ラティス構造をフリーソフトで作る 実践編
過去にラティス構造を作成できるフリーソフトを3つ紹介した。
https://note.com/hexcapbolt/n/n8a91238ed679
実際にフリーソフトを使って部品を作った話です。平板形状をラティス構造に置換しました。
部品形状と下処理
素の形状はこんな感じ。穴はヒートインサートナットを挿入するところで溝はタイラップで縛るためにタイラップを通す溝。
強度的に重要でない部分を肉抜きし、この肉抜き部分をラティス構造に置換します。
後で使うので肉抜き部分(灰色)を本体とは別のボディとして作成しておきます。
最終的にブーリアン演算で本体とくっつけるのだがツライチだとエラーが出やすい。なので確実に食い込むよう適当な倍率で拡大しておきます。(右端)
ラティス構造を生成する
今回はMSLatticeを使います。
https://note.com/hexcapbolt/n/n69b32f96a2c8
最終的にこういう感じにするので、肉抜き部分を包み込めるサイズで生成します。
設定はこんな感じ。ラティス生成1回あたり5分~10分かかる。
生成したラティス構造が製造限界を超えていないか、スケッチを書いたり最小壁厚に相当する直径の球を重ねるなどして検査します。
ラティス構造を合成する
まず部品側をメッシュボディに変換します。ソフトウェアの都合でラティス構造側がメッシュなので合わせます。
次にブーリアン演算でこうします。演算処理は重く、1時間以上かかります。
で、本体と合体させます。30分以上かかります。
完成。
出力したデータは重く、3Dプリントサービスによっては上限にひっかかる可能性があります。
(各サービスの上限 JLCPCB: 80MB, DMM.make: 100MB, Wenext: 150MB, Craftcloud: 500MB)
実際に製造する
3Dプリントします。
今回はJLCPCBでMJFのPA12で6.37USD(938円)でした。
無事造形されてきました。
このように小さい部品ならラティス構造を含む部品を製造することは現実的に可能です。ただしこの方法だとデータサイズがバカ大きいので、部品の外形が大きいと難しいかも。
以上。
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