記憶はいいかげんだ
もう二三週前だが、見切り品の長葱が安かったので買って帰った。
しばらくすると、家の人が「安かったのよ!」とドヤ顔で長葱を買ってきた。
さて、沢山の長葱をどうしたものか、オレは、取敢えず刻んだ。
随分前に作った「バーソー」という料理を思い出したのだ。
長葱は丼に一杯に刻んだ。それから豚肉が必要なのだが、冷凍庫に半端な薄切り肉があったので解凍して刻んだ。
後は炒める、ネギもブタも炒める。
前に作った時は矢鱈に長いこと炒めたような気がするが、旨そうな匂いがしてきたのでよさそうなところで酒をドバドバ入れた。かき混ぜながら汁気がなくなってきたところで醬油を入れて、少しだけ味醂も入れた。
すっかり汁気が無くなってペタペタになったら出来上がりだ。
肉のペーストみたいなモノだな。そのままで旨いし、飯にのせてもおにぎりにも、パンにもいい。
この料理は、檀一雄の「檀流クッキング」という本に出ている。気になって後で見てみたら、オレのやり方は手抜きもいいところだった。
ネギだけでもなんと、一時間炒めろ、と書いてある。そうして、肉はバラ肉を肉屋さんで引いてもらえ、脂が多くて嫌がられるがそこを頼んでみなさい、どうしても無理なら包丁で徹底的にたたきなさい、と。機械で嫌なもの手でも嫌に決まっている。前に作った時は普通の挽肉を使ったと思う。
そう言われてみれば、ネギは徹底的に炒めたほうがいいだろうし、肉は脂が多いほうがいいようだ。覚えているようでキモのところを外していたようだ。
旨かったからいいようなものの、次はそのへんを意識しながら手を抜きつつやってみようと思うが、長葱のシーズンももうお終い、来年になるかなあ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?