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若冲忌

9月10日は江戸中期の京都の絵師、伊藤若冲の祥月命日です。

ルルフは美大生時代に若冲さんファンになって足掛け●●年、かの絵師を追っかけてます。

でもゆかりの地にアクティブに出かけるようになったのは割と近年。

中でも若冲終焉の地として知られる深草石峰寺。
錦市場の青物問屋主人だった若冲の実家菩提寺の寺町宝蔵寺。
畢生の大作「動植綵絵」を奉納した今出川相国寺。
この3ヶ寺は特別な存在です。

若冲さんのアニバーサリーとして知られるのは誕生日(2月8日)と命日(9月10日)。
誕生日には宝蔵寺さんが、そして今日命日は石峰寺さんが法要を営まれます。

今日は石峰寺の法要に参列してきました。

深草駅から進むとこの入口に辿り着きます
(慣れてないと住宅街のダンジョンに迷うかも)

若冲作品展示会

実は石峰寺さんが主催されている「伊藤若冲顕彰会」に入会しています(※どなたでも入会可)。
若冲忌を前に1週間ほど開かれるお寺所蔵の掛軸の展示会も、法要前の数時間は会員のみでゆっくり拝見できます。
毎年若冲真作の水墨画を入れ替えながら、たっぷり出し惜しみなく見せて頂けて、とってもありがたい。
今年のセトリはこちら。

五百羅漢図
虎図
葡萄図
橋図
梅樹山鳥図
蕪図
芭蕉雄鶏図
牡丹図
墨梅図(双幅)
蘇鉄図
鶏図
鯉図
鶏図

当然ながら室内撮影禁止なので、目を皿のようにして見ておりました。

方丈玄関に置かれていた御供物野菜。
さすが京随一の青物問屋にふさわしい。

本堂・墓前法要

11時から本堂にて法要。会員は堂内に入って着席のうえ参列させて頂けます。黄檗宗独特の読経に惚れ惚れしつつ、お焼香を行いました。
気持ちはすっかり桝屋(※)さんの親戚。

石峰寺本堂
よく見ると三宝に五芒星★のデザインが

その後、お墓の前に移動して、そちらでもお焼香。

3年前からは恐れ多くも大塔婆を出させてもらってます。
家族以外で初めて頼んだ大塔婆がまさかの伊藤若冲居士だよ。すげーな。

伊藤若冲墓

※桝屋…伊藤若冲実家、青物問屋の屋号。主人は代々「桝屋源左衛門」の名を継ぐ。若冲は四代目。次弟が五代目を継いだ。生涯独身だった若冲は末弟とその妻を夫婦養子としたが、弟に先立たれる。その義妹と遺児と共に、晩年に錦から住まいを移したのが石峰寺だった。


五百羅漢石仏群

石峰寺境内のお堂の裏山には、若冲がプロデュースして建立した五百羅漢石仏群が居並んでいます。とても素朴で愛らしい仏様たちです。

東門
竜宮造という独特の丸いフォルム

21世紀に入ってから、ヤカラ(※カメラマンと称していたようですが)が撮影会と言って傍若無人の所業を石仏に対して行ったため、上記の門の向こう、仏様のある場所は全て撮影厳禁になってしまったのだそうです。マジ許さん。

今回方丈にこの石仏群を描いた大きな五百羅漢図が掛けてありまして、そこには今見られる仏様より全然多く、たくさんのエリアが描かれてました。さながら仏様たちのテーマパーク。
今目立つのは出山、説法、十八羅漢、涅槃、賽の河原…ですが、お軸に描かれていたのに今は失われているものとして二十五菩薩来迎、摩耶夫人飛来なども。
きっと素敵だっただろうに。


すっきり晴れ渡りまた猛暑日だった午前中でしたが、境内には秋の気配が感じられる花もたくさん咲いていました。

授与いただいた御朱印です。

中国には「大處高處着眼」という言葉があるようなので、
それをアレンジした揮毫かな。

「若冲さんと私」のテーマではまだまだ書けるんですが、それはまた別の話。

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