その4 安全と規制を両立!ナンバー付ワンメイクレースにおけるシートの法的要件とは?
ここからは、検討しなくてよいのか? 検討しないといけないのか? という内容もあります。
保安基準21条:運転者席より
第21条 自動車の運転者席は、運転に必要な視野を有し、かつ、乗車人員、積載物品等により運転操作を妨げられないものとして、運転者の視野、物品積載装置等との隔壁の構造等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示:第27条(運転者席)
第27条の1
専ら乗用の用に供する自動車であって乗車定員10人未満のもの(二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに被牽けん引自動車を除く。)及び貨物の運送の用に供する自動車であって車両総重量が3.5t以下のもの(三輪自動車及び被牽けん引自動車を除く。)の運転者席は、協定規則第125号の規則5.及び6.に定める基準に適合すること。
でてきました協定規則第125:運転者の前方視界に関する自動車の認可に関する統一規定
参考URL:https://www.mlit.go.jp/jidosha/un/UN_R125.pdf
内容に興味あれば読み込んでみてください
UN-R125に関して、着座位置に関する基準データが標準車と全く同じという場合は、検討しなくてもよいのかもしれませんが、標準車とスポーツシートの基準データが標準車と全く同じということはほぼ無いと思われます。よって検討が必要です。
着座位置に関する測定方法等は、UN-R17に記載があります。
附則 3:自動車の着座位置の「H 点」及び実卜ルソ角を決定する手順
そもそも3DM(3次元マネキン)が無いと測定すらできませんね。
この協定規則第125の検討については、X/Y/Z座標にて検討しないと正な検討ができないと考えています。
検証手順の一例
・標準車の必要な部分を3Dスキャナーを使い取得
・交換するシートスペックを取得(3Dスキャナー/3DM仕様)
・R125の仕様に必要な数値取得
・フロントガラス・ドア左右ガラスの位置取得
・測定値と取得した3Dデータを基に検討
・検討値を基に書類作成
HFシートブラケットに関しては、ざっくりこのような手順で検討しています。
出来上がった検討資料
ここからは、審査事務規定 7-41 運転者席 / 8-41 運転者席
7-41-1 性能要件(視認等による審査)
自動車の運転者席は、運転に必要な視野を有し、かつ、乗車人員、積載物品等により運転操作を妨げられないものとして運転者の視野、物品積載装置等との隔壁の構造等に関し、視認等その他適切な方法により審査したときに、次の基準に適合するものでなければならない。(保安基準第 21 条関係)
この要件も検討が必要ですね。
視認性の確保 運転者は、運転者席において特定の鉛直面によって囲まれる範囲内にある障害物(高さ1m、直径30cmの円柱)を、鏡等を用いずに直接確認できることが求められます。この確認は、自動車の前面から2mの距離にある鉛直面や、左側面から0.9m、右側面から0.7mの距離にある鉛直面から行われます。ただし、Aピラーや窓ふき器、後写鏡、かじ取ハンドルなどによって視認が妨げられる場合は例外とされます
などなど・・・・・・・
ここでも車両が、どの従前規定の適用に該当するか確認がひつようです。
長くなってきたので、詳細は省きます。
次回につづく