カレン・ザ・トランスポーター 番外編
ここでは登場人物の紹介や世界観の説明などを説明します。
本編はこちらから。
カレン・キューピッチ(ウッドエルフ・55歳(人間換算で約17歳))
主人公。
身長131㎝、体重はシークレット。
山林に集落を作るウッドエルフの少女。
生まれてからずっと野山を駆けて暮らすウッドエルフの中でも突然変異めいた脚力・跳躍力・持久力・心肺能力をスカウトされ、王都ヴァレリアにある「斡旋所」で「運び屋」として働いている。
※シルフによるブースト込みで100mを5秒台。
長距離ならフルマラソンを1時間切るレベル。
故郷の集落に父と母を残し王都の宿屋で一人暮らし。
「自立した大人の女性」を目指しているが貧乏性が隠し切れない。
好きなものは燻製ハムを挟んだ硬めのパン。
嫌いなものはドワーフ。
基本的にツッコミ気質の常識人だが、身長のことを指摘されるとキレる。
「運び屋」
王都ヴァレリアの酒場地下で斡旋されている職業で、基本的には依頼された品物を指定された場所に届けるための配達人のこと。
ただし、この斡旋所で扱う品々は「1000年に一度しか咲かない幻の花を霊峰の頂上に植えてくる」とか「攫われた王女の下着一式を届ける」とか、メタなことをいえばRPGのゲームシステム的なものばかりであり、そのへんは運び屋たちも不思議がってはいるものの、高額な報酬や巧みな言いくるめなどで何となく納得させられているのが現状である。
シャーレ(人間? 19歳?)
上記斡旋所の受付嬢。
美人で明るくスタイル抜群と運び屋男性からの人気は非常に高いが、食事に誘えたレベルの話ですら出てきた試しが無い。
魅力的な笑顔を浮かべながらドギツイ依頼を提示してくることもあり、中には「だがそれがいい」という境地に達した運び屋もいる。
上司にあたる人物が存在しているようだが、運び屋たちが顔を合わせることはないという。
「物語中の通貨について」
銅貨=現代日本でいう100円に相当。これより小さい額のやりとりは基本
的に物々交換などになる。
銀貨=現代日本でいう1,000円に相当。
金貨=現代日本でいう10,000円に相当。
「社会制度について」(2019.9.3更新)
外見的立憲君主制。王制であり世襲。
とはいえ君主であるヴァレリア王及び過去の王族が権力を乱用するようなことは今のところ見られていない。
「法制度について」(2019.9.3更新)
刑事は「欺かず・奪わず・傷つけず」
民事は「役所(法院)がその都度仲裁する」
というスタイル。
警察権及び検察権は兵営が、司法権は法院が有している。
戸籍は存在しないが、各都市や村々で住人名簿を作成しておくことが義務付けられている。
税制については「農家については収穫量の1/8」「商家については月の売り上げの1/10」を納めるよう定められているが、税務署的な組織は存在せず、ほぼ10割に近い国民が納税額を誤魔化している。
流石にあまりに露骨だと衛兵がおじゃましますすることになるが。
「本世界の文化・技術等について」(2019.9.3更新)
1.魔法のありかた
この世界では万物に「精霊」と呼ばれる超常存在が宿るとされており、細かな違いはあれ、魔法とはその「精霊にはたらきかける」ことで発動させるものだと考えられている。
「はたらきかける」方法は術者によって様々であり、ある者が目の前の敵を真空の刃で切り刻みたいと欲した場合は「あ、そこ行く風の精霊さん、ちょっと話を聞いてもらえませんか、いや時間は取らせませんよ、あいつ、私の目の前のあいつです。ちょっとあいつに襲い掛かって全身をズバズバっとやっていただくわけにはいきませんでしょうかねぇ?」と精霊に語り掛けるわけだ。
魔法を志すものはこの「語り掛け」を「詠唱」と呼ぶ義務があるとかなんとか。
術者が熟練になればなるほど、語り掛けは短く単純に、それでいてきちんと真意が伝わるものになっていく。
魔術師ギルドのマスター位階にもなれば、目線だけで火の矢が出現し相手に飛んでいくような芸当も可能になる。
こういった性質上、「魔法を長期間、あるいは恒常的に発動させる」のは非常に難しい技術となっており、いわゆるマジックアイテムというのはとんでもなく高価なものとなっている。
2.食文化
飲み水については川や湖、果ては海などから取得した水分を魔法によって浄化して飲料水や生活用水にしている。
各地域の貯水場に専門の魔術師がおり、日に数回の割合で定期的に浄化しているため、常に綺麗な真水が市民に供給されている。
大きな都市では地下水路と井戸が整備されているところもある。
浄化=完全な真水に変化させる、であり毒殺防止などにも使われている。
ある程度の大きさになってしまった生物までは除去できない。
氷は自然のものを用いるか、魔法を使って製氷するかである。
