角兜の狂戦士パート5:斧(鋼鉄と革)、骨飾り、小袋
よくぞ来た。前回のショウケースで、斧の柄(木材)、腕帯とブーツ、ベルトと左腰のカバン(革)、ゲートル(革)を仕上げた角兜の狂戦士! 今回は、斧に巻かれた滑り止めの革ひも、斧の刃、骨飾り、右腰の小袋を仕上げる。
斧の素材について
ペイントに入る前に、改めて彼の斧をじっくり見てみよう。俺がミニチュアペイントをするとき、ペイントを同じくらい楽しいのが、ミニチュアをじっくり観察して、あれこれと想像を巡らすことだ。そしてこうした想像は、配色決めの手助けにもなるだけでなく、ストーリーを組み立て、ミニチュアペイントの充実感や興奮も倍増させてくれる。至福の時間だね。
前回のショウケースでここまで進んだ。改めて斧を観察しよう。
古来より、自然は人に様々な恩恵をもたらしてきたが、木材や鉱石、そして動物の皮をなめして加工した革は、人々の生活を支え、守り、発展させてきた。ファンタジー世界でも、それは同じこと。斧の柄は、武骨ながら作りのしっかりした木材だ。前回のショウケースでペイントした部分だけど、使い込まれてきた面影を、俺なりに表現したつもりさ。そしてこの刃は鋼鉄製だろう。なぜか? 北方の諸部族には〈鋼の秘密〉が伝わるという。南方で広く使われる鋼鉄とは、鉱石の精製方法や製造過程に違いがあるかもしれない(あるいは同じものかもね!)。
また、忘れられないのが革だ。このバーバリアンが持つ二つの斧にも、革がふんだんに使われている。斧の刃は、柄に開けた穴へと刃軸を入れ、革ひもできつく固定するタイプ。打撃の時に刃の角度がずれないよう、刃の表面にもX字に紐(左のは柄元と同じく平たい紐、右側のは丸紐だ)が巻かれているね。右の斧には、固定用の平たい紐をたるませ、滑り止め用に手元に巻きつけてある(もしかすると、万一革紐が切れた時用のスペアを流用しているのかもね。汗で馴染むし柔軟性も上がる)。左の斧に滑り止めの革紐がついていないのは、単に取れてしまったのかもしれないし、“滑り”を利用した使い方をするのかもしれない。
また、刃の逆側にはそれぞれ2本の“牙”がついている。これを装飾として動物やモンスターの牙風にペイントしてもいいけど、俺は今回、斧の一部としてペイントすることにした。この野人が、この部分をスパイクがわりに使って戦う光景を想像したからだ。板金鎧を着ているような敵は、斧の刃で斬りつけるよりも、スパイクメイスで叩きつける方が効果的だからね!
それじゃあ、行ってみようか!
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