REVERSE SPLITにはご用心…
Reverse Split (RS)とは
Reverse split (RS) とは既存の株式を一定の比率でまとめて一株にまとめる手法である。この手法は、株価が安いpenny stock(基本的に5$以下)でよくみられるものであり、RSの情報はNasdaqの公式サイトやyahoo finance USで確認可能である[1]。
RSの目的
RSの主な目的は、NYSEやNASDAQなどの主要取引所の上場基準(一定期間、株価が1$以上)を満たすためである。特に低位株の場合、上場廃止リスク回避のために頻繁に行われる。
RSの実例
XTI Aerospace ($XTIA)
企業概要:XTIA は、垂直離着陸(VTOL)機の開発を手掛けている米国の航空宇宙スタートアップ企業である。代表的なプロジェクトとしてTriFan 600というハイブリッド推進方式のビジネス機を開発している。
RS: XTIAの株価は0.03~0.05$/shareでかなり安価であり、penny stock板[2]では度々話題に出ている銘柄である。XTIAは2025/01/07に250→1 のreverse splitを1/10に行うことを公式に発表した[3]。 発表当日は、株価は2倍に跳ね上がり寄り天で推移し、翌日には-50%そしてreverse split当日にはさらに-40%と株価が下落した。
0.04$で1000 sharesを保有していたが、RS後の株価上昇を期待したものの期待は裏切られ、結局はRS後、6.2$で4 sharesを損切りし、16$の損失を被った。
ここから、RSの直前には株価は暴騰する可能性があるという知見を得たが、そう単純ではなかった…。
Crown ElectroKinetics ($CRKN)
企業概要:CRKNは、スマートガラスなどのエネルギー効率技術を開発・提供している企業である。電気を用いてガラスの透明度や色調を調節できる「エレクトロキネティックフィルム」の研究開発を手がけており、ビルや車両の窓に応用することで省エネルギー化を図る事業を展開している。
RS:CRKNも0.1$/shareで推移しており、penny stockマニアでは有名な銘柄である。まず、CRKNはRSを4回行っている(2021/01/26 3→1、2023/08/15 60→1、2024/06/25 150→1、2025/1/30 150→1)。CRKNは2025/01/28に、150→1のRSを1/30に行うという公式発表を行った[4]。XTIAで得た知見から、RS直前には株価が暴騰する可能性があると信じ、損切りせずに保有していた。しかし、発表当日にはマーケット開始直後に-20%暴落し、翌日も-10%暴落した。その後、RS後も-20%暴落した。
今回は、0.13$で2000 shares保有していたものを、RS前日の0.06$で売却し、140$の損失を出した。
注意点
SBIではRSが行われた株は2営業日ほど取引停止になるため、RS前に売却することをおすすめする。(RS直後もmoomoo証券では取引可能である。)
[1] RS list in yahoo finance: https://finance.yahoo.com/calendar/splits/
[2] r/pennystocks: https://www.reddit.com/r/pennystocks/?rdt=46635
[3] Announcement of XTIA's RS: https://ir.xtiaerospace.com/ir-news-events/press-releases/detail/300/xti-aerospace-updates-shareholders-on-2025-strategy-to-strengthen-leadership-in-aviation-innovation-and-announces-share-consolidation
[4]Announcement of CRKN's RS: https://ir.crownek.com/news-events/press-releases/detail/155/crown-announces-effective-date-of-reverse-stock-split