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3月24日

午前中は暇だったのでデリーのどこかを観光しようと思っていたのだが、案の定二度寝して次に起きた時には昼だった。
しかし諦めきれなかったので、昼食を済ませ、大慌てでクトゥブ・ミーナールを見に行くことにした。後の予定が詰まっているのでのんびり見ることはできないけれど、世界遺産なら流石に見て損はないはず。
『地球の歩き方』を見て駅からリクシャーに乗るか迷ったが、ケチって歩き始めた。
すると雨が降り始めた。おまけに交通量が多くて道路の反対側に渡るのに異常に時間がかかった。全くツイてない。
イライラしながら歩いていたらもう例の尖塔が見え始めた。入場せずに帰ってやろうかと思ったが、引き返すのも面倒で入ることにした。

大ネタバレ

事前にわかっていたが、インド人の10倍以上の額600ルピーの入場料を払わなければならず、腹が立った。FRROの証明書を見せる、マニプール人だと言い張る、などの手もあったが、寝坊したせいで失敗して並び直す時間がなかった。こうしてインドにお金を落としている分、いつかご利益があったりしないだろうか。
列に割り込んでくるインド人のおばさんに睨みを効かせ、あちこちから聞こえてくる日本人観光客の会話を盗み聞きしながら入場。
ツアー客らしき欧米人も多かった。ホーリーで顔面がピンクに染まっているおじさんとツーショットを撮っていた。

そして早速ご対面。
うーん、デカいけど、言うほどではなくないか?と最初はがっかりした感が拭えなかった。
しかし近づくにつれて、その表面になされた彫刻の細かさに感動した。当たり前だが、ただデカいだけではない。どの面から見てもアラビア語のカリグラフィーが美しく彫り込まれている。
入場した辺りから太陽が出始めたので、デリーらしくない、雨上がりのジメジメとした天気の中、1人寂しく遺跡内を見て回った。解説とかも読まずただ写真を撮るだけなら、1時間の短い滞在でも十分だった。
ただ、これからケーララ一人旅をするというのに、観光先で感動を分かち合える人間がいないことがかなり虚しいことのような気がして、不安になった。人に自慢するために旅行するなんて馬鹿げているが、自分に欠片もそういう承認欲求がないとは断言できない。恥ずかしいことだ。

写真下手くそすぎでは
下から見上げてみたの図
お墓ですか?これは
こういう柱一本ずつにも彫刻されている

一通り見て回ったあとは、Uber でバイクを呼んで Saket の駅に行った。
友人は帰国、私はインターンで Diploma in Hindi 組が解散になるので、コーヒーでも飲みながら話そうという会だった。
相変わらず私は英語に拒否反応を起こし、お姉さんがせっかく話を振ってくれても広げられず、途中からは友人と2人で話すのを傍観しているだけだった。悔しかったけど、話そうとした途端なんの単語も思い浮かばなくなる。こんなので南インドに行っていいのだろうか。
話の内容は最後までヒンディー語の授業からプライベートの話まで大体インドに対するディスだったが、お姉さんはそれでも「フィンランドはつまらない」「インドで暮らしたい」と言っていた。

愛のあるいじりというか、ツンデレというか、文句を言いつつなんだかんだ嫌いにはなりきれない、そういう気持ちはわかる気がする。
そこを母国として愛する人の顰蹙は買うだろうけど、インドで生活している外国人って大抵そうなんじゃないだろうか。そんなことを勝手に決めつけるのも失礼か。
これはまた別で書こうと思うが、「留学」を終えて思ったのは、デリーと東京はかなり違うけど、全く違うというわけではないということである。どちらにも良いところと悪いところがあり、好むと好まざるとに関わらず、そこで生活は続いていく。
悪い想像ばかりしていたのもあるけれど、思うほどデリーでのカルチャー・ショックは大きなものではなかった。

結局思うように話せないまま、次の約束の時間になってしまった。
駅でお姉さんたちと最後のお別れをし、別の2人の友人と待ち合わせ。ホーリーの間お邪魔するお宅に向かった。
駅からリクシャーまでの道を半ケツ状態で10分以上揺られ、そこからさらにリクシャーも通れないような細い路地をグネグネと曲がり続けて、ようやく到着。ディーワーリー以来2回目だが、道を覚えられそうにない。彼女のお母さんが温かく出迎えてくれた。
そして以前と同様、見たことのないいろんな種類のお菓子をいただき、テレビを見て、話して、夜ごはんを鱈腹食べさせてもらった。
心なしかヒンディー語の話す・聞く能力の成長を感じて少し嬉しかったが、まだまだ通常のスピードの会話は半分ほどの理解で止まる。

招いてくれた彼女は韓国ドラマが好きらしく、友人とその話で盛り上がっていた。その他ボリウッドのインド人俳優の話にもなり、この人はこういう噂があるからダメ、みたいなことを教えてくれて面白かった。早くにして事故か事件かわからないまま亡くなる女優さんが多い、というのに闇を感じたけれど。
お母さんは、食前食後はどんな飲み物を飲むべきか、とか、どんな風に私たちのご飯を用意してくれたのか、とか、色々話してくれた。
食後のエクササイズと言って、猫の伸びみたいなポーズも披露してくれた。上からも下からもガスが出るとか、恥ずかしげもなく直接的な言い方をするので面白かった。
明日はホーリー騒ぎが酷くなる前にお寺に行こうということで5時起きなのだが、なんとなく消化し始めた日記が全く書き終わらずもうすぐ3時になる。このまま起きていようか迷うけど、とりあえずこの日記はここで終わりにする。

カシューナッツのナムキーンが美味しかった
ごはんにも何か混ざっていて美味しかった

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