差別の味
俺が小学生の頃
近所に同い年の武田(仮名)ってやつがいて
そいつん家の母ちゃんは韓国人だったわけ
それで周りの連中は
「あいつの母ちゃん韓国人らしいよ」
とかヒソヒソやってて
俺もその話の輪にはいたけど
いまいちピンときてなかったんよ
それで、ある日
武田と放課後に遊ぶ事になって
武田家にお邪魔して漫画読んでたんよね
ツバサ クロニクルだったかな
内容は全然覚えてないんやけど
門限に近いづいてきたし帰るかーって
階段降りて玄関行ったら
武田の母ちゃんが声かけてきて
「辛いの大丈夫?これ持って帰り」
って自家製のキムチをお土産にくれたんよね
ありがとー!おじゃましましたー!
って辛い食べ物が大好きな俺は
ウキウキで帰って
さっそくその日の晩メシで食べたんよね
そしたらさ
それが美味いのなんのって
いまだに武田家のを超えるキムチに
出会ったことはないんやけどさ
とにかくめちゃくちゃ美味かったんよ
それでその時思ったのね
「武田せっこー!これ毎日食えるんかよ」って
今思えば、ヒソヒソ韓国人は
身近にあった差別やったわけで
実際に武田も嫌な思いはしたんやろうな
けどさ
めちゃうまキムチ作れる母ちゃんは
最高やん?
最強の個性よな
つまりキムチを作るのが当たり前な文化で
そこをルーツにもうひと工夫いれて
より日本人に合った味付けで
寄り添ってくれてるわけやろ?
それであんまり知らん他所のガキに
お土産持たして帰らしてくれたわけやん
そんな素敵な母ちゃんいねーやん
なんてことをふと思い出して
殴り書きしただけです
まじでせこいよな武田
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