くPT・OT・STは少ない現状があります。
小児や児童福祉領域は実際に働いている人が少ないだけでなく、学校で触れられる時間が少ない、実習地が少ないなどともいわれています。
しかし、児童発達支援・放課後等デイサービスでは令和3年度から「専門的支援加算」が新設されるなど、よりお子さんに合った専門的な支援を提供するためにPT・OT・STが求められてきているとも考えられます。
お子さん、ご家族にとって必要な支援に地域で確実にアクセスできる場所になれると良いのではないかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
【参考・引用文献】
①厚生労働省:令和元年度障害者総合福祉推進事業放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する研究報告書
②公益社団法人日本理学療法士協会:統計情報
③一般社団法人日本作業療法士協会:2019 年度日本作業療法士協会会員統計資料
④一般社団法人日本言語聴覚士協会:会員動向
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