スポーツチームの仕事 佐賀バルーナーズ新人研修編
シーズンが終わりました。気が付けば2週間が経とうとしています。シーズンが終わってからは挨拶周り・表敬訪問があったり、来季の打合せがあったりと一息つく間もなく日々が過ぎております。
チャンピオンシップも開催されていますね!各チームの結果に社内で一喜一憂しています。個人的にどこに優勝してほしいとかはないですが、どの試合も素人目で見ても紙一重!!現地で観戦している方々は最高の時間を過ごしているんだろうなと思いながら見ています。
いつかホームでプレーオフやりたい!!
さて、シーズンが終わってnoteも更新していきます!まずは1年間シーズンを走り切って”今”どうなのかというところが一番書きたいところではあるんですが、今日は別のことです。
【社内の体制変更と新入社員】
4月から会社の体制が変わりました。先日事務所の移転もしました。社員の人数も増えて、単純に手狭になったこと、より組織として機能させていくということが大きな理由です。たぶん。
社内の組織編制も少し変わり、僕自身、より周りを見ていくことが必要になりました。社内の会議体も増えました。本当に目に見えて会社は変わっていってます。
色々な変化があったんですが、その中の一つ!4月から新卒の社員が2名加わりました。ちなみに来年も新卒採用があるかはわかりません。
正直、シーズン中でしたし、万全の受け入れ態勢というわけではなかったので、彼らが今どう感じているのかは気になります。
簡単にいうとベンチャー企業に新卒社員が入ってくるみたいな感じです。彼らにとっては結構大変なことだと思います。
これから先、1番学ばなければいけない時に会社としてどう育てていくのか考えなければいけません。
【研修をしよう】
これまで佐賀は中途入社しかいなかったので、言われたことだけをやるではなくて、ある程度各々がやることをなんとなく掴めてくれば各自で動いていました。もちろん部署とかはちゃんとありますが。
結果は本人次第。よく言えば自由。できていないのは自分の責任。それは中途で入ったメンバー各自が受け入れなければいけません。今置かれている立場や状況は自分の責任です。
新卒は違います。会社に所属すること、お金をもらって仕事をするということはどういうことか。アルバイトと社員は何が違うのか。なんで挨拶をしなければいけないのか。掃除をしなければいけないのか。
ちょっと極端ですが、そこから学んでいかなければいけません。それは会社の責任でもありますが、もっと言うと会社にいる大人たちの責任でもあると思います。
どうしようかなと思っていた矢先に、
「スポーツチームの仕事について研修します!」
と、某チケット担当のお兄さんが企画をしました。さすがです。
僕自身めちゃくちゃ受けてみたかったので、一緒に参加させてもらうことにしました。
ちなみに最初は「おじさん達は受けれません」と言われましたが、気持ちは若かりし頃のままなので受けさせていただきました。
【スポーツチームの仕事】
スポーツチームでの仕事の話がでるときに「スポーツビジネス」というワードが出てくることが多々あります。
僕も違和感なく使っていた気がします。
スポーツビジネスと聞くと特殊なビジネスなのかなとイメージする方も多いと思いますが、スポーツチームの仕事は特殊な仕事ではなく、サービスや価値商品を提供して対価をいただくというシンプルな考え方。他のビジネスと変わらない。だからこそビジネスの基本的な能力を身につけましょうということ。
スポーツビジネスという言葉が間違っているとかそういうことではなくて、まずはビジネス・仕事としてシンプルに考えるというのはすごく大切ですし、わかりやすい。これからスポーツチームで働く方々にとっては大事なメッセージです。
ただ、世の中には様々な仕事があってそれぞれに特徴があります。
スポーツチームも例外ではありません。
■スポーツチーム仕事 特徴
・結果をコントロールできない
・実働日数が決まっている
・関係者数と繫がりの深さ
まずは結果をコントロールできないというのは試合についてです。僕らがどんなに頑張っても試合結果を決めることはできません。勝敗によってサービスの満足度は変わってしまうのは事実ですが、僕らはそこに注力をしても仕方ない。コントロールできないことに注力するのではなく自分たちで変えられることに注力しましょうということです。これは全クラブ共通だと思います。
自分たちで変えられることはいくつかあると思いますが、優先順位をつけて何を変えるのかというはクラブの方針であったり、クラブの置かれている状況によって変わってくる。
次に実働日数。これは試合数です。現状のB.LEAGUEだとホームが30試合。年間で30日しか商品・サービスを提供するチャンスがありません。
わかりやすくて良いんですが、30日しかない中で、1日・1回の興行を無駄にはできません。
