神田伯山 2024新春連続読み 名古屋公演
コロナ禍中にYouTubeでお勧め動画として出てきて、何気なく聞いてみた神田伯山さんの講談。
落語はたまにYouTubeで聞いていたのですが、講談は初めて。
そして初めて聞いたのが「畔倉重四郎」でした。
講談好きの人は分かると思いますが、いきなりディープ!長い!陰湿!
しかし!私はこの畔倉重四郎全19話を聞いて、伯山さんにハマってしまったのです。
それからYouTube「神田伯山ティービィー」、ラジオ「問わず語りの神田伯山」のリスナーになり、いつか高座を聞きに行ってみたいなあと寄席の情報などをチェックしていたのでした。
そしてやってきた名古屋公演の機会。
なんと講談というものを初めて聞いたあの「畔倉重四郎 連続読み」!
喜び勇んでチケットを取って5日間通いました。(初日の前夜祭は不注意で飛ばしてしまいましたが💦)
初・生・伯山さん。ワクワクドキドキ。
会場は栄の中電ホールで400人くらいのキャパ。
年齢層はやはり高く、平均年齢55歳〜60歳といったところ。
当日券も少し出ていたようで、連日満席でした。
お囃子が鳴り終わると幕が上がり伯山先生登場!
まくらを5分ほど喋ったところで「そろそろ皆さん話を聞いてもいいよ、という空気になってきたので…」と始まりました。
初めて生で聞く伯山さんの講談はすごい声量!迫力!パワー!
初日は話の内容よりも伯山さんの声、喋り方、仕草、挙動が気になります。
目が離せない…。(そんな中、隣の60代くらいと思しき女性は8割方夢の中でした😂)
2日目以降は講談のスタイルに慣れて、話の内容にぐっと入り込みます。
そして迎えた最終日。
ここまで来たか、今日で終わりか。
毎日通うのは大変だったけど、なんだか淋しいなと思いながらも、いつものようにお話は始まります。
2話目に入って少し経ったくらいか?
許婚が亡くなったのを信じられない男が、お寺を訪ねて墓を掘り返して彼女の姿を見せてくれと懇願し、棺桶を開けるというシリアスな場面。
ネットニュースでも話題になったアレが鳴り出しました。
「マナーモードにしてください、マナーモードにしてください」
え???
ちょうどうつむいた姿勢だった伯山さん。そのままの姿勢で止まってしまったのです。
しばらくして顔を上げ「集中力が切れるからあまり止めることはないんですが、、残念です。名古屋のお客さんとここまでいい感じで来ていたのに、最終日になってこうなるとは」と感情を露わにされました。
会場はピリピリ。どうする?どうなる?
でもそこはさすがプロ。残念感を笑いに変えて話を再開してくれたのでした。
公演中に携帯が鳴ってしまったのは本当に残念なことだけど、この事件で伯山さんの真剣さがより鮮明になりました。
1日2時間を5日間連続。テンションを保ったまま喋り続けることの凄さ。
それは命を削るような仕事だと思うのです。
自分が命を削るようにしてお話の世界を作って、お客さんもその世界に浸り切っている空気のなか、携帯が鳴ったら怒るのは当然です。
良い経験をさせてもらい、益々伯山ファンになったのでした。
ライブの醍醐味をまた体験したい!
タイミング良く寄席にも行けますように!