-予告篇と本編比較シリーズ-『シャッターアイランド』
映画の予告篇を見るとどんなイメージ持つのだろう、本編見ると印象変わるんだろうか、そもそも予告篇は何を目指しているのだろう。予告と本編って別作品だよなって思う人も多いと思います。僕も映画知識は少ないですが、一観客として心理的によく思います。そんな疑問を持った先ほどに感化されてはじめました。予告篇だけ見た印象、感想、そして本編を見た後のイメージの変化や映画評論など、2段階に分けて書いていきたいと思います!!
シャッターアイランド
2009年日本公開の主演レオナルド・ディカプリオ、監督マーティン・スコセッシ監督の作品です。あらすじを簡単に説明すると、精神を病んだ犯罪者を収容する島「シャッター・アイランド」から一人の女が姿を消した。事件の捜査に訪れた連邦捜査官テディがたどり着く驚愕の事実とは??(Amazon prime video参考)
予告篇を観て
まず印象深いのが「沈黙」。アンダースコアリング(観客のみに聴かせる音楽)を全く用いずに現場の俳優さんの会話のみで成立させているため、非常に気味の悪い印象を抱く。また、雰囲気が茶系で統一されていてかつ、西洋の広いお城の中の広い部屋でポツンと始まるのでより気味が悪い印象を持つ。
次にカメラワークがぐるぐるしてる。つまり、カットを増やすのではなくカメラを回すこと、またクローズショットの多さでテンポが悪くなっている。ゆえに長く時間を感じるので不安定さを覚える。中盤で出てくる絵の印象がものすごい。絵のアップを写しその後のリアクションショットでの沈黙がヒヤヒヤする。最後終わり方もぎこちなさすぎて不安定
予告篇では上記の内容説明もしっかりされているのでどんな内容が進んでいくのかのおおよそのストーリーは理解できた。しかしその進め方があまりにも不気味なのでホラーサスペンス的に進んでいくのかなと感じた。じゃあ観ていこうと思う!!
本編みての比較
大きくストーリーが予想と異なり驚愕した!大まかの不気味なホラーサスペンスという印象は同じなのだが、本編では予告からは感じ取りにくい悲劇の要素を多分に取り入れておりそこで感情を大きく揺さぶられた。
まず「沈黙」から比較していく。「沈黙」は本編においても不気味さ、静けさ、緊張感を表現するため非常に多く用いられていた。また、所々では反対に低い大きな音楽をこれでもかと使うシーンも存在し、強い対比がより緊張感をましていた。映画時間も長めではあるがこの緊張感がより長く感じさせているのではないだろうか。
次に、カメラワークや演出だ。カメラを動かしながらの一点撮影は、マックスフォンシドー演じるジェレミア・ナーリング医師の登場シーンや幻覚の中でのレディスの登場シーンがで用いられた。しかし注目すべきは、そのシーンが同じで繰り返されている点だ。他にも雷が鳴るたびに白い彫刻が映し出されたり、印象的なのが上から物が降ってくるモチーフだ。これは彼がトラウマとして抱えている映像を象徴していたのではないかと思う。自殺に失敗したナチ兵を見過ごすとき(紙)、幻想内で妻ドロレスと抱き合うとき(黒い灰?)、ドイツで大量の死体の山をみるとき(雪)などのシーンで用いられたが、全て彼の傷(トラウマの語源)に関連している。
全体的に予告では映画の印象を与えたという意味では成功しているのではないかと思う。沈黙が雰囲気を作り出し、彼らの服装がどこかミステリアスで不気味な印象を観客に与え、何か違和感を与えようとしている(普通は気づかない)。とにかく、予告を見ることでモチベーションが上がり、集中力も上がるため通常より感情移入してみることができる。筆者はしすぎて、灯台での暴露シーンでも途中まで院長が彼を無理やり精神疾患にしようとしているから騙されるなと思っていた。冒頭の船のシーンを信じすぎてしまった。楽しいのでぜひ!それではまた!!アディオス、チャオ、ザイチェン、バイバイ。
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