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1月27日

特に何もしなかった。
こういう日は何をしてもダメで、温かい紅茶を飲んでも、好きな音楽を聴いても、なぜだか気分が落ち込んでくる。
何かしようと思うほど何もできなくて、何もできない自分をまた責めて、永遠にこれを繰り返して一生終わるんだろうか。
無駄なことは気にせず勉強すればいいだけなのに、それも手につかないで夜になってしまった。

夜ごはんの時間あたりに、寮の子から来月のイベントに関しての話で呼び出しを食らった。
一緒に出演する友人は旅行中でいないので、私1人で話さないといけない。
私が言われた場所に来た途端、スッと場の空気が冷めるのがわかった。
代表の子が話す内容は至って単純なはずなのに、肝心な日付とか質問内容がするりと通り過ぎていく。何回も聞き直すと「もういいよ」と言われ、諦められる。質問しようと思っても、喉につっかえた言葉が出てこない。
留学生向けの寮なので、私みたいに英語が聞き取れない、話せない人間はいない。ずっと吃っている私はさぞかし気持ち悪いのだろう。嘲笑や軽蔑の眼差しを勝手に感じ取って、自分の不甲斐なさに涙が出てくる。

そんな時に日本語を勉強している皆から連絡が来る。
1人は自分で書いた日本語の日記を送ってくれた。今度添削してほしいとのこと。
彼が今知っている文法だけで自然な日記を書くのは難しいのに、ノート2ページ分しっかり埋め尽くされていた。
もう1人は会話の練習のためにとテレビ電話をかけてくれた。
私がヒンディー語が出てこず吃っているせいで、ほとんど日本語で話した。
ヒンディー語を勉強している理由を聞かれた時に色々考えすぎて泣いてしまって、すごく心配された。私は悔しいと言葉より先に涙が出てくる。
恥ずかしかったけど、彼が持ち得る語彙の全てで慰めてくれて、ちょっと救われた。内向的でそれなりに壮絶な過去をもっている彼の言葉だからこそ、変に穿った考え方をせず受け止めることができた。
自分がヒンディー語でそんなことをできるようになるのはいつになるんだろうか。

♪ Be My Words / Helsinki Lambda Club

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