ですので、来場していただいた方々に楽しんでいただく、感動していただくにはどうすればいいのかをめちゃくちゃ考える必要があります。
試合毎にコンセプトを決め、実現させていく。そういった力が求められます。年間で対戦相手などが決まった段階で、どの試合で何をコンセプトにして何をやるのか。だいたいは決まります。
今季の佐賀はやることが決まってから実現までしっかりできたこと、目標に向かってやりきれたのは良かった。一方で多くの課題もあったので、このあたりはシーズンの振り返りでまた書きたいと思います。
最後に、関係人口の多さとそのつながりの深さ。ステークホルダーという言い方をしますが、僕が1年間やってきたこともこれが大半。
スポーツチームの最大の特徴です。
良さでもあり難しい面でもあります。クラブに関わる人たちを挙げていきましたが、ホワイトボードがいっぱいになるくらいの数あがっていました。
バランスを取っていくというのは一言でいうと簡単ではありますが、実際は難しいところです。応援してもらえる人たちがたくさんいることはすごいことです。それに応えることが僕らの仕事の一つでもあります。
支えてもらっているという自覚を一人一人持つこと、感謝の気持ちをもって仕事をするという当たり前のことが一番大切です。
今までお世話になった方に対する接し方、対応の仕方。僕らも改めて見直さなければいけません。
【クラブの存在意義】
クラブは誰のものでしょうか。というはお話。
これを問うと一般的にはオーナーという回答がでてきます。もちろんそうですし、オーナーがTOPにいるのは間違いありません。
しかし、スポーツチームは先ほどもありましたが、関わる方々が多いですし、地域に与える影響も大きくなっています。佐賀もパートナー・行政など多くの方々に支えていただいている。僕は今季行政の方々と仕事をする機会が多かったです。行政の予算というのは税金ですし、特に意識しなければいけません。
マインドや考え方としてはクラブは公共財であり、地域のもの。初めてスポーツチームに入ってくる方々はその考え方を持つことが重要です。特に地方のクラブは地域のためにという考え方は忘れてはいけません。
一方でクラブを存続させていくということも同じくらい大切。ボランティアではありません。しっかり収益をだしていくこと、地域のために存続し続けていくことも同じくらい大切。
関わる方々が多いだけに倒れるわけにはいきません。
存続し続けるというのは中々僕ら社員のレベルでは理解できない部分かもしれないですが、会社がなくなるというのは本当にたくさんの方々を巻き込みます。自分だけならまだしもです。
スポーツチームってなくならないような存在に思われがちですが、そんなことありません。他の企業と変わらず、経営がうまくいかなければなくなってしまいます。
【シーズンが終わって】
他にも研修ではクラブにとって選手の存在とはみたいなこともありましたし、親会社との関わり方みたいな話もありました。ここでは書けない部分もあるんですが、どこかでスポーツチームの経営については書きたいと思います。
新卒の頃は大変でした!みたいな話って僕ら世代はあるあるなんでしょうけど、どうなんですかね。今それを言うとおっさんだなって思われるんですかね。
僕自身、新卒の方々を見るみたいな経験がなかったので正直正解はわかんないですが、自分の経験とかやってよかったこと失敗したことなんかは可能な限り伝えていけたらと思います。
シーズンが終わってからも慌ただしく毎日が過ぎています。この業界はたぶん落ち着くタイミングって来るんか?!って思ってます。佐賀は特に今変わっていく真っ最中ということもあるんですかね。
先日クラブのお疲れ様会がありました。フロント、チーム、全員参加の会です。入社してから初めてちゃんと選手とお話もしました。
佐賀はフロントとチームの両輪でやっていく。社長が良く話をしています。それを実感できる会でした。僕らのやっていることにも関心や興味をもってもらいたいし、もちろん僕らもチームに関心をしっかり持ってお互い支え合えればと思います。
選手やコーチの方々は今まで現場でご一緒する機会はあったけど、ろくに自己紹介もできていなかったので、すごく良い会でした。
ということで、次回のnoteはシーズンの振り返り。このnoteも今後どうしていくかも考えていきたいなと思います。今シーズンは1人でだらだらやっていこうと決めていたんですが、より、クラブの為にというかクラブの歴史を残していくようなnoteにできたらとは考えています。他のスポーツのフロントの方とかにお話聞くのも面白いですね。note企画もやりたいです。
その前に今シーズン振り返ります!
今日はここまで。ありがとうございました。
今回は載せれる写真が少ないのでおすすめのヨーグルト載せておきます。広報の子が買ってきてくれました。本当に美味しい。既に恋しい。
佐賀バルーナーズ 山下