1月26日
共和国記念日だった。
朝7時半に寮母の声のバカでかいアナウンスが流れて、寝るに眠れなくなった。9時から独立記念日と同じ国旗掲揚式があると事前に通告されてはいたが、それにしても無駄に早起きだった。
そして予想はしていたが、式典の開始は30分近く遅れ、それに伴って朝食もしばらくお預けを食らった。昨日は遠慮してそれほど食べられなかったので、お腹が空いていた。
ようやく始まった国旗掲揚式は本当に簡素なものだったし、他の寮生たちも独立記念日の時みたいな盛り上がりはなかった。
朝から油たっぷりのプーリーが出た上に、甘すぎるラッドゥーと辛すぎるカチョーリーのオマケもついてきた。朝から食べすぎた。
その後はYouTubeでインド門で行われた記念パレードの生配信を流しながら作業していた。
本当は友人らと現地に観に行くかと話していたが、昨夜の時点でチケットは全て売り切れていたし、無闇に人混みに行くのも、ということでやめになった。
流し見だったけど、ふとした瞬間の画面の情報量の多さにスクショが止まらなかった。
まず、マーチングのクオリティの高さに感動した。本当に上手い行進って全員の顔がはっきり見えるんだな。東京事変の『ただならぬ関係』のMVを思い出すくらい、コピペしたみたいに同じ顔が一直線上に同じ方向を向いていて、怖いくらいだった。
しかもそれをラクダに乗りながらやってのけるからすごかった。ラージャスターンでラクダ乗ったけど、両手なしで乗るだけでかなりスリリング。それを楽器吹いて、って本当に意味がわからない。
その後は各州の伝統芸能や観光名所をデフォルメしたゴンドラのようなものが続いた。その脇でカラフルな衣装に身を包んだダンサーが踊る。旅行の記憶も相まって、観ていてとても楽しかった。
そしてバイクを使ったアクロバティックなショーが続く。期待以上の超絶技巧に笑いが止まらない。日頃よく見かける、巨大パネルを持ってバイクに乗るおじさんの延長線上にこれがあるのかもしれない。
最後の飛行機のショーは、霧と大気汚染が濃すぎて事前収録の映像が放映された。
なんというか、今のインドをギュッと詰め込んだショーだった。
迫力満点の行進を見ているとこの国にはこれだけ軍事力があるのだなと思うけど、でもその軍人が曲芸師みたいなことばっかりしてるから気が抜けてしまう。
インドすごいだろ！というアピールが、外国人ではなく国民に向いているのも、オリンピック開会式ばりの規模で行われてるのもすごい。
あと、女性の社会進出がテーマとして強く押し出されているのも、インドが国としての転換点にあることを再確認させられた。
語弊があるが、日本って今のインドに勝ち目なくね？と思った。それでもモーディー首相の背後に馬糞映ったりしてたけど。
その後は友人と再集合して、餅パーティーした。
お汁粉と磯部餅を作って、寮の庭でピクニックした。部屋の外の方が陽が当たって暖かい。
途中で小さなお客様がいらした。寮の職員のお子さんらしく、叔父さんに面倒を見てもらっていた。
叔父さんは気まぐれに彼女を私たちの元に置いていき、どこかに消えた。適当すぎる。しばらく我々の周りを這っていたが、手当たり次第に芝生やら花やらを口に入れようとするのでよそ見できない。
戻ってきたおじさんに頼まれ、友人がとんがりコーンを砕いて渡したが、11ヶ月の赤ん坊に食べさせてよいものなのか？インド人の強靭な胃腸はこういった英才教育からできているのかもしれない。
妹と弟がいるけど、子供はあまり得意ではないことに気づいた。何を考えているのかわからない赤ちゃんは可愛いと同時に少し不気味だった。いや、可愛かったけど。
夕方はATMにお金を下ろしに行った。
結局日本のデビットカードは使えなかったけど、そこにいたおじさんと雑談できた。銀行員の奴らは休みばかりで月に数回しか来ねぇけど、俺は毎日12時間も働いてるんだ、と。なんだか悲しくなった。
その後は少しその周辺を彷徨いていた。"सामान्य हिंदी" というよくあるヒンディー語の参考書らしきものも見つけたが、1ページ読むのに1日かかりそうだったので買わなかった。テスト前に何を勉強すべきかさっぱりわからないのでまた見かけたら買おうかな。
あと Cleanser を買った。日本だとクレンジングオイルを入浴前に使っていたが、インドではそういうものを見かけない。Face Wash との違い、使い分けがよくわからない。
夜ごはんは毎度恒例1人分のピザとゲロ甘チョコケーキ、コーラを配布する形式だった。
友人らとそれを食べながら、長いこと色々な話をした。今日は合計何時間話しただろう。トークテーマはいつも同じだけど、何時間も結論のない話をするのも必要な時間に思えてくる。
今日はあまり勉強できなかったので、明日は展示会に向けて少し調べ物をしたり、試験勉強したりに時間を使おうと思う。できるかな。
♪ Undercurrent #2 / Khaki
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