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1月18日

昨日の夜もやはり眠れず、4時までYouTubeを見ていた。
スーツ旅行チャンネルの、アメリカにあるディズニーワールドのvlog。全体でほぼ4時間にわたる超大作だったが、全く見飽きることはなかった。
教養の重要性を身に沁みて感じた。何事も面白がるためには知識が必要だ。鉄道のオタク的雑学に留まらず、地歴公民、英語力までもがユーモアの源泉にあった。
見る前は「夢の国」と呼ばれるディズニーと彼の親和性を全く感じていなかったが、ウォルト・ディズニーの変態的なまでのこだわりを拾いこぼさず味わえるのは彼くらいの知識人だけなのかもしれないと考えを改めた。
東京のディズニーリゾートとは違い、アメリカのディズニーワールドは夢ではなくむしろ現実の方を教育的に見せつけているという結論が非常に興味深かった。

そんなことはどうでもよくて、8時に起きた。
ものすごく眠かったが、気力を振り絞ってコーヒーと精神が安定するという怪しいサプリを飲み、学校に急いだ。
東アジア学部の授業はなかった。
遅刻すると思って走ってきたのに学生は半分もおらず、談笑しながら1時間ほど教室の前で待ったが先生は来なかった。
せっかくだしということで、学校に来たメンツで Majnu Ka Tilla に行くことにした。13時からヒンディー語の授業がある予定だが、友人の問いかけに対して先生方は既読無視していたのでサボる気満々だった。

韓国料理は苦手だという人も多く、キンパを食べられるかもしれないという私の淡い期待は見事に消え去った。
代わりに入ったチベット料理屋で、ちょっとした指遊びを教えてもらった。
"चिड़िया उड़ना"という名前のゲーム。"चिड़िया" が「小鳥」"उड़ना" が「飛ぶ」の意。
まず全員机の上に人差し指を置く。そして1人の "〇〇 उड़ना" という掛け声に合わせて、〇〇の中が飛べるものだった場合指を上げる。飛ばないものだったら上げてはいけない。上げたら罰ゲームで手の平を強めにビンタ。
もちろんこのゲーム、私には不利だった。〇〇に入るのは英語かヒンディー語なので、脳内で瞬時に翻訳しなくてはいけない。そしてそこまで鳥の名前を覚えているわけではないので、当然わからない単語が大半になる。
案の定何度かビンタされる羽目になったが、तोता(parrot) とか कबूतर(pegion) とか分かる単語も増えていて安心した。こういうゲームとか絶対教科書には載ってないから面白かった。

मैना(ムクドリ)が予想外にメジャーな鳥だった

チベット料理屋に来たはいいもののお腹が空いていなかったのでチーズケーキを食べた。そんなに美味しくなかった。分けてもらったチベット風のパンは肉まんの皮みたいでめっちゃ美味しかった。あとは全部辛すぎた。
その後は1人がお気に入りのダウンを探しに行ってるのをずっと待っていたくらいで、13時になってしまった。
それとなく14時には学校に戻りたいと言っていたつもりだったのだが、伝わっていなかったようだった。2軒目のカフェに到着してそろそろ注文、という時に強制的にお開きにさせるというKYムーブをかましてしまったのは反省している。それっぽっちの会話もいまだに噛み合わないと思うとかなり焦る。

授業はキャンセルされたものの、試験日程はそろそろ確定させたかったし返信がなかったことに対して文句も言いたかったので、14時に友人と大学で待ち合わせていた。
すると友人が来る前に2限目の先生から話しかけられ、今日はずっと試験監督で忙しいけど途中戻ってきて教えてやれないこともない、授業やるか?と尋ねられた。
なぜこちらが決めることになっているのかもわからないし、どうせ教えると言っても課題を出して放置されるので、後から来た友人と相談して受けないと言った。
オフィスで試験について尋ねると、3月の最終週にやるとはっきり言われた。何回もホーリーで大学自体が休校になる旨を伝えたが、それでもその週にやるとのことだった。
なんとなく嫌な予感がしたけど、おじさんの言うことを信じて帰ることにした。

寮母に食費を急かされていたのを思い出し、友人と別れ大学内の銀行に向かった。
ついでに口座に入金しようと思っていたが、またいつものお兄さんに断られた。
どうやら私の留学生用の口座には他の口座からの送金によってしか入金できないらしい。そういえばそんなこと開設時に言われた気がするけど、本当にめんどくさい。
しかもWhatsAppグループに4限目の先生から今更「お前らどこだ?授業しに来たぞ」とメッセージが来た。
ついカッとなって「返事がないからないと思いました、見たならYES/NOだけでも返信してください」と返信したら、「ない時以外はわざわざ返信しないよ」と来た。これで完全にピキッてしまった。

既読や返信の有無でヒステリックを起こすなんて、メンヘラ彼女でもあるまいしやりたくないのだが、ついつい反抗的な言葉を吐いてしまった。
郷に入っては郷に従えというが、インド人の時間感覚に合わせる気は全くしない。自分の時間が奪われるというのが個人的には一番のストレスであると強く実感した。
私絶対インド人と仕事できない。自分だって人を待たせてばかりいるけど、自分が待つのは我慢ならないのだ。我ながらなかなかどうしようもない。
しかも面と向かって言う勇気も実力もないから、ネチネチと相手に罪悪感を植え付けようとムキになっている自分もいて最悪だった。私はどこまでも陰湿で卑怯な人間だ。
変に自分の矮小さを自覚させられたばかりでなく、先生に喧嘩を売ってしまいじわじわと後悔している。後で見返したら文法だいぶめちゃくちゃだったし。情緒不安定なときにテキストで長文お気持ち表明する悪癖、今すぐ絶たなければならない。

関係ないけど、私の好きなバンド・CHAIが解散した。
大抵の人はその歌詞のキャッチーさや癖のあるボーカルとかを安直に批判して終わってしまうけど、サウンドがアルバムにパンクだとかファンクだとかをつけるくらいにはゴリゴリで、世間に媚びないで好きな音楽を貫く強かさがカッコよかった。最新アルバムの音作りはまた進化していて、それはそれで隠しきれないギラギラした野心がカッコよかった。
容姿叩きで荒れたMVのコメント欄が封鎖されたり、フェスでグッズ整理券とったら私しか並んでなくて係員に笑われたり、そういうことばっかり思い出してしまう。もっと日本でもちゃんと評価されればいいのに、とずっと思ってたけど、それは海外志向の彼女らからしたら余計なお世話だったかもしれない。
ラジオで一曲聴いたあの日からずっと憧れのバンドだったから、なんだか寂しい。もっとライブ行きたかったな。
今までは解散したバンドを好きになって悲しくなることが多かったけど、これからは好きになったバンドが解散するのを見ることの方が多いかもしれないと思ったら、急に悲しくなってきた。推しは推せるうちに推せ、ってこういうことかもしれない。

♪ ファッショニスタ / CHAI

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