森尾拓斗×演劇空間ロッカクナット「ナラカ naraka」|立体音響
【本編】
こちらからご覧いただけます。
ぜひイヤホンにてご視聴ください。
naraka(2023)
◾️作品説明
本作品はミニマル音楽に由来する「繰り返す音」を「センサーを用いた定位操作」で演奏する6chの電子音楽作品である。
一般に音楽は空間性に乏しい時間芸術であるが、ここでは時間的な展開を排除し、身体の動作によって音を動かすことで「空間としての音楽」の構築を試みた。 時間軸のない空間の展開という点から本作ではテーマを「地獄」とし、身体動作を起点に音が動くことで、この「地獄」という空間を形成していく。
またキューブのなかで踊り手は奏者であり、演奏を通じて音楽=空間を構築していく。
◾️パフォーマンス
土着的な身体を探求する舞踏による身体表現を起点に音が動くことで、「地獄」という音楽空間を形成している。 なお、パフォーマー2名はそれぞれ「鬼」と「人」を表しており、異なる視点における「地獄」を表すことで、より複雑な音響空間を構築する。 ここで「地獄」という表象は、空間と身体の接点としても作用する。
◾️空間としての音楽
一般に音楽は、例えばクラシック音楽の形式に代表されるように、展開がある”時間芸術”である。 しかし「この場所にはこのような音楽が合う」というように、音楽にも空間を想起させる作用があるといえる。 そこで今回は時間的な展開を排除した音響(「繰り返す音」)と、身体動作によって音を動かす特別な音響装置(「センサーを用いた定位操作」による演奏)によって、音楽における空間性の拡張に挑んでいる。
◾️システム
1辺2mの枠に6個のラッパ型スピーカーを取り付け、4.2chの空間を生み出す。また枠部分には身体の動きを検知するセンサーを取り付けた。
この「キューブ」内でひとが動くことでセンサーが反応し、対応するスピーカーの音量が大小する。キューブのなかで身体が入ることではじめて音が聴こえ、身体が外に出ると音は聴こえなくなる。
This is a 6-channel electronic music work in which "repeated sounds" derived from minimal music are performed by "sensor-based localization operation. Generally, music is a temporal art that lacks spatiality, but this work attempts to construct "music as space" by eliminating temporal development and moving sounds through physical actions. In addition, from the point of view of the development of space without a time axis, I conceived of an ideal world and emptiness as infinite places in opposition to the finite present world, and specifically chose "hell" as the theme of this work. The aim of this music is to form a space called "hell" by moving sound from the physical expression of the butoh dance, which explores the indigenous body. The two dancers represent a demon and a person, and by representing hell from each of their perspectives, they construct a more complex acoustic space. Here, the representation of hell also acts as a point of contact between the space and the body. In the cube, the dancers are players, and through their performance, they construct a musical space.
「naraka」
Concept / Sound:森尾拓斗
Stage design :原良輔(演劇空間ロッカクナット)
Management :菅本千尋(演劇空間ロッカクナット)
Production:みやたかい
Photography:阿部修一郎・奥津遼也
Editing:奥津遼也
Typography:岡田貴一
Performance :遊舞舎
Voice:明澄
Special thanks:美津野商事株式会社
【森尾拓斗プロフィール】
1998年生まれ。日本大学芸術学部音楽学科卒業。
ドラム奏者としてBunkamuraオーチャードホールでの演奏経験などを踏まえ、演奏・作曲を学ぶ一方で、大部分の時間を空間演出などの作品制作に費やす。卒業制作にあたり、絵画や彫刻に見られる空間性を音楽からも感じるとの着想から、空間表現を可能とする音響装置を考案し発表した。
【演劇空間ロッカクナット】
2022年結成。建築と舞台照明を得意分野に、ヒトとモノのコミュニケーションについて検討・実験しながら、劇場外の場における「演劇空間」の発見に取り組む。これまで福岡県糸島市の山、福岡県北九州市の階段、福岡県福岡市の集合マンションの屋上・学生寮を会場とし、演劇公演を行う。2022年、ふくおか地域づくり活動賞 準グランプリ。2023年より福岡・東京の2拠点。
biography
2023年
9月 公開
11月 Art Marché in KASAI Seaside Parkにて展示|東京・江戸川
[詳細]https://edogawa.mypl.net/article/artmarche_edogawa
2024年
5月 SICF25(第25 回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)にて展示|東京・青山
[詳細]https://www.sicf.jp/information/
9月 家劇場の一周忌「終わりの遊園」にて展示予定|東京・北千住
[詳細]https://iegekijyo-issyuki.studio.site
本作品は、
演劇空間ロッカクナットよんかいめ。として、
2024年4月〜、福岡・東京にて上演を予定しております。→ 新作制作のため、時期を模索中です。
これからさらに検討を重ね、パフォーマンス作品としてもアップデートさせて参ります。
何卒ご注目ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?