週刊少年AI vol.2 オープンソースのLLaMA 3が熱い!
皆さん、こんにちは。週刊少年AIのチキンです。今回は、メタ(旧Facebook)が開発したオープンソースのAIモデル「LLaMA 3」についてお届けします。
LLaMA 3は、APIベースの有名AIとは一線を画す存在。なぜなら、オープンソースだからです。
さて、ここで改めてオープンソースとAPIの違いについて説明しましょう。わかりやすく言うなら、「持ち家」と「アパート」ぐらい、使い方の自由度が違うんです。
メタが提供したLLaMA 3は、オープンソースの「持ち家」のようなもの。AIの設計図が公開されているので、自由に使えます。部屋の間取りを変えるように、自分でカスタマイズもOK。商用利用だって可能。まるで、自宅をリフォームするようにオリジナルのAIを組み立てられるわけです。ワクワクしますよね。
一方、これまでのChatGPTやClaude、Anthropic社のAIは、APIという「アパート」のような使い方しかできません。カスタマイズは許されず、お金を払って、用意された部屋を使うだけ。便利ではあるものの、不便を感じても我慢するしかない。必要最低限のものは揃っているけれど、自由度は低いんです。
そんな中、LLaMA 3は過去最高のオープンソースモデルとして登場。しかも、大規模すぎて研究者のPCでは動かないなんてレベルじゃなく、自宅のPCでも動くんです。今や、性能面でもAPIに引けを取らない。だったら、自由にカスタマイズできるオープンソースで十分じゃない? そう思わせるほどの存在感なんですよね。
これまでは、どのAPIを使えば性能が良いかという話ばかりでした。要するに、どのアパートに住めばいいのかという話。でも今、オープンソースの「持ち家」の選択肢が魅力的になってきている。AIをめぐる戦略が変わろうとしているんです。私は、これはとても興味深い変化だと思います。
技術者たちは、LLaMA 3の高性能ぶりに沸き立っています。自宅のPCでも動く上、オリジナルAIの開発も夢じゃない。これまでのAI競争は、どのAPIが優れているかという話でした。しかし今や、オープンソースの性能が追いつき、自由にカスタマイズできる時代に。
でも、なぜ無料で公開するのでしょう? 実は、利益につながるからなんです。まず、多くの人に使ってもらえる。そして、ユーザーの意見を取り入れ、性能を上げていける。シェアNo.1になれば、その上で動くサービスで収益化できるというわけ。Googleが、オープンソースのAndroidで成功したように。(オープンソースと収益化の話はラジオでお楽しみください)
ところで、OpenAIは元々非営利団体で、オープンソースにすることが前提だったんです。それが、いつの間にかソースコードを公開せず、APIのみの提供になっている。対して、営利企業のメタがオープンソースのAIを無償で提供しているのは、なんとも皮肉な状況ですよね。
さらに、LLaMA 3の開発に携わっているのが、メタのAIチームのヤン・ルカン氏。彼は、ディープラーニングという今や主流のAI教育手法の生みの親なんです。そんな彼が、「来年には人間より賢いAIが生まれる」と豪語するイーロン・マスクのツイートに、「じゃあ、君の自動運転車は教習所卒業より速く運転できるようになるんだね」と皮肉るようなブラックジョークを飛ばしたりしています。なんとも、アメリカらしい光景ですが、そんなジョーク好きな人物が手がけたAIがオープンソースになっているのも、ドラマチックだと思いませんか。
今後も、AI技術の表層だけでなく、その裏で繰り広げられる人間ドラマや社会の動き、さらには資金の流れなども、このニュースレターでは追っていきたいと思います。AIを取り巻く世界の動向から、目が離せませんね。
それでは、また次回お会いしましょう。チキンでした。
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