新製品情報:連邦の兵たちと砂漠の異教徒ら
2022年初のリリースは、エキゾチックな異国の薫り漂うミニチュアたちのリリースだ。中近世ヨーロッパ風味のミニチュアだけじゃなく、異文化の薫りをまとうミニチュアたちは、ファンタジー世界に彩りと変化を添えてくれるからね!
ルーシッド・アイ
俺が今回用意したのは、ルーシッド・アイ(イギリス)から届いたエキゾチックなミニチュアたち。ルーシッド・アイといえば、フランク・フラゼッタ公式ミニチュアが初弾のローンチだったが、この度、更なるレンジを届けることにした。
ルーシッド・アイは、ゲームズワークショップのシタデルブランドで鳴らしたミニチュアデザイナー、スティーブ・サレーの個人ブランドだけど、フロントマンは彼の息子であるジョーが担当している。経営やプロモーション、あるいはビジネス上のやりとりをジョーが担うため、スティーブ本人は素晴らしいクオリティのミニチュア造形に集中できているんだ。スティーブは伝統的な方法…パテを用いて原型を作るデザイナー。シタデル時代に培ったメリハリの効いた造形と絶妙なディフォルメは、2000年代にスティーブがシタデルでミニチュアを作っていたころからさらに磨かれている。
ルーシッド・アイは自社ゲーム出版もしている。ルーシッド・アイ・ゲームエンジンと呼ばれる基幹システムを軸に、世界観や時代設定の異なる複数のミニチュアゲームを展開しているのさ。こちらはジョーと、リック・プレストゥリーがタッグを組んでいる。結果、スティーブがルーシッド・アイで送り出すミニチュアは、彼らのゲームにも使えるよう、個性的な名づけがなされているんだ。
他方、ハーミットイン商店は、メーカーやブランドを横断して、汎用的なオールドスクールファンタジーミニチュアとしての一元的な製品展開をするのが身上。製品名称についても、一部の例外(もともと汎用性を考えて名づけされているダンケルドルフや、版権ものミニチュアであるフラゼッタ公式ミニチュアなど)を除き、原則として名称のジェネライザーション(汎用化/普遍化)を行うのが商店の方針だ。
俺とジョーはその辺りもしっかりすり合わせ、ガッツリ合意した。結果、ルーシッド・アイの全面協力のもと、製品画像を新たに作り起こし、製品も新たに名づけ直してあるよ。
もちろん商店での名前は、仮のものでしかない。レビュー内では、ハルクウーベンにおける彼らの立ち位置や、君のファンタジー世界に迎える際の“配役”提案も紹介しているけど、これらは全て、君の想像力と創造力を刺激するための例であり、きっかけにすぎないのさ。
君のファンタジー世界において、彼らがどんな存在で、いかなる名前と背景を背負うのか。それを決めるのは君なんだ!
人間の諸文明と個性的な軍装
ファンタジー世界においては様々な文化が花開く。そして魅力的なファンタジーには、現実世界ならば数世紀の隔たりがあるような文明であっても同時代に存在しているものだ。草を編んだ鎧と板金鎧が同時代に使われる理由にはさまざまなものが考えられるが、現実世界における史実や技術進歩の度合いをそのままトレースするには、ファンタジー世界は危険とワンダーに満ち溢れすぎている。オークやゴブリンといった無数のモンスターが跳梁跋扈し、魔術が現実的な力として顕現し、神や悪魔が実体として暗躍するこの世界において、現実世界の尺度や基準をそのまま当てはめることなど不可能なのだ。
それじゃあ、レビューいってみよう!
二つの月が照らす砂漠にて
ハルクウーべンの内陸部に広がる巨大な内ヵ海の南は、極度に乾燥した砂漠地帯だ。内ヶ海の沿岸、川沿いに点在するオアシスに、シャムシール首長国と呼ばれる通商連合国家がある。諸国が面する内ヵ海は大陸貿易の重要地点であり、シャムシールの交易都市群は、諸国間の貿易を取り持つことで巨万の富を得るに至った。
滅んで久しい砂漠の古代文明の末裔を称する彼らは、独自の文明を発達させてきた。医術や幻術、服飾や占術、建築、食文化、そして金属精錬技術に至るまで。交易や戦争を通じ、シャムシールの文化は形を変えつつも大陸中の諸国に伝播している。
仮面の祭司
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