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その3 安全と規制を両立!ナンバー付ワンメイクレースにおけるシートの法的要件とは?

前回と同じ書き出しいなってしまいますが、ワンメイク車両の場合、全車フルバケットシートへ交換しているので、今回は、通称:シートレールについて関係のある、法規・基準・規定です。
通称シートレールには、シートベルトを固定するので、正式には、座席及び座席ベルト取付装置という方が正しいとはおもいます。

まずは、上記に関係する法規・基準・規定です。

・保安基準第30条:座席ベルト等の2より
強度、取付位置等に関し保安基準第22条の3第2項の告示で定める基準は、協定規則第14号の規則5.、6.及び7.に定める基準とする。
・協定規則UN R-14:座席ベルト取付装置、ISOFIX 機構の取付装置及びISOFIX トップテザー取付装置に係る車両の認可に関する統一規定
・審査事務規定:7-44 座席ベルト等 /8-44 座席ベルト等

この法的要求を満たしているか検討が必要になります。

検討に際して、一番重要な事があります。当該車両の型式指定日・いつ制作された車両なのか?ここが非常に重要です。

諸元表の右上に記載されている「指定年月日」


「指定年月日」とは?
※参考
自動車型式認証実施要領について(依命通達)
・第3 新型自動車取扱要領
自動車検査業務の適正、かつ、能率的な実施、自動車の安全性の確保及び公害の防止を図るために行う新たな型式の自動車の届出については、別添2「新型自動車取扱要領」により取り扱うものとする。
・別添2 新型自動車取扱要領 別表(届出書の添付書面及びその記載要領等)(第2関係)
「指定年月日」とあるのは「新型届出年月日」と、「既指定自動車型式指定年月日」とあるのは「変更届出年月日」と読み替えて使用する。
諸元表の右上に記載されている「指定年月日」この年月日により、審査事務規定:適用整理のどの適用整理に該当するのかの確認から始まります。

5BA-MXPA10-VPNTFN/5BA-MXPA10-AHFNBの場合

7-44-12 従前規定の適用⑧
性能要件(書面等による審査)
UN R14-09-S1 の 5.、6.及び7.に適合するものでなければならない。

又は

7-44-13 従前規定の適用⑨

UN R14-09-S3 の 5.、6.及び 7.に適合するものでなければならない。

年式により、UN R14-09-S1 / UN R14-09-S3どちかの基準に適合していることが要求されています。

具体的な適合検討に入る前に、UN R14-09-S1 / UN R14-09-S3について理解していないと検討すらできません。基準について、興味あれば一度条文等を読み込んでみてはいかがでしょうか。

座席ベルト取付装置の試験記録及び成績については、↓↓が参考になります。
https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000re4.pdf

シートレールの強度試験とかよく言いますが、試験方式も協定規則UN-R14に定められています。



5.4.2. (1) 下部ベルト取付装置の配置図


5.4.3. (2) 上部ベルト取付装置の配置図


要求強度だけではなく、車両に取付した際のシートベルトアンカー位置等も規定されているので車両側のデータ収集も必要です。
HFでは、車両室内を3Dスキャンして正確な位置を把握するようにしています。

シート交換した場合に、検討が必要だとうとおもわれる項目はまだまだあります。
次回につづく・・・・


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