徒然んぐす②【物語の構成(導入編)】~即興暴君(インプロボーク)~
前回の投稿で、”フルレングスインプロにおいては、物語性と主人公の変化が必須の要素”ということを書きましたが、今回はその「物語の"構成"」について見てみたいと思います。
一般的に知られている物語の構成としては、「起承転結」や「序破急」といった構成が挙げられます。
また、いわゆる「売れる脚本」を目指している、ハリウッドの脚本術に関する本もたくさん出ていますが、これらでは三幕構成がスタンダードになっていることが多いです。
この三幕構成は、前の投稿でも少し触れたように、「日常・非日常・新日常」という形に分けることができます。
今回のフルレングスインプロの稽古においては、指導者であり著名な脚本家でもある園田さんが
「起承転結」について、今回出演するメンバーの共有情報の中に詳しく説明されていました。
僕が、特にポイントだなと思ったのは、時間の長さ(尺)についての部分で、「起」があって、その後の「承」が非常に長く、あとに「転」があって、最後の「結」は短い、ということです。
これを三幕構成の日常・非日常・新日常に当てはめると、やはり「非日常」のパートが長くなるということになります。
それと、物語や脚本を勉強している人にとっては、「ヒーローズジャーニー」という構成もなじみ深いかもしれません。
これは、(正確にはちょっと違いますが、今までの文脈になぞらえると)ざっくりとは、「日常」を過ごしている主人公が、とあるきっかけで移行する「非日常」から冒険が始まり、仲間と出会ったり、困難に直面したり、試練を乗り越えたりする過程を経て、成長や秘薬を手に入れます。
そして、元の世界に戻りますが、成長や秘薬によって日常が少し変わり、大抵はより良いもの(「新日常」)になっているという流れが特徴です。
※このヒーローズジャーニーや、さらに根底にある物語の構成やその分析については、こちらの書籍が過不足なく記載されていてお勧めです。
過去に私がフルレングスのインプロを指導・企画/演出していた際にも、物語の構成の概観として「日常・非日常・新日常」の三部構成、つまり三幕構成を使っていました。
なお、この三幕構成の少し変わった見方として『「感情」から書く脚本術』という本があります。
ここでは、三幕構成を「関心(期待)・緊張(切迫)・満足」という3つの感情という観点で解説しています。
面白い視点なので、ご興味のある方は、参照されるといいかもです。
と、今回は比較的あっさり目でしたが、次回は、この三幕構成(日常・非日常・新日常)について、もう少し詳しく書いていこうかと思います。
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私が出演するのは、15日日曜日の15:00〜/19:30〜の2公演となります。
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