徒然んぐす③【物語の構成(概観)】~即興暴君(インプロボーク)~
前回の投稿で、物語の構成についてざっくりとお話しました。
3幕構成の場合は、第一部が「日常」、第二部が「非日常」、第三部が「新日常」という流れですね。
(少し繰り返しが多かったかなとも思いますが)
今回は、もう少し踏み込んで物語の構成についてお話ししようと思いますが、それでもまだ概論的な話にはなります。
ここからのお話での物語の構成は、僕がフルレングスインプロを指導・企画/演出していた際に、みんなが共通認識として持ち、表現できるようになることを目指していました。
その意味では、今回の公演のフルレングスインプロとは表面的には少し違うように思える部分もありますが、通底するところは同様だと思います(ので、その点はご了承ください)。
さて、これまでの話と少し被りますが、3部構成を見ていく際には、5つのパートに分けるとわかりやすいと思います。
まず、第1部の「日常」パートです。
そして、次が「きっかけとなる出来事」。これは、第1部と第2部の間に位置します。
第2部にあたるのが「非日常」のパート。ここが物語の中心部分ですね。
次に第3部に入る前に「クライマックス」があります。これが最も盛り上がる部分です。
最後に第3部の「新日常」があります。
このように、3幕構成の物語は5つのパートに分かれていて、各幕の間を「きっかけとなる出来事」と「クライマックス」がつないでいると理解していただければと思います。
次は、この5つのパートについて、もう少し詳しく説明しようと思います。それぞれがどのような役割を持っているのか、順に見ていきましょう。
日常
ここは、物語の土台となる部分であり、物語の重要な要素が提示されます。
具体的には、「いつなのか」という時代設定、「どこなのか」という場所の設定、そして登場人物たち、かつ彼らがどのように生きている/生活しているのかが提示されます。
この第1部「日常」が果たすべき最も重要な役割は、その日常がどのようなものかを明確に設定することです。
主人公や登場人物たちにとっての日常生活や人生がどんな感じなのかを描き、これといった特別なことが起きない普通の日をどのように過ごしているのかを示します。
フルレングスインプロの場合、この第1部「日常」のパートは物語全体の約25%を占めることが多く、1時間の物語であれば約15分間程度を想定していました。
きっかけとなる出来事
このパートは、第1部「日常」から第2部「非日常」へと移行する部分です。
これまでルーティンとなっていた日常が崩れたり壊れたりする出来事が起こり、登場人物たち(特に主人公)が未知の世界へと放り込まれます。
この出来事によって、安定していた日常が壊れ、非日常へと突入していきます。
非日常
このパートでは、登場人物たち、特に主人公が、困難に直面し、立ち向かうことになります。
非日常の世界では、様々な障害や試練が待ち受けており、主人公はそれを乗り越えようと奮闘します。
目的を達成しようとする主人公の苦闘が描かれ、これが物語の中心となります。
この第2部「非日常」のパートは物語全体の約50%以上を占めることが多く、1時間の物語であれば約30分から40分間程度になります。
クライマックス
物語の命題が果たして達成されるのかどうかが示される場面です。
命題に向けた最終的な行動が起こり、物語は一気に緊張の頂点に達します。
このクライマックスの部分は、第2部「非日常」が終わり、第3部「新日常」へと繋がる重要な転換点です。
※この物語の命題については、後で物語の構成をさらに深掘りして書くつもりですので、その時にもう少し詳細な説明をします。
新日常
このパートでは、主人公(や登場人物たち)が立ちはだかる困難を克服したかどうか、それによって、新たな日常を築き上げる姿が描かれます。
これいらないか第3部「新日常」は物語全体の約25%を占めることが多いですが、10%から15%程度に抑えられることもあります。
1時間の物語であれば、約10分間程度がこのパートにあたります。
<おまけ:エクササイズの紹介>
ここからはおまけですが、この5つのパートを即興で作り上げるために効果的なエクササイズとして(インプロをある程度やった人ならお馴染みの)、『ティピカル・ストーリー』(あるいは「ストーリースパイン」)と呼ばれるものがあります。
このエクササイズは基本的に口頭で行うものなので、実際に動きを交えた演技をしなくても大丈夫です。
なので、今であれば、LINEグループを作れば、同じ場所にいなくてもこのエクササイズができますし、何度も繰り返し練習することで、無理なく即興でできるような状態に持っていくこともできるかと思います。
実際に、私がフルレングスインプロの指導をしていたときも、このエクササイズ専用のLINEグループを作り、みんなが自然とこの5つのパートを即興で瞬発的に創発できるようになるまで(そうした思考の習慣ができるまで)、何度も繰り返して練習していました。
やり方
以下のリード(導入)文の後にそれぞれ続く文章を、メンバーで順番に(ランダムでも良い)口頭で述べる(LINEに入力する)
興味がある方は、上記のリード文のどれが、5つのパートのどこに当たるか、を考えてみると、このエクササイズおよびフルレングスインプロにおける物語の構成についての理解が深まると思います。
と、物語の構成(概観)については、こんな感じにしておこうと思います。
次回は、出演の経緯か、主人公の変化について少し書いてみようかなぁと思います。
(SNSとかで反応をいただければ、続きを書くモチベになるのでぜひコメント等お願いします(^▽^)/)
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【公演情報】
私が出演するのは、15日日曜日の15:00〜/19:30〜の2公演となります。
ぜひご興味がある方は、こちらの申し込みフォームからご予約をお願いします。
【ご予約フォーム:へちゃっぷりん扱い】
https://www.quartet-online.net/ticket/onestory60?m=00gabij