評議会メンバーの相談『ペイントがうまくいかず、途中で製作を投げ出しがち。どうすれば?』に答える
やあ!評議会メンバーのみんな、元気にしてるかい? 今日は、寄せられた相談の中から、一昨年ミニチュアペイントを始めたという評議会メンバーからの質問に答えたい。評議会メンバー専用ホットラインに寄せられる声には、すべて俺自身目を通しているけど、「最近この系統の相談が増えたな。悩んでいる人、結構いるのかもしれない」というのがあった。
と言う質問、というか相談だ。昨年からカウンシルを読んでくれているんだね。どうもありがとう!
君の思いはしっかりと伝わった。真剣に悩んでグルグルしているのもわかる。同じように、なかなか作品を仕上げられずに悩んでいる人は結構いるみたいで、最近似たようなお便りを何通か読んでいる。だから、今回しっかり答えるよ。途中話があちこちに飛ぶけど、ちゃんと最後に繋がるから、ちょっと長くなるけど読んでくれ。
イライラってやだよな!
まず、率直に言って、君は君自身を追い込みすぎだ。俺が思うに、君は「過去最高傑作」を狙いすぎているんじゃないかな。確かに、できる範囲で塗り上げるペイントばかりしていると、スキルの上達は足踏みしてしまうかもしれない。でも、新しいことをやろうとして失敗し、イライラして製作が止まってしまうのは、おもしろくないよね。それで余計イライラする。わかるよそれ。
実を言うと、俺も以前、「うまくなるぞ!」と意気込んで筆を持っては「クソまた失敗だ!なぜだ!ファッキンシット!」とイライラしていた。焦るから失敗するし、失敗するからさらに焦る。それが連続すると、本当につまらんし、イヤになっちゃうよね。
「ペイントまめちしき」でたまにツイートしているけど、俺の場合、「上達」は手段であって目的じゃないと考えているし、「傑作」は結果であって目標じゃないと考えている。ペイントは確かにアーティステックなホビーだと思う。でも、だからと言って気負う必要はどこにもない。誰にでもできるし楽しめるものだ。ペイントは人を選ばない。
俺はミニチュアペイントを「一握りの人が到達できる芸術」だとか「一級の審美眼が要求される高尚なホビー」だとはまったく思っていない。むしろ、そう言うスノッブみたいなのは実にバカバカしく、ダサいと思っている。さらに言えば、技術や知識とかは、究極的にはどうでもいいことで、大切なのは、君自身が楽しむことだ。だってホビーじゃん。一方、楽しみたいからこそ上達したいのもわかる。イメージ通りのペイント、できるようになりたいもんな!
いずれにせよ、喫緊の課題は君のイライラ解消だ!
ペイント大全は一例であり教科書ではない
知識は確かに助けになる。だから俺はペイント大全をやっているし、これからもやるよ。でも、知識一辺倒ではなく、実際に手を動かさないと、絶対にスキルは身にはつかない。君もそれがわかっているからこそ、きっとイライラしちゃうんだよね。
でも、ペイント大全を絶対視しないでくれ。ペイント大全は俺にとっての最適解をまとめているけど、これは唯一無二の方法論じゃない。今の俺にとってはベストな方法だけど、今の手法も、俺が今後さらにペイントを続ける中で変わってゆくかもしれない。ペイント法はいわば「生きている」ノウハウなんだ。だから形は当然変わっていくし、それもまた、楽しさの一部でもある。
ミニチュアペイントに、普遍的な部分はもちろんある。けど、みんなそれぞれが独自のスタイルを作り上げていくものさ。そして俺は、自分のペイント法を「俺流」だのとほざくつもりもない。俺は俺の身につけた「これいいな!」を、君とシェアしているだけだ。だから、ペイント大全は絶対的な教科書にはなりえない。あくまでも一つの例であり、助言にすぎないんだ。何から何まで俺のやる通りにペイントする必要は全くない。
君には君のスタイルがあると思う(なくてもいずれできる)し、君が役立てたいところを役立ててくれればいい。これはホビーなんだ。俺には俺のホビースタイルがあるように、君にも君のホビースタイルがある。みんな違ってみんないいんだ。
とはいえ始めてしばらくは、スタイルも何もわからず、途方にくれることがあるかもしれない。途中、迷うこともあるだろう。そんな時、ペイント大全を地図がわりに使ってもらえたら嬉しい。
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