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煮干しの出汁ガラ、その後
飽きっぽいオレだが毎日やっていることがある。
飯。酒。寝る。便所。
他は、やったりやらなかったりだ。
そうしてみると、動物とかわりないようだ。情けないような気もするが、けっきょくこんなもののような気もする。
飽きっぽい他にオレは面倒くさがりだ。
前回の煮干しの煮たのだってじゅうぶん手を抜いているのだがそれすら面倒くさい。しかし煮干しのデガラシは毎日出る。あ、出汁ガラじゃなくてデガラシか、でも、意味は通じそうだし、前のを直すの面倒だし、出汁ガラ、ということにしておこう。
さて、仕事が終わって疲れた体を椅子に乗っけて、考えた。もちろん、キクマサピンをそば猪口に注いで。
小皿に出汁ガラを乗っけてみた。
!。
冷蔵庫からポン酢を取り出してタラタラーリとかけた。
一味唐辛子を振りかけて、よく全体をなじませておいてから、キクマサピンをゴクリ。それから箸についたポン酢をペロリ。いい酢加減だ。ピリッと一味も利いている。
もう一度、酒をゴクリ。
やっと煮干しをひとつ、下のほうから引っ張り出して、ポン酢にヒタヒタしてなじませておいて、パクり。
じわりじわり、ポン酢の酸っぱさのさきから煮干しの旨味が出てくる。酸のせいか柔くなっているようだ。そうして唐辛子の辛味が刺激になって、酒をゴクリごくごく。
!。
オレは長ネギを小口に切って載せ、さらにポン酢と唐辛子を足した。
ものぐさで飽きっぽいのに、酒はとまらない。
これでいいのだ、と言ってみた。
本当にいいような気がしてきたオレだった。