天然氷は運搬や保存に手間がかかるため、魔法を使って水を凍らせただけのものより高価である。
一般家庭では製氷や保存はほとんどおこなわれておらず、飲食店などでは地下に専用の部屋を用意したり、魔術師ギルドから専用の保管ボックスをレンタル(1か月金貨10枚=10万円程度)して提供している。
農業については魔法を有効活用する手段が確立されておらず、常に豊作などということはありえないが、各農家でそれぞれに工夫している部分はある(小さな使い魔を用いて害虫を駆除するなど)
なお農薬の概念はないが「ハッカの臭いで虫が寄ってこなくなる」などの生活上の知恵はある。
穀物は小麦とトウモロコシが主体で、家畜用の大麦、砂糖を得るためのとうきび、様々な種類の豆類などが各地で作られており、一部の地域のみ米作がおこなわれている。
主食はほとんどの地域でパン。微生物の存在は知られていないが発酵や製粉の技術は18世紀くらいの水準にあり、ホワイトブレッドやバゲットのようなパンが主に作られている。前者はちょっとだけ高級品。
トウモロコシはこねて伸ばし、今でいうピザ生地のような状態にして、好きなものを乗せて石窯で焼いて食べるのが一般的。
もちろん焼きモロコシのようなものもあるが、文化的な食べ方とはあまり思われていない(現代だと大根をそのまま齧るくらいのワイルド扱い)
だが主人公はウッドエルフであり「塩を振ってから焼いただけのトウモロコシ」が大好きなもよう。
豆はペーストにしてパンに塗ったり、炒ったり茹でたりしてそのまま食べたり、ソースにしたりする。
この世界のソースはほとんどが豆を絞って液体にしたものであり、豆の数だけ、いや、ブレンドを含めるとそれこそ星の数だけソースがある。
野菜はレタス、キャベツ、トマト、じゃがいもなどが主体。
唐辛子や胡椒などの香辛料は一般的であり高級なものではない。
果物はリンゴ、オレンジ、レモン、メロン、イチゴ、パイナップル、ブドウ、桃など。
ブドウはほとんどがワインに加工される。種なしとかそういうのはない。
パイナップルは南の一部地域でしか収穫されない高級品。
メロンは栽培が難しく、1玉金貨20枚=20万円程度という超高級品。
畜産は毛を刈るための牧羊と乳を得るための乳牛、そして卵を得るための養鶏くらいで、食肉については狩人が獲ってきたものを肉屋が買い取って店頭に並べるシステム(モンスターのものが大半だが、食べられるものとそうでないものは周知が進んでいる上、解毒の魔法もあるため衛生面での不安はそれほど高くはない)
誰もが初めて目にするモンスターを狩猟した際は、食肉にすることなく王都の研究所に送るようお触れが出ているが、地方都市などでは度胸試しの道具に使われ、数年に1人くらい猛毒の部位を食べてしまい生死の境を彷徨ったり、彷徨ったまま帰ってこない者が現れる。数年に1人なので大した問題にはなっていない。
※モンスターの肉の中にはいわゆるA5和牛を超えるような味わいのものもあり、度胸試しがおこなわれるのも仕方ない部分がある。
牛や馬は農耕用の家畜として認識されている。
ただし食べないというわけでもないので、死んだら食べたりするし野生のものが店頭に並んだりする。
各地の川、湖、海などで漁業が行われている。
釣りや投網によるもので、養殖の概念はないが資源保持のために稚魚の放流などもされている。
魚の食べ方は大抵丸焼きであとは好きなソースをかけて食べる。
ちょっと洒落た店やこだわりのあるシェフならきちんと3枚に卸したり。
カニ、エビ、タコ、イカなどを食べることに抵抗はない。
「獲れたものはとりあえず食ってみる」文化だからだ。
だが「丸くて膨らむ魚は危険」なのは子供でも知っている知識だ。
食器は殆どが陶磁器であり、一部の富裕層が銀製のものを使用。
フォークやナイフは銅や鉄製、箸は米作の行われているごく一部の地域でのみ浸透している。
3.規格
作中ではわかりやすいようにメートル法、グラム法で統一。
長さ、重さの単位は統一されたものが使用されているが、主人公のような森の集落に住んでいるウッドエルフなどには全く浸透していない。
4.採鉱、精製など
各地に鉱山が存在し、鉄、銀、銅、石炭、宝石、そして魔法の鉱石であるミスリルが採取できる。
鉱夫がつるはしを振るう方式だが、レールを敷設しトロッコを走らせる程度の技術はあり、極稀にではあるが魔法による発破なども試みられている。
ミスリルは非常に希少で、剣1本を丸ごと作ろうものなら材料費だけで金貨が1000枚は吹っ飛ぶと言われている。
5.経済
前記のとおり金貨、銀貨、銅貨が鋳造、流通しており、貨幣による自由経済が浸透しているが、物々交換も頻繁に行われている。
貸金業は存在するが銀行制度は無い。
インフレやデフレといった用語は存在しないが概念はある。
本作で斧の泉が封印されることになったのもこのため。
【当記事は適宜更新されます】