葬祭業に従事することについて①

葬祭業のことをもっと知ってもらいたい
仕事のことをなかなか公にする機会がないというのも悩みの一つでありまして。
noteでは少しずつ葬祭業について、僕が経験したり学んだりしたことをご紹介できればと思っています。
葬祭業は皆さんにとってなかなか身近ではない業界だと思いますし、また敬遠されがちな業界だとも自覚しています。
ですから、興味本位でもかまいません。違う世界を覗いてみるような感覚でも良いと思います。
あれこれ質問していただいてもいいです。まだ3年の経験でお答えできる内容ならばお答えいたします(笑)。
まずは僕を通して業界についてもっと知ってもらえたら嬉しい限りです。
それによって、明日からの皆さんの生き方に何か良い影響を与えることができたらなと思っています。

初回は葬祭業界を支えるプレイヤーとその関係性についてご紹介したいなと思います。
ここを理解してもらわないと、業界における僕の仕事や立場が理解してもらえませんし、皆さんの周りに(あってほしくないのですが…)ご不幸があった場合に誰に何を相談すれば良いのか。またどんな流れで葬儀が進んでいくのか。
これを理解するうえでの基礎知識になるのかなと思います。
(正直、僕自身転職してからしばらくするまでなかなか整理できませんでした。。)

僕は火葬場の職員です。
なので、葬祭業者(葬儀社)、いわゆる葬儀屋さんのスタッフではありません。
(僕自身、転職する際これからの自分の仕事を「おくりびと」だと勘違いしてました。)

火葬場というから分かりづらいのですが、地方では◯◯斎場という名称で市民の方々に認知されている場合が多く、いわゆる通夜・告別式を営なむような式場と火葬場が一体となっている施設のことを指します。

葬祭業者(葬儀社)と火葬場
では、葬祭業者と火葬場の関係について。
簡単に説明するならば、火葬場は葬祭業者に予約してもらい使ってもらういわばBtoB取引きの対象施設です。
他の業界で例えるならば展示場や貸室運営に近いと思います。
式場や火葬中の待合室というハコ貸しと、火葬業務が行われているようなイメージです。

火葬場は基本的に葬祭業者からの予約しか受け付けません。
故人のご家族などから直接の予約は受け付けません(地方自治体によって異なる場合があります)。
理由は様々あり、例えばご遺体の搬送にかかる霊柩車の手配だったり、納棺作業だったりかなり専門性が高く素人には手に負えないような準備等が必要であることが挙げられますが、僕は何よりも故人を弔う過程において、第三者が介入することの意義と大きな役割を感じています。
(これについても詳細はそのうち書きたいと思います。)

細々挙げると…
故人がご逝去されてから火葬を終えるまでの過程において、基本的には(表面的には)葬祭業者と火葬場とのやり取りで済むことなのですが、葬祭業者様の他に大事な役割を果たしている方々も多くいらっしゃいます。
例えば霊柩車やマイクロバスを扱う霊柩自動車運送事業車、納棺師さん(おくりびとのようなお仕事)、通夜振る舞いやお弁当を準備する仕出し料理屋、祭壇を準備する生花店などなど。

宗教者は??
故人が生前に信仰されていた宗教・宗派に基づき葬儀が執り行われることが一般的ではありますが、現代において“無宗教”というような、なるべく宗教色を出さずに葬儀を執り行うことを希望される家族が増えている傾向にあるのは間違いありません。
ですから、葬儀の際に宗教者(お坊さんや神官さんや神父さんなど)を呼ぶかどうかという部分も葬祭業者がご家族との間に入って段取りしてくれますので、例えば自分が檀家になっているお寺とのやり取りなども自らは行わないことが多いことと思います。

最後に、僕の仕事について
僕は火葬場に勤めていながら事務方の人間ですので、ご遺体にお会いすることもなければもちろん直接触れることもなく、実はなんとも中途半端な立ち位置にいるんです。(笑)
もちろん、火葬場には火葬技師と呼ばれるような火葬業務を執り行う職員がおります。
しかし、僕の場合はその火葬業務を含む斎場全体を運営する立場におりますため、業務が滞りなく動くようなバックアップをしているのであります。
また、葬祭業者の方々から予約を受けたり、料金の支払いなどを受け付けたりする業務を行なっているため、様々な情報を得る機会に恵まれています。

と、いうことで。
業界を客観的に見られる立場にいるからこそ、業界の発展のためにできることがあるはずだと思っておりますので、そのあたりについても色々考えを発信していけたらなと思っております。

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