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ココシュカとアルマ/人形を作りたい
私はオスカー・ココシュカという画家が好きだ。
ココシュカは、ドイツ表現主義の代表的な画家であり、グスタフ・クリムトに見出されたウィーンの画家である。
私が好きなのは絵よりも彼のエピソードである。
彼はアルマという恋人が忘れられなかった。
アルマとココシュカ自身を描いた『風の花嫁』は彼の代表作だ。
アルマは音楽家マーラーの未亡人であり、バウハウスを設立したグロピウスとも結婚し、そののちに作家ウェルフェルと不倫し、再婚。
絵に描いたようなあげまん悪女である。
数々の才能ある男をたぶらかすアルマ。それはそれで羨ましい。
第一次世界大戦時に、頭部に怪我をしたココシュカは、戦後自国に戻ってから、アルマとグロピウスの結婚を知ることになる。
失意に陥ったココシュカはアルマの等身大の人形を作り、それと共に出かけたり、生活するという、半ば映画のようなエピソードを残している。
私は人形が好きで、特に生き人形や球体関節人形が好きなのだ。
もし自分のお店が開けたら、私は生き人形や球体関節人形のマネキンを作るのが夢だ。
先日、昔の恋人に会ってから、自分の中で何かが弾けたように思う。
ずっと自分でも、どうも垢抜けない人間だと思っていたけど、昔の恋人に会うという行動に出て、しかもそれを文章化し、さらに現在は彼の視界に入りたいと今まさに努力し、現在彼といたときに書いた詩を多く載せた本も作成し、それを彼に献本する予定でいるのだけど、なかなか客観的に見ると狂気的な人間であるが、それが多分本当はずっとやりたかったことだ。
私ももしかしたら戦争で頭部を損傷したのかもしれない(笑)。
しかし、至って元気であり、病院では「あなたらしく生きられるようになってきた」と言われる始末である(笑)。
先日、チームレタルのティッカちゃんという経理担当の友人に「ココシュカのように昔の恋人のマネキンを作りたいと思うんだけど、どう思う?」と言ったら「お願いだから、それはやめよう(笑)」と言われた(笑)。
しかし、昔の恋人ではなくても、人形作りはやってみたいことの一つだ。
私は巫女のようなところがあるので、結構いい人形を作るのではないかと思う。
昔の恋人と一度国立美術館の所蔵品コレクションをに観に行き、いろいろ観たものの「やっぱり最後にもう一度あれを観よう」と吉田良の『すぐり』を二人で手を繋いで観たのをとてもよく記憶している。
なんて素敵なカップルだろうか。
美術館にいたら、邪魔くさいことこの上ないだろう。
なんにせよ若い頃に美しい思い出があるのはいいものだ。
そして、出来ることなら、昔の恋人はその思い出のままホルマリン漬けでもしておきたかったくらいの気持ちであるが、そうもいかないので、隙あらばマネキンだの、生き人形だの作ってやろうという気持ちである。
あー気持ち悪(笑)。
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