オールドスクールファンタジーの歩み -パート3(90年代)
🔰はじめに
そもそも「オールドスクールファンタジー」って何だろう? 「オールドスクールファンタジー」とは、剣と魔法の世界を舞台とするわけだが、特定の作品や作品発表年代、あるいは媒体(小説や映画やゲームなど)を限定するものじゃないんだ。
このシリーズ記事では、「オールドスクールファンタジー」がいかにして紡がれ、どう現在に帰結し、未来へと繋がってゆくかを追っている。
パート3では、90年代の国内外シーンをじっくり語っていく。
それでは早速行ってみよう!
90年初頭という天国
新和版D&Dの展開はAD&Dへと広がり、DFCに加えて全国各地へとゲームサークルの輪が広がる。ホビージャパンはルーンクエストや指輪物語などの海外作品をサポートをしつつ、専門誌である月刊RPGマガジンでは国産RPGのプロモーションを手広く行い、富士見書房や社会思想社も無数のRPGやその関連書籍を文庫版で発行。今まではゲームブックやファンタジー参考資料の購入先であった書店を、RPGおよびそのサプリメントを購入する店へと変えていった。
特筆すべきは新紀元社で、当時まだ珍しかった歴史資料の数々を、RPGファンに届けやすく執筆・編集して様々な関連書籍を発行、全国の書店で流通させた。Truth in FantasyシリーズやFantasy Makingシリーズは、80年代末期から90年代を通して、ファンタジーの想像と創造を希求する人々にとって、文字通りのバイブルとなった。朱鷺田祐介氏、草野巧氏といった執筆者らの明確かつ精緻な筆遣いと、読者の背中を押す思いやりを感じる数々の表現は、数多くの年若きクリエイターたちを先導する灯火であったのだ。
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