ペイント大全ショウケース:トロール パート9(完結編:草の表現、トップコート、水面の仕上げ)
よくぞ来た。8回(ベースデコレートの回も含めれば9回)に渡りじっくりと製作してきたトロールも、今回でいよいよ完成を見る。
今回でいよいよ完成だぜ!
こんな水面できたら楽しいよね。今回の記事を読めば、コレが別に高価な情景素材や特殊なツールを使わずに実現できることがわかる。
古来から使われる情景素材「ライケン」に、一手間かけて花を咲かせてやるとしようぜ。
それじゃあ、行ってみようか!
つけまつげ草を生やす
ショウケースのパート7で、「背の高い草」を作ったのは覚えてるかい? 結構な数を作ったけど、今回使うのは2つくらい。ブレードランナーで屋台のオヤジが残した名言「2つで十分ですよ」は、ベースデコレートでも活きる。
実際の沼地では、この手の草は群生する。本当ならば地面が見えないくらいにボーボーに生えている。だけど、ミニチュアのべースデコレートでは、「何事も控えめにする」事と、「各要素をうまく再構成する」事が大切だ。ただ現実の情景を投影するだけでは、情報量が少なすぎたり、逆に多すぎたり、あるいは単調になりすぎたりしてしまう。
本当にリアルにすると、トロールの膝から下はほとんどこの草に覆われ、地面はおろか、水もほぼ見えないくらいになるだろう。それは確かに現実っぽいけど、ベースデコレートとして見た時、ミニチュアのベースとしては破綻してしまう。俺たちがしているのは表現であって、再現じゃない。そして、それっぽさを出すには、控えめが肝心なんだ。
今回俺は、つけまつげ草を水辺から生やすことにした。付け方はカンタン。まず、木工用ボンドを原液のまま薄く垂らして15分ほど放置。いきなりつけず、少し乾燥させるとボンドに少し硬さが出て、草を立たせたまま固定しやすくなるんだ。15分したら、それぞれの水辺に1つずつ固定。前側には背の高いやつを、背中側は少し短いやつにして変化をつけてみたよ。
木工用ボンドは乾燥するとヒケる(体積が減る)のと、透明になるので、多少はみ出ていてもOK。ここで大切なのは、草の根元をしっかりボンドで埋めて固着することだ。とはいえ、木工用ボンドは乾燥後ツヤが出るので、岩や地面にベチャッとついた場合は、水を含ませたボロ筆で取り去ってやるといい。
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