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ペイント大全ショウケース:クレリック パート4(ローブ/サーコート)

よくぞ来た。今日は、クレリックがチェインメイルの上から着込んでいる、ローブっぽいサーコートをじっくりペイントしていこう。

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このクレリックが着ている分厚い服は、戦士や騎士が用いるサーコート(陣羽織)とよく似た実用性を持つローブだ。チェインメイルやプレートメイルみたいな金属鎧の上に、布の服を着込んでいるミニチュア、結構いるよね。ちょっと現実世界のサーコートについて説明しよう。


サーコートとは

現実の世界では、十字軍遠征で南方に行った騎士たちが用いた陣羽織「シクラス」がサーコートの起源とされている。また、十字軍遠征から帰還した者たちを起点に日常着「シュールコー」として広まり、14世紀末ごろまで、男女ともに大流行した。武具としてのサーコートには、大まかに分けて2つの意味がある。

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1つは、自分の出自、あるいは所属を伝えるもの。サーコートには派手な色や紋章(Cort d' arms、「コートデアームズ」と呼ぶ)をあしらっているので、遠くからでもその人物が何者か、あるいはどの軍に列しているかを判別できる。日本でいえば、武士の前立て(兜飾り)や差物(背中にさした旗)と似たような、戦場における識別に使われたようだ。

そしてもう1つが、金属製の鎧が陽光を受けて反射したり、熱を持ってしまうのを防いだり、雨で鎧が錆びてしまうのを防ぐため。夏の太陽は恐ろしい。車のボンネットの上で目玉焼が作れちゃうぐらい熱くなるよね。車は塗装されているけど、鎧は必ずしもそうじゃない。そして車と違い、鎧のすぐ下には肌がある。鎧を着込んで砂漠を歩いていたら、ヤケドしちまうよな。

また、チェインメイルはものすごく錆びやすく、日常的な手入れをしていないと、あっという間に朽ちて使い物にならなくなる。砂を入れた桶につけて棒でかき回したりして、表面の汚れや錆を落とさないといけない。当時は錆止めも発達していないから、雨に降られたり、乱戦で汗や血を浴びて放置すれば、あっという間にサビサビさ。サーコートを着込むことで、熱から自分を守り、手入れの面倒を少しでも減らそうとしていたんだ。

俺たちがペイントしているのはファンタジーミニチュアなので、実際の歴史がどうのとか、考証がペレペレとかはどうでもいい事だ(そもそもファンタジー世界は現実世界ではない。一部似ているだけだ)。でも、俺たちの歴史においてもチェインメイルやサーコートは使われていたんだし、当時の資料が教えてくれることは、ぜひ製作の参考にしたい。それが俺のスタンスだ。

俺は、このクレリックは、自分の信仰や所属する宗派での地位を内外に示しつつ、着込んだチェインメイルが光や火などで発熱するのを防ぎ、雨や血による錆を防ぐため、分厚い“ローブコート”をまとっていると想像した。

OK、それじゃあ製作に入ろう!

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