意味のないこと。そもそも意味っているのかな。
パソコンを開く。先日急に思い立って応募しようとした出版社主催の新人賞に向けた文章を進めようとするが、こういう締切間近な時に限って私の頭は別の言葉を並べ立てて吐き出そうとする。
なんてこった。厄介だ。
昨日、会社の同僚と飲みに行ったら、
「君のチームは口を開けば恋愛の話をしているね」
と、言われた。
きっと彼は、「君のチームは全員女性だからみんな恋愛の話が大好きで、女子会みたいな雑談を繰り広げているね、いかにも”女子”って感じだね」と言いたかったのだろう。それも、全く悪気のない様子で。とんでもなくナチュラルに、そう思ったのだろう。
確かに私のチームは全員女性で、事実として恋愛の話をしていることが比較的多い。ただ、女性ということと恋愛話が好きということをごちゃまぜにして論ぜられるのは甚だ不愉快だし、それを言ったら男性だって女性がいない場でえげつないランク付けをおこなっているじゃないか。
と、確かにほんの数センチ怒りの感情は湧いたが、決して「女性vs男性」みたいな対立構造を作りたいわけではなく、単純に、人間は大昔から恋愛ゴトが大好きな生き物じゃないかと思っただけなのだ。
今話題の『源氏物語』だって、百人一首の大半だって、恋愛について描かれたものばかりだ。
そうやって日本の文学は発展してきたのではないか。
やれ「彼氏のこと考えすぎだよ~」だの、「恋愛してる暇があれば仕事しろ」だの、うるせーよ。
人それぞれ(便利な言葉ですね)の考え方があるため一概には語れないが、私には恋愛が大事だ。だからこのnoteでもひたすらに過去の人について語ってきている。
別に語る意味なんてない。意味なんてなくてもいい。
百人一首として後世まで受け継がれる素晴らしい歌を詠んだ嘗ての歌人と同じように、私は、今の私の言葉で、自分が感じた恋愛についてどこかに記しておきたいだけだ。
昔は恋をした相手に、手紙を書いていた。決して渡すことのない、私にしかわからない手紙。一人暮らしをするタイミングで全部捨てた。何年後とかに見返しても、絶対に自分の両手では受け止めきれないくらいの熱量がその時にはあったことが分かるから、自分の中にその感覚は残っているから、もういらなかった。それぐらいの覚悟で好きになって、同じくらいの重みを背負って離れた。
ほら、結局何が言いたかったのか分からなくなった。
言いたかったことなんて、はじめから何も無かったのかもしれない。
意味なんて、あったらいいけど、別に無くてもそこまで困らない。
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