キョロ目

奇跡は決して特別ではない

派手で信じられないことに引きつけられてしまう

みんな、奇跡が好きだな~と思う。不思議なことや、霊能力や、幽霊や生まれ変わりやツインソウルや、都市伝説や宇宙人や、みんな結構好きだ。アンチの人も、関心があるから反応しているだけだ。もちろん、不思議な話の中には、私も実感として本当だと思うこともあるし、証明できないけれどそれは真実だろうと考えていることもある。でも、みんな真実を通り過ぎてなぜか行き過ぎちゃう。

どうして奇跡を求めてしまうのかというと、そうした目に見えないことがなかなか証明できないということが関係しているのだろうと思う。「ほんとかな?」と二度見三度見してしまうようなことだからこそ、実体験となる奇跡や、当たる霊能力や、記録できる霊のいたずらなんかに強力に引きつけられるのだろう。

不思議なことそのものにこだわると流れは止まる

でも、みんなそこに引きつけられて、そこで止まっている。

前世を信じている人は毎回会う度に「こんな前世が分かった」「だから私は○○なんだと思う」と話をするし、占いで恋人がソウルメイトだと言われたという人は「彼はまだその時じゃないと思っているけど、私たちはつながっているから…」とかなり長い期間繰り返す。

それでいいのならいいけど、そこでは何も生まれないことに気がつけば、また展開があるのに、いいの? と思う。だって、信じていることが本当にあったことなのか確かめようもない。だいたい、私たちが認識している世界は幻想なのだ。前世もソウルメイトも、心霊も、全部幻想の中の話だ。そこにこだわっても、「今が思い通りに行かない」現実があるだけで、あなたはいつまでも愛を使わないし、不足感に注目してさらに「不足している」と苦しむことになる。

奇跡に直面すると、その稀に起こる信じられないことに出会ったことにこだわる。そこで刺激されるのは《特別性》だ。それがどんなに特別なことなのかを感じて、みんなに証明したくなる。この場合も、そこにとどまる限り、また何も生まれない。また特別なことが起こらないかと期待してそれを探し、大騒ぎしたりする。

特別性の傷

奇跡を体験しても、あなたの特別性とは関係ない。前世がどうであっても、あなたの特別性とは関係ないし、魂のつながりが誰とあっても、霊が見えても、超能力があっても、全然関係ないと断言できる。

あなたが本当に特別だと感じたいなら、この世界から意識を解き放たないといけない。この世界の中であなたがいくら特別だと言っても、あなたは特別にはならない。でも、この幻想を見ている実体としてのあなたは、唯一で絶対的で途方もなく特別な存在だ。その最も大切なことを抜きにして、幻想の中身にこだわっている姿を本当に認識したら、きっと自分の姿が滑稽に感じるだろう。

こんな夢の中で、ちょっと不思議なことを目撃したからと言って、大騒ぎしなくてもいいのだ。本当に特別なあなたが、そんな些細な夢を見ているだけなのだから。

兆候としての奇跡

奇跡はただの兆候だ。私たちが、この世界が幻想だと本当に分かっていたら、概念的におかしなことに直面しても別に特別なことじゃないと分かる。だって、夢はなんでもありだ。おかしなことが起こるようにもできるし、起こらない設定の幻想もある(起こらない設定の幻想を生きている人は、万が一、直面しても、それを意地でも信じたりしない)。夢は変幻自在だ。筋道がどうもおかしい夢だってあるし、そもそも設定がへんてこりんな夢をあなただって見たことがあるだろう。寝ている時に見る夢と世界のように見える幻想は同じなのだ。

世界は「私たちが変わると、そうした目に見えないサインや奇跡や不思議な体験をさせてくれるのだ」と長年思ってきたけれど、どうやら違うみたいだ。世界はなんでもありで、私たちが見たいように見えるし、疑いなく信じたら、それが出現するようになっている。《幻想》の性質からして、それが可能だし、「信じる」レベルを超えて、「知っている」レベルで世界を見るようになったら、その兆候の出現の頻度は増え、「おお、また来たな」くらいな感じで受け止めていく。

愛の道順を進むために、奇跡を使う

だから、大騒ぎしなくてもいい。そこに引っかかる必要も、そこにとどまる必要もないし、世界の人みんなに「ある」と言わせなくてもいい。あなたがちゃんと歩んでいることを確認するのに使おう。雷光がやってきたのは、その光に注目させてあなたの足を止めるためではないのだ。あなたの道を照らして、あなたが道をさらに辿りやすくするためだ。だから、あなたは雷に注目して空を見上げるのではなくて、道を見るために足下を見なければならない。

自己証明に奇跡を使わないフラットな立場の人と面白かった話として分かち合って確認を深めることは役に立つ。大いなる流れに、神様に「うん、それでいいよ」と頷いてもらったことを喜んで、自分の力に変えるのだ。

あなたがまた、自分の愛を使えるように、奇跡は存在する。


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