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友人関係アゲイン
歳四十を越えると友人関係が変わる(大きく途絶える)という話はわりと聞く話で、理由は周囲の友人たちの変化で、介護だったり親の家業を継ぐことだったり、病気だったり……要は友達の人生の局面が一つ違うところへ移行して、みんな環境や心情に変化がでて、結果(物理的な)離別につながることが多いということなのだろう。
そうでなくても転職だったり、新しいパートナーができたり、環境由来の自身の大きな精神的変化で、人間関係が気がつけばまったく違うものになっていることは、人生で一度は経験するものだと思う。
そういう話をたまたま昨日していたら、
「そういう限りもあるから友人知人の色んな場面の良いところを知っておきたいよ。友人として、仕事人として、恋人とのその人や、性的なところや、家族関係でのその人の色んな側面があるわけじゃん?色々なその人の良いところを見つけて、それで人と仲良くしていけたらと思う」
と言われて、結構な感銘を受けたのだった。
パートナーと長く付き合うことができて思うのだけど、人間どうしてもやっぱり話し合って、譲り合ったり修正したりして関係を作るというのにも限界がある。
もちろん、何の配慮や態度の調整もなしに、いかなる人間関係も構築することはできないのだけど、どこかでやっぱり水に流すというか、「この人はこうだから」というのは受け入れて、相手にも「自分はそうだから」というのを譲って受け入れてもらわなければならないように思う。
前の職場で数年上司として接していた揖斐(いび)さんは、ぱことは内部調整での対応でしかコミュニケーションがなくて(まあ仕事だし)、本当に職場の上司としての側面しか知らずに数年過ごしたのでわりともったいなかった気がしないでもない(こともない。仕事だからなあ。難しい)。
揖斐さんの仕事ぶりは辣腕だけど強引だし、タスクが多すぎることもあって、社長から叱責も食らってたから(訓戒で済まなかった)、あんまり関わると自分もまきこまれるので仕事の範囲以外では飲みにも行ったことないし、食事にも行ったことがなかった。
転職後、 LinkedIn で元同僚とやりとりしてたら、揖斐さんは上長とか他部署の人とはコミュニケーションがあったらしく、そこの情報で初めて揖斐さんのことを少し教えてもらった。
揖斐さんは休日はわりと良いパパらしく(結婚してたんだー)、元々はインディーズの歌手だったこともあってか、わりとくだけた雰囲気の人だったらしいということを知った。歌手の頃は武蔵小杉からライブハウスに通う日々だったらしい。へええ…へええ?そんな人だったんだ。
あと、かわいいものも好きらしくて、お買い物パンダがお気に入りだったらしい。えー。今アニメ化されて自分も何回も見返してる!
全然知らなかった。そうなんだ。
そういう側面を当時もし知ることがあったら、今何か、揖斐さんとの関係性は変わったのだろうか。
まあ正直仕事だから何も変わらなかったかな、と思う気持ちもあるのだけど、無茶の多い上司だった揖斐さんをもっと受け入れることはできたかもしれない。
そしたら、もっと、たまに仲良い職場であるけど退職後もポジションやコネ関係なく、会って話するくらいの関係になったのかも…しれない。まあでもないかもしれない。わからない。
わからないけど、どんどん先細るような人間関係や友人関係が人の世なら、少しでもそういう可能性やありえた未来へ繋がる種は持ちたいものだな、と昨日の話から考えたのでした。今回の例は仕事だったけど、特にプライベートはね。そう思います。
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