手放す・モノ
今日、免許をとった甥っ子に、
車を譲渡した。
ごった返した運輸局。
ナンバープレートの取り外し。
錆びとほこりの、何とも言えない匂い。
思い出と、そして、哀愁が漂う。
ヒトが抱え込めるモノには、限りがある。
車も「手放す」と、別の「モノ」が手に入る。
別の車、別の景色、別の時間やお金。
ヒトは、自分の「モノ」は全て、保持したくなる。
もう、お気づきであろう、
サンクコストバイアスが発生している。
僕は、何かを「手放す」とき、
なかったことにできるコスト、を考えている。
コストが高ければ、見送り、
コストが低ければ、「手放す」。
と、かっこよくいいながら
大量の本を手離せない僕。
本の整理をするよう、
妻に言われる僕の背中は、
きっと、哀愁が漂っている。
何を捨てるかで、誇りが問われ、
何を守るかで、愛情が問われる。
スティーブ・ジョブズ