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「ひとり」と「独り」は違う②〜自分を犠牲にしない生き方と「誰かのため」の呪縛を手放す〜
第2回:「収益化」を意識しなかったことの弊害と遠回り
「おひとりさま」の活動を始めた当初、わたしは収益化なんてまるで考えていなかった、というのは嘘で(笑)まあ、ボランティアでできることには限度があるし、わたしの知っているNPOのお友だちは、5年、6年経つ毎に疲弊している人が多かったので、ある程度の見込みを立てて赤字にならなきゃいいではじめた。
だって、ライフワークだし、好きなことをやって、それがちょっとでも誰かの役に立つならそれでいいじゃん!みたいな、そんな感じだった。
でも、現実はそう甘くなかった。
法人を維持するって、マジで大変。固定費、人件費、運営コスト、気がつけばどんどん膨れ上がる経費の山。わたしの中の小さな電卓が「これ、赤字やん…」と警告を鳴らしまくっていた。
それでも「収益化」にはなかなか踏み切れなかった。「お金をもらう」ということに、どこかで罪悪感を持っていたんだと思う。「社会のために」とか「誰かを助けたい」とか言っているのに、利益を出すのって、なんか違うんじゃない?って。
でも、それがそもそもの間違いだった。
「ピアサポート」のつもりが、ただの“支援”になっていた
わたしが掲げていたのは「ピアサポート」。対等な関係性の中で、お互いに支え合い、学び合う仕組みを作りたかった。でも、収益化を積極的にしかなったせいで、その関係性はどんどん崩れていった。
結局、サポートばかりが目立ち、気がつけば「助ける人」と「助けられる人」という構図になっていた。
これは、まったくもって本意ではなかった。
しかも、オールドメディアに取り上げられることで、さらに問題が発生した。知名度は上がったものの、伝えたいビジョンがぼんやりしてしまったのだ。
わたしの考えでは「個立有援」「個立有縁」は、自律しながらも支え合うという意味だった。でも、いつの間にかシニアの「孤立している人をつなぐ活動」と思われるようになってしまった。
わたしが掲げる「ひとり」は自律した「ひとり」。
その「ひとり」と「ひとり」がつながり合う、応援し合うことで、孤独で孤立したな「独り」が少なくなるといいな、という活動だ。
すでに孤独で孤立した「独り」をなんとか社会へつなげよう、なんてそんなおこがましいことは考えて無かった。だけど、そう伝えきれていなかったことも事実だ。
収益化を避けたことで、遠回りしまくった
本気でビジョンを広めようと思うなら、わたしは「収益化」に対してもっと前向きであるべきだった。
●ビジョンを明確にし、しっかり伝える ・活動を継続できる基盤をつくる
●わたし自身が“支える側”に固定されず、対等な関係を作る
こういうことを考えずに「収益は後回し!」なんてしてたから、すごい遠回りになった。
本当は、収益化を考えながら運営することこそが、「正しくビジョンを伝えること」にもつながるんだと、今ならわかる。
これからの「おひとりさま」の活動は、ちゃんと“収益化”する
もちろん、「ピアサポート」の理念は絶対にブレさせない。
収益をしっかり確保しながら、誰もが対等な関係でいられる仕組みを作る。
「支援」ではなく「自律のための場」をつくる。
そんな新しい形を、わたしは目指していく。
第3回:「ピアサポート」の理想と現実のギャップについて、書いてみようと思います😁