司法書士が作成する書類に関する件（法曹界雑誌昭和14年7月1日）
●司法書士が作成する書類に関する件
司法省訓令通牒回答
稟伺（りんし）
司法書士の作成する書類に付左の二説あり
１、司法書士法第1条には裁判所又は検事局に提出する書類とありて司法書士は裁判所又は検事局以外に提出する書類を作成する権限なき如く見ゆるも公証人役場（執達吏役場又は供託局も同断）の事務は固より司法事務の一部に属し公証人役場は裁判所に附属せるものなるを以て右司法書士法第1条中裁判所とある内には広く公証人役場をも包含し居るに依り司法書士は公証人役場に提出すべき書類を作成することを得
２、司法書士法第1条中裁判所とある内には公証人役場を包含せず（法曹界決議）故に司法書士は公証人役場に提出すべき委任状等の書類を作成することを得ず
右両説中何れを正当とするか何分の御指示相仰度此段及稟伺候也
回答
客月27日附日記第932号を以て御進達の公証人福田喜久司の稟伺に係る標記の件は第2説を相当（供託局及び執達吏に提出すべき書類に付ては第1説の通）と思考致候条可然御通達相成度右申進候也
著作権保護期間の切れた著作物です。