委ねること
先日京焼き物の先生宅にお呼ばれして
食事する機会がありました。
美味しい日本酒と
筍づくしのお料理をご馳走になり
本当に和やかに素敵な時間を過ごすことができました。
食事会の最中、
おもむろに
先生の口から飛び出た言葉が印象的でした。
「考えてしまうと良い作品ができないんだよね」と。
考えずに、
委ねて作るものが
作品として納得があるとのことでした。
それを聞いて、
思わず「はっ」とさせられました。
なぜなら、
「考えないで感じること」
「自然に委ねること」
ということを
学んだばかりでしたので
驚きを隠せなかったです。
まさにシンクロでした。
思考すると
やっぱりどこかで力んでしまったり、
迷ってしまったり、
考えている世界で作り上げようとするものですから
限界があります。
顕在意識という領域ですね。
その能力は全体の数%程度と言われているので
わずか数%の世界で作り上げようとしているもの。
一方、
委ねることとは
潜在意識の領域。
顕在意識の数%以外を占めているから
90数%の領域。
その世界観で作り上げているものですから
でき上がりはコトバにできないくらいの作品力を
持つのも想像できます。
先生の最新の図録も拝見して
これまでのアーカイブスを一緒に観させていただきました。
処女作から最新作まで
何十年の歴史を振り返りながら
当時の技法や考えていたことなど
楽しそうに話をしてくれました。
守破離という言葉がありますが
初めは見よう見真似で技術を磨く。
その後、
影響受けた作風を参考にオリジナリティを追求する。
色々繰り返して
ようやくして納得のいく技法を身につけていったとのこと。
それはある意味で、
自然に「委ねること」ができるようになった
変遷とも言えるのかもしれません。
そして
さらに感心させられたのは
先生自身は
まだまだ追求したいという気持ちはご顕在で
新たなチャレンジもしていくとのことでした。
どんどん湧き出るものを
確信しておられるんだなと感じました。
委ねることができると
その人らしさがどんどん沸き出されてくる。
そのことを強烈に感じさせる時間でした。
今日もお読みいただきありがとうございました。