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「ひとり」と「独り」は違う③〜自分を犠牲にしない生き方と「誰かのため」の呪縛を手放す〜

第3回:「ピアサポート」の理想と現実のギャップ

「ピアサポート」という言葉を聞くと、なんだか温かくて、支え合いの輪が広がっていくイメージが湧く。

わたしも、そんな理想を描いていた。「おひとりさま」の活動を始めたときも、根底にあったのは「ピアサポート」。

お互いに助け合い、学び合い、対等な関係の中で「ひとり」を生きる力を育てていく。

…はずだった。

現実はどうだったか?

想定外のことが起きた。

理想の「ピアサポート」は、いつの間にか「サポートする側」と「サポートされる側」に分かれていたのだ。

いや、そんなつもりはなかった。わたしは「助け合う場」をつくりたかったのに、気づけば「助ける人」になっていた。具体的には、かなりお年を召した方からのお手紙やお電話、メールが頻繁に入るようになった…😭
そして、期待値に沿わなければかなり辛辣なお言葉をいただくようになる…😅

そうなると、どうなるか。

「わたしが頑張りすぎて、燃え尽きる」というお決まりのルートを爆走することになる。

そして、気づいた。
これは、わたしが一番避けたかった形だ、と。

「自律」を目指していたのに、「依存」の関係になっていないか?

ピアサポートって、対等な関係だからこそ成り立つものだ。

ところが、支援を求める人ほど、「自律」よりも「依存」を求める傾向があった。もちろん、全員がそうだったわけじゃない。だけど、「助けること」にエネルギーを使いすぎて、わたし自身が苦しくなってしまった。

「これじゃあ、子どものころのわたしと同じじゃないか。」

家族の気持ちを先回りして考えて、場の空気を読んで、相手が求めることをしてしまう「家庭内カウンセラー」の癖。

まさか、ここでも発動するとは。

「わたしの役割は助けること」

この呪いが、またわたしにのしかかっていた。

ピアサポートを成立させるために必要なもの

じゃあ、どうすればよかったのか?

わたしなりに考えた結果、ピアサポートを成立させるには3つの要素が必要だった。

  1. 関係性の再構築
    「助ける人」「助けられる人」という関係性ではなく、お互いが対等な立場であることを意識する。 そのために、情報を受け取る側にも責任と役割を持ってもらうことが重要だった。

  2. 境界線をはっきりさせる
    わたしが「無限に助ける人」にならないように、ルールを作る。助ける側のエネルギーを守るためにも、「ここまではできる、ここからはあなたの課題」という線引きをしっかりする。

  3. 「依存しない仕組み」をつくる
    ただ手を差し伸べるのではなく、「自分で考え、行動できる場」を提供する。つまり、「答えを与える」のではなく、「考える力を醸成する」ことが必要だった。

「わたしを犠牲にしないピアサポート」にシフトする

気づいたら、「誰かのために頑張りすぎる」ループに入っていたわたし。
でも、そこから抜け出すために、「ピアサポート」の形を見直した。

・助けることに罪悪感を持たず、でも限度を決める
・関係性は対等であることを強く意識する
・「自分で考え、行動する力」を育む場をつくる

これを、次のステップとして動かしていこうと思う。

わたしは、「助ける側」でも「助けられる側」でもなく、ひとりの人間として、対等に関わっていきたい。

それが、わたしの目指す「ひとり」と「独り」の違い。

次回は、「家庭内カウンセラー」だった過去と、自分を犠牲にしないための考え方について話していこうと思う。